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(119)いきものたち。

ジジは夏に痩せて冬に丸くなる。この秋もだいぶ丸くなってきた。先日ゆっくり庭を見て歩いていたら春に移植して世話をして元気になったクチナシが、青虫にすっかり食べられ丸裸になっているのを発見した。大きな青虫は蛹になるところだったから、今更木から落としても仕方ない。翌朝、蛹はどうかなと見に行ったが姿も形もどこにもない。さては鳥に見つかってしまったか。私のクチナシを食べ尽くした青虫はさぞ美味かったことだろう。

今朝も空は晴れて洗濯物をしたりと急いで準備をしていた。猫たちはずっと和室にいるようなので和室が暖かいのかな?と思っていた。そうこうして出かける時間になったので和室へ見に行くと、なんてこと、大きなカマキリが猫にやられてボロボロの姿で畳に立っていた。悲鳴をあげて近寄ると猫たちは不思議そうに私を見る。危険な侵入者をやっつけて手柄のつもりなのだと思うが、猫はハンティングの時は残酷で、カマキリは後ろ半分を潰されて動けなくなっていた。
「これは友だちのカマちゃんなんだよ…」
猫に分かるわけもないし、叱りはしないが褒めることも出来なかった。ただ悲しくて、まだ息のあるカマキリをそっと庭に運んでアガパンサスの葉陰に下ろした。大きさから言って夏の間網戸にいたあのカマキリだった。一昨日もテラスにいて昨日見かけなかったが、まさか家に入ってしまったとは。昨日いない時によく探せば、猫より先に見つけられたかもしれないのに。大切にしているなら、しっかり見守っていないといけないのだ。

自然の生き物の世界だから、食べたり食べられたり、自然の摂理と分かっていても、悲しいものはやっぱり悲しい。


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