マガジンのカバー画像

時事のあれこれ。

26
運営しているクリエイター

#IR

なぜ上場企業はIRをすべきなのか?

なぜ上場企業はIRをすべきなのか?

なぜ資本金を出していない株主にもIRにも責務を負うのか?

 2023年は上場企業のMBOなどによる非上場化のニュースが相次ぎました。その裏には上場の意義を突き詰めて考えたプロセスがあったのでしょう。
 上場維持コストは東証上場費用や株主総会などにかかる直接的な費用のほか、IR (インベスター・リレーションズ) にかける経営陣の時間という重要な間接コストも含まれます。企業の経営者の中にはIRに時間

もっとみる
IRの専門家とサステナビリティ経営の専門家の実務知識を公開! 9/28無料ウェビナー

IRの専門家とサステナビリティ経営の専門家の実務知識を公開! 9/28無料ウェビナー

これからの会社員の新常識 ESGとパーパス

9月1日に出版しました『ESG投資で激変!2030年会社員の未来』は、ESGはふつうの会社員にも関係あることを知ってもらいたいと思って書きました。

社内でESG経営を推し進める人にとっても、認知を広げるために必要なことです。マーケティングでいえば、AIDA(Attention 認知、Interest 関心, D 欲求、A 行動)のInterest、関

もっとみる
スタートアップ経営者がこの本を読むべき3つの理由

スタートアップ経営者がこの本を読むべき3つの理由

 

上場準備、人材採用、資金調達 スタートアップ経営者が考えるべきこの3大テーマについても、新著『ESG投資で激変!2030年会社員の未来』は大きく関係しています。

上場準備の大前提、株式市場の原則をレクチャー
 ESG投資は新しいルールのようですが、もともとある株式会社のルールの上に成り立っています。上場の前に必ず理解しておきたいことです。
 「上場する意味は何か」「外部株主とはどんな存在か

もっとみる
ふつうの会社員に『ESG投資で激変!会社員の未来』をオススメする理由

ふつうの会社員に『ESG投資で激変!会社員の未来』をオススメする理由

ESGへのよくある疑問に答える一冊

ESG投資はもはや上場企業には避けて通れないことです。そうは言っても、ESGって自分には関係ないと思っていたり、ESGで利益が減るのに投資と一緒に語られることに違和感を覚えていたりする会社員はまだまだ多いのではないでしょうか。

この本は、そんなふつうの会社員に手に取ってほしい本です。ESG推進やIRに携わる人たちだけが一生懸命になっても、なかなか会社は、世の

もっとみる
表紙デザイン決定&予約開始!『ESG投資で激変!2030年会社員の未来』9月発売

表紙デザイン決定&予約開始!『ESG投資で激変!2030年会社員の未来』9月発売

 3年ぶりの新著発売!タイトルは『ESG投資で激変!2030年会社員の未来』です!日経BP社から9月1日発売です!予約も開始しています。(注:5日発売日、早ければ1日入荷と書いていたのを訂正)

表紙デザインコンテスト@SNS

 今回、印象の異なる2つの表紙デザイン案が作成され、編集部の提案もあり、SNSで投票を行いました。爽やかできりっとしたブルー系(左)と、暖かみのあるイラスト入りのオレンジ

もっとみる
すごいCFOたち

すごいCFOたち

こんにちは。CFO(チーフ・ファイナンシャル・オフィサー)の役割って何でしょうか?
一橋大の特任教授の伊藤先生は、日本企業の多くのCFOは「スーパー経理部長」だと言います。どういう意味かというと、過去の数字である決算書を作ってる経理の経験しかない人が多く、資本コストを踏まえたキャピタル・アロケーションなどの財務戦略的なことをやっていないからだそうです。

今まではそれで足りたのでしょうが、銀行によ

もっとみる
市場混乱期こそ確かめよう~IRの心得と原点(Sessaウエビナー抜粋)

市場混乱期こそ確かめよう~IRの心得と原点(Sessaウエビナー抜粋)

 株式市場は、いま、非常に不安定です。一時期のパニックからは少々落ち着いてはいるものの、引き続き不透明です。こんなとき、企業は、そしてIRはどうしたらいいでしょうか?
 4月8日のSessaパートナーズのウエビナーで話した内容を一部公開します。

1.市場の3つの混乱要因 いま、市場を混乱させている要因は、上記の三つです。①地政学リスク ②金利上昇・物価上昇・円安 ③バリュエーションの修正です。こ

もっとみる
東証の「対処すべき課題」

東証の「対処すべき課題」

 東証のえらい人からお声がかかり、「東証の『対処すべき課題』や期待のメッセージを書いてくれませんか?」とご依頼がありました。
 来春に予定している市場区分変更でもよいし、テーマは何でも良いとのことでした。プライム市場とスタンダード市場については、他に書く人は大勢いると思ったので、グロース市場にターゲットを絞り、こんなメッセージを寄せてみました。よろしければご覧ください!

日本取引所グループの統

もっとみる
マザーズから東証一部(プライム)に、スッと上がれる会社、時間がかかる会社

マザーズから東証一部(プライム)に、スッと上がれる会社、時間がかかる会社

 日本の株式市場では、毎年約100社が新たに上場し、その大半が東証マザーズです。上場直後は、株価も跳ね上がりメディアの注目も高いですが、その後2年も経つと株価も注目も停滞してしまうことがあります。一方で着実に市場からの評価を高め、東証一部への指定替えが早期に行われる会社もあります。その差はなんでしょう。
 市場区分変更を踏まえ基準が厳しくなった今でも通じる点を考察します。

① 業績向上 ひとつは

もっとみる
ショート・ターミズム(短期志向)へのイライラの本質

ショート・ターミズム(短期志向)へのイライラの本質

 ショート・ターミズム(短期志向)とは、企業や投資家が短期的な利益を追求し、長期的な成長を軽視した行動を指します。多くの上場企業が投資家の短期志向にいらだちを感じていると経産省の委員会で報告されました。(*1)
 が、「短期志向」には、2種類あります。「短期的な取引」と「短期的な視点」です。これらを同一視せず、ヘッジファンドやアクティビストを含む様々な投資家を理解し、うまく付き合うことが大事です。

もっとみる
人権と日本企業

人権と日本企業

 新彊ウイグル自治区に関する人権問題が、日本のアパレル産業に影響をおよぼしています。(Business Insider記事)これまで日本企業では、「人権」というと、日本での日本人の人権はほぼ守られていたので(100%ではないですが)、事業活動で意識しているビジネスパーソンはそう多くなかったのではないでしょうか。

 しかし、世界にはまだ児童労働や強制労働に苦しむ国・地域があり、私たちはそのような不

もっとみる
復興支援とサステナビリティと株式市場

復興支援とサステナビリティと株式市場

 楽天に勤務していた頃のIR(インベスター・リレーションズ)の仕事を綴った『楽天IR戦記』の第6章「東日本大震災と直後の株主総会」について振返ります。あれから10年。この章の最後の文、「非常時、世の中全体が社会的使命を果たそうとする中、株式市場も、経済的利益と社会的利益を両立させる企業を好ましいとする姿勢が見られたのです。」を再考します。
(第6章は以下公開中ですが、読まなくてもわかるよう一部内容

もっとみる

震災時のIR情報発信を振り返る

 今日は、東日本大震災から10年。もう10年、まだ10年。メディアでもSNSでもあの日を振り返る記事が続いている。
 私は「あの日」、会社にいた。そして直後から投資家対応に追われた。

 『楽天IR戦記』にもそのことを書いた。伝えたかったことはふたつ。①非常時の企業情報発信の難しさと、②非常時にはプロの機関投資家さえも社会的な使命に共感を示したことだったが、納得のいく文とは言えなかった。
 もう一

もっとみる

新しい年を迎えて

 あけましておめでとうございます。2021年始動しました。しばらくぶりのnote、新しい年の心構えと昨年の振返りを綴っていきます。

2021年の心構え1.自分への投資(心・身体・知識)を怠らず、
2.お世話になっている方々への感謝の気持ちを忘れず、
3.社会に尽くせるよう、一日一日を大切に過ごそうと思います。

3がもっとも大事ではあるのですが、1と2がおろそかになると、3がおざなりな結果になっ

もっとみる