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保育士のお話

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#保育園

何者にもなれない今の私〜潜在保育士

何者にもなれない今の私〜潜在保育士

数年前に報道で子どもへの虐待が大きく報道されていた頃、子育ての中で何故そのような悲惨な虐待が起こるのか、どのような状況が重なってそのような事態になってしまうのかと心を痛め、
児童相談所のこと、一時保護所のことに関する書物を読み漁り、世の中どうなってるんだと、憤りと悲しみに包まれました。

そんな中、私に少しでも出来ることがないかと考え、Twitterの中で密かにささやかれる児童養護施設で暮らす少年

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とある保育士が1月3日の朝に思ったこと〜子どもらしさとは

とある保育士が1月3日の朝に思ったこと〜子どもらしさとは

今の子ども達は、以前より子どもらしく生きられている分、幼いと言われる。
子ども時代を子どもらしく過ごせているか否か、は、人権の面から見るととても大事。
でも、今の子ども達、果たして子どもらしく親に甘えられてるかな?
保育園にずっと居なきゃいけない子ども達…。

きちんと親に甘えられていないから、
次(家族以外の社会)に適応し辛いと言うケースもある。
乳幼児期にしっかり親に甘えて過ごせたら、
次は外

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ルール作りは誰のためのものか

新しい保育園に勤務し始めて、3日間が過ぎました。
乳児クラスと幼児クラスにフリーで入りました。
園全体の雰囲気と流れが見えて来た中、感じた第一印象は、
自由の中での伸び伸びとした育ち。

子ども達は実に自由に遊んで、活動しています。
何かによって縛られることなく、遊びを選ぶこと、過ごし方を選ぶことが出来ます。
お昼ご飯の準備が出来ると、遊びに満足した人から入室して食べ始めます。
まだ遊びたい子ども

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私が子どもを好きな訳

私が子どもを好きな訳

世の中には様々な素敵なものが溢れている中、
私が特に何故、子どもに注目するのか考えてみました。

それは何より、子どもの発想に感動させられることが多いから。
そして子どもの無邪気な素直さは、私を優しい気持ちにさせてくれます。
私は、子どもを育てたりより良い方向に導いたりする以前に
子ども達に生かされているのだと感じます。
子ども達の笑顔に会った時、私は最高に満たされます。
この世から”子ども”の存

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日本の保育業界は変革期

日本の保育業界は変革期

保育士が足りない日本。

いや、正しくは保育士資格を持つ人は数多く潜在している。けれど、国からの補助金で成り立っている保育園は、どこも配置基準ギリギリの人数での運営なので、いざ保育士に体調不良や退職で欠員が出た時、子どもに最適かつ最低限の人数が確保出来ない状態が生じていると言うことだ。そして、保育士の求人の急募をしてもなかなか条件に見合った保育士は見つからない。応募が思うように来ないのだ。

その

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子どもの人権〜厚労省の判断に疑問を持った保育士として願うこと

子どもの人権〜厚労省の判断に疑問を持った保育士として願うこと

私はコロナ禍において、厚労省はじめ政治家が、保育園や子育て世帯をどう扱って来たかが見えて来たような気がします。経済を回すことばかり考えて、子どもに目をやれていない現実に危機感と失望を感じています。経済を止めないことはもちろん大事なことですが、その背景で子どもの人権が無視されていると思いませんか?

第6波に於いて、子どもの感染が急増している中、余程の事がない限り保育園は休園を許されません。たとえ陽

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子どもの主張〜保育園の乳児クラスより

子どもの主張〜保育園の乳児クラスより

乳児が集団生活を強いられる時、自我で泣いて抵抗する子どもが居る。私はそれを見るといいぞいいぞ!と思う。
どうして泣いているのかな?それは言わば謎解きだ。その根本には必ず理由があり、主張がある。

でも大半の保育士は、泣いてもダメ、今はこれをする時だから、わがまま言わないの、みんなは何をしてる?と問いかける。言うことを聞かせようとするから言うことを聞かない子どもにイライラする。他の子どもも見ないとい

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保育園ありきの家族設計に疑問

保育園ありきの家族設計に疑問

私は、息子達の子育ての終わりが見えかけて来た平成30年に受験で保育士資格を取った、現在アラフィフのフリー保育士です。保育園でパート勤務をしています。

私は古い考え方なのか…。
この繰り返されるコロナ禍で、子どもの登園をどうしても自粛出来ない(ソーシャルワーカー除く)と言う状況に疑問が続き、ストレスが増しています。

子育て支援の概念は賛成ですが、子育てに関して親は、もう少し子どもを守ると言う観点

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私が保育士の資格を取ったわけ

私が保育士の資格を取ったわけ

noteで開催されている #この仕事を選んだわけ  について書いてみようと思います。

一言で言ってしまうと、生きづらさを抱えて生きている人達を多く見てきたから、そして私もそのうちのひとりだから、なのかもしれません。

保育士になる人の一般的なイメージは、子どもが好きだから、でしょう。

もちろん私は子どもが大好きです。一つ一つの無垢な表情や発想だけではなく、なんと言っても人の育ちに興味があります。

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自問自答〜過去のメモを見つけて(虐待に結び付けない社会の仕組み)

自問自答〜過去のメモを見つけて(虐待に結び付けない社会の仕組み)

2018年2月のメモを見つけた。

虐待に結び付けない社会の仕組み
お母さんの自己肯定感を高める事
お母さんが子育てを楽しめる状況
子育てがお母さん一人に集中しない仕組み
子育てサポートが子どもの幸せに繋がると言う視点

届きにくい場所へ手を差し伸べる方法
必要とされる支援は何か
人に相談したり人の手を借りる事が苦手なお母さんの所に虐待は生まれる

今は2021年
私のやりたいことは大きく変わって

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子どものやる気のタイミングは子どもが決める

子どものやる気のタイミングは子どもが決める

これは、私の子育て観、そして、保育観についてのお話です。

2人の息子は今、25歳と21歳。成人して子育ては終了し、保護者という概念や親権という概念からも離れて、今、子育て時代を遠くに思い出しています。

2人の息子を育てるに当たって、私が無意識に心掛けていたことは、精神的、社会的に自立した大人になること、でした。それは決して、甘えさせないことではありません。むしろ逆で、子育て時代は存分に甘えさせ

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緩く生きると周りの人も心地が良い

緩く生きると周りの人も心地が良い

がんばりやさんのお母さん、保育士さん、あらゆる役割の大人たち。

がんばることは立派なこととされ、賞賛されがちで、良いこととされて来た。

少々辛くても乗り越える。歯を食いしばって努力する。そして、努力を休むことなく続ける。それが一般的には美徳とされて来た。

個人の生き方として自分で選んだ道ならば、それはいい。例えばオリンピックの選手など、努力の末に輝く姿を見ることは、多くの人に感動を与える。

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その子どもに合ったタイミングでの働きかけ

その子どもに合ったタイミングでの働きかけ

平成30年に国家試験で保育士資格を取り、保育士パートをして4年目の保育士です。今は中規模認可保育園で、早番フリーパートとして一日5時間働いています。

昨日の3歳児の保育中にふと感じたことがあったのでまとめます。

3歳児と言えばもう、身支度や食事、排泄など身の回りのことは何でも自分で出来る年齢と言えます。幼稚園で言えば年少さん。けれど、中には周りのお友達と同じペースではなく、マイペースに進める子

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フリーパート保育士として思うこと

フリーパート保育士として思うこと

私はフリーのパート保育士をしているのですが、正規保育士のやり方が全て正しいと言うわけではない、と思うことが今勤める保育園でもたまにあります。(フリー保育士は、固定のクラスに属さず、色々なクラスに入ります)

特に発達に凹凸のある子に対してあの対応はいかん、と思うことが昨日の幼児クラスにいた3時間の間に2回ありました。

1人は無理矢理楽しんでいた遊びを取り上げられ、次の支度をするべく担任の元へ強制

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