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けい先生の楽しい授業カフェ

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教育関係ニュース、授業前の雑談をまとめて公開します。
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2024年2月の記事一覧

不登校って子どものせい?

不登校って子どものせい?

けい先生です。この記事をお読みの方には、保護者の方々、学校関係者、あるいは生徒という方もいるかもしれません。これらの方々に共通するのは、ともに「教育当事者」である、ということです。だから、その苦悩や目指すところは、根本では共通していると思います。様々な視点を受け入れ、共感することをあきらめないでください。

さて、下の表は文部科学省調査の一部です。不登校の要因が示されています。

1 不登校の要因

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何かに習熟したいと思ったら、"毎日"その行動を続けてください。ハードトレーニングでは続きません。楽にできる範囲で短時間に。ちょっとした工夫や遊びを入れながら、毎日行います。じれるくらいのスピードなので日々の成長は感じられません。しかし、約半年後、目に見える結果が出てきます。

あなたが「告白」をする前に

あなたが「告白」をする前に

けい先生です。今回は中学生や高校生に向けて書いています。

恋、私も何回かしたものです。9割がたは失敗でした。

これは、もしも、高校生のときの私自身にアドバイスをするとしたら、という設定で書いています。何か、みなさんの参考になることもあるでしょうか。

誰かを好きになるのはすばらしいこと

相手の心も体も、その人のもの

自分の「愛」は相手を支配することではないかと、立ち止まってみる

「告白」

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筑摩書房『文学国語』教科書

筑摩書房『文学国語』教科書

けい先生です。

私淑している、兵庫の藤本英二さんの分析から。

藤本さんは、すべての出版社の「文学国語」をすでに読破しており、近いうちに分析もまとまるとのこと。今後の展望として、各出版社にまとめた冊子を送付するそうです。現場の視点から網羅的に教科書を分析した資料は、ほとんどないので、おそらく出版社も参考にすると思われます。

取り急ぎ紹介します。

けい先生は、主に高校教育・高校国語の教科指導を

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私も企画、運営に携わっている富山県高校生の平和作品展が開催されました。

U教頭先生の思い出に捧げる

U教頭先生の思い出に捧げる

けい先生です。

U教頭先生は団塊の世代でした。

この世代の先輩方は一癖二癖ある方が多いものですが、U教頭先生は特別でした。一言で言い表すなら、男の中の男だったと思います。

ガキ大将タイプで面倒見がよく、人柄になんともいえないおかしみがありました。生徒も教師も知らず知らずのうちに引き付けられて、いつの間にか周りに人が集まってきます。カリスマ性とはこんなものかと感心したものです。

U教頭先生は

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増田寬也「『人口ビジョン2100』 8000万人国家を目指す」を読む

増田寬也「『人口ビジョン2100』 8000万人国家を目指す」を読む

けい先生です。

NHK「視点・論点」はテキストとしても公開されており、定期的にチェックしています。2024年1月29日に、政府の人口戦略会議副議長の増田寬也さんが、日本の人口減少問題に対する解説、提言をされています。「日本は今、瀬戸際にあります」から始まる、危機感をひしひし感じるレポートです。ぜひ元記事をご覧ください。

記事のポイント定常化戦略と強靭化戦略:人口減少のスピードを緩和し、安定させ

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芥川「羅生門」の授業アイデア

芥川「羅生門」の授業アイデア

けい先生です。高校の定番教材として、「羅生門」は新課程になってからも教科書に取り上げられています。国語の先生だけではなく、むしろいろんな方々に面白い授業を考えていただき、教育について身近に感じてほしいと思います。

多義的なとらえ方、解釈を許す所の取り扱い例:下人は何故、老婆の行為を許すべからざる悪と考えたのだろうか

個人の読み、解釈に関わる部分は、授業の中で何人もの意見を聞き、整理して教室全体

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人を好きになる~その困難を乗り越えて~

人を好きになる~その困難を乗り越えて~

けい先生です。

みなさんは今、誰かに恋をしていますか?

「恋」というものは、世間で大変善いもののように思われています。ですが、正直に言ってあまり好きな言葉ではないのです。苦しいですから。できれば、もう御免こうむりたい。

だって、自分が相手のことを恋していても、相手の気持ちは決して分かりません。自分の思い込み、勘違いかもしれないのです。切ない。

思い切って自分の気持ちを伝えてみますが、うまく

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非正規教員11万人で成り立つ学校~『教員不足クライシス』を読む~

非正規教員11万人で成り立つ学校~『教員不足クライシス』を読む~

けい先生です。

山﨑洋介さん他による共著『教員不足クライシス』(旬報社,2023)は、教員不足の根本原因を、豊富なデータと分析で明らかにした注目すべき書籍です。ここでは、学校を支えている非正規教職員の実態について勉強してみたいと思います。

なぜ、自治体が「意図的、政策的」に非正規任用を推し進めているのでしょうか。

短期間または短時間の雇用形態である非正規職員を、正規で雇えばよいのではないかと

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子どもを持たない人生を、ともに考える

子どもを持たない人生を、ともに考える

けい先生です。不妊治療を続けてきましたが、ここしばらくは二人で子どもを持たない人生について、話し合いを始めています。

私のパートナーは、子ども好きです。甥っ子姪っ子と、非常に上手に遊びます。一方で疲れやすく、よく昼寝をします。朝は下手をするといつまでも寝続けるので、毎日、私が起こします。

デザイナーらしく鋭敏な感覚を持っていて、彼女は葉っぱを観て「あの緑がきれいだね」と言います。疑似AIの私は

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論文「東大インカレサークルで何が起こっているのか ―「東大女子お断り」が守る格差構造-」を読んで

論文「東大インカレサークルで何が起こっているのか ―「東大女子お断り」が守る格差構造-」を読んで

けい先生です。元論文は、著者である藤田優さんが東京大学教育学部在学時(2016年)に執筆した卒業論文を、2022年に加筆修正したものです。下記リンクから全文を無料で読むことができます。

発表当時全国紙でも取り上げられ、社会学者の上野千鶴子さんが高く評価していたものです。この度初めて論文を読みました。気になった具体例を少し挙げてみます。

食事作りやお酌、練習後に行く飲食店のドアの開閉に至るまで、

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