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天明七年のクリスマスイブ|酒の短編10
酒場で聞いた話です。
昔、人里離れた山の中に、年老いた夫婦が住んでいました。
ろくすっぽ働かず、老爺は明るいうちから茶碗酒、老婆は日がな煙管をふかしてる。到底、堅気には思われない、そんな夫婦でした。
暮れも押し迫ったある日、二人の言い争いが聞こえます。
「おう、酒が切れたぞ、町ィ行って買ってきな」
「ふん。馬鹿も休み休み言いな。正月の餅も買えないってのに、どこにそんな金があるって言うのさ」
酒場で聞いた話です。
昔、人里離れた山の中に、年老いた夫婦が住んでいました。
ろくすっぽ働かず、老爺は明るいうちから茶碗酒、老婆は日がな煙管をふかしてる。到底、堅気には思われない、そんな夫婦でした。
暮れも押し迫ったある日、二人の言い争いが聞こえます。
「おう、酒が切れたぞ、町ィ行って買ってきな」
「ふん。馬鹿も休み休み言いな。正月の餅も買えないってのに、どこにそんな金があるって言うのさ」