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その子どもに合ったタイミングでの働きかけ

平成30年に国家試験で保育士資格を取り、保育士パートをして4年目の保育士です。今は中規模認可保育園で、早番フリーパートとして一日5時間働いています。

昨日の3歳児の保育中にふと感じたことがあったのでまとめます。


3歳児と言えばもう、身支度や食事、排泄など身の回りのことは何でも自分で出来る年齢と言えます。幼稚園で言えば年少さん。けれど、中には周りのお友達と同じペースではなく、マイペースに進める子どもも居ます。

いつも時間がかかって、「出来な〜い」を連発するJくん。クラスの中でも最後まで残っていることが多く、最後の最後に私は手を差し伸べて手伝ったりもします。その子どもが本当に能力的に出来ないのか?を見極めることは大事です。日々の保育園での暮らしの中でそれは見えて来ます。

私はしばらくはその子どもに声かけをしながら観察します。甘えているのか?疲れているのか?やる気が出ないのか?発達的に難しいのか?

日々の生活の中で大人は時に、「〜〜すべき。」という概念を子どものペースではなく大人のペースで求めてしまうことがあります。いつも甘えてしまって出来なくならないように・・・。「ちゃんとする。」ことが求められがちです。

保育園で甘やかさない、甘える隙を見せない理由は何でしょう。集団生活をしている中規模保育園では、全員を一気に甘えさせてあげることは出来ません。特に3歳児では、幼児20人に付き1人の保育士が国の定める配置基準です。要するに1人の保育士が見る子どもは20人です。クラス運営をしていくに当たって、全体を見ていなければなりません。そもそもこの仕組みが原因でもあるのですが、その先に小学生になった時に困らないように、との目標もあるので、仕方ない面もあります。

私たちパート保育士が補助的な役割としてそのクラスに入った場合、違う視点で子どもを見ることが出来ます。ここからが私が伝えたいことなのですが、その子どもに頑張らせるタイミングを誤ったら、何の働きかけも言葉がけもその子どもには入って来ないと言うことです。これは、教育的観点が大いに関係して来ますが、いつも甘えがちなそのJくん、昨日は食事の後の食器の片付けを渋りました。いつも甘えてる、最後まで出来ない、と言うイメージが保育士たちの中には出来てしまっているのか、担任はあくまでも自分でさせようとしましたが、私は、単に、眠いんだな、と思いました。なんらかの理由で疲れちゃったんだな、と。いつもなら最後まで時間がかかっても食べ切るJくんが、その日は途中で食べるのをやめてしまっていました。担任の指導を見ていた別の補助の方(資格なしパートの方)も追い討ちをかけるように「自分でやって!」と促していました。

以前、食後のうがいやおトイレなど、午睡準備の時間にもなかなか動こうとしないJくんが、その日は何だかテキパキと何も言われることなくささっとそれを1人でやってのけたのを私は見ていてとても嬉しくなったことがありました。出来るんや!カッコいいやん!と。そっとJくんにその喜びを伝え、褒めました。Jくんは照れてニヤけてとても可愛かったです。その褒めるタイミングもとても大事です。その時に手短にあまり大袈裟にならないようにしっかりと褒めます。

やる気を出せば出来る子ども。と私は信頼しました。昨日、食後の片付けを2人の保育者から「自分で出来るでしょ!」と強く言われ、長々とそこに立ち尽くし、挙句の果てには「そこに居たら邪魔になるよ」と言われていましたが、その後様子を見るともう午睡の布団で寝ていました。よほど眠かったんだなと、私は思い、そのタイミングで注意したり指導したりすることの無意味さを感じてしまいました。

そんな時はどうしたら良かったのかな?と言うことに関して。

私は最初、半分手伝いながら、「どうしたの?疲れちゃったの?」「うん」(目と目を合わせて)「先生も手伝うから、半分は自分でやろうね、」と声かけしながら進めていたところに担任の「自分でやるんだよ!」の声かけが入った(Jくんの視線はぼんやり遠くを見ていた)ので、そっとその場を離れたのです。これがフリーパートの残念なところなのですが、やはり担任の先生のクラスですから批判するつもりはありません。

ただ、十分に甘えられた子ども、大人が思いを受け取ることで満足が出来た子どもは、必ず自立していくという私の思いとは、少し矛盾した出来事だったな、と思いました。

補足すると、私はその子どもの保護者の育て方、接し方も見聞きして知ることで、Jくんが家ではとても厳しく躾けられていることを知っていました。だからこそ甘えられる保育士で居てもいいかな、と思っています。


私の今の職場では、保育士同士の関係はとても円満で、気持ち良くお仕事をさせて頂いています。この保育園で3園目なのですが、色々な保育園を見て来ました。子どもの育ちに寛大な保育園では、保育士同士の敬意も感じられます。そんな日々の中、たまたま起こった出来事でした♪

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