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「月に手を振る」詩―シロクマ文芸部「月の色」参加作品
川沿いの 桜並木は 黄色い葉が
道の上に 積もりだし
秋が ひっそりと
落ち葉集めを 始めたようだ
坊やは バアバに手を繋がれて
川辺の道を やんわりと 歩く
空の 十六夜月は
バアバと坊やの 二人ボッチ影を
ぼんやりと 作ってる
「今夜の月の色は カステラ色だ」
バアバは ポツリとつぶやく
「坊やが大好きな お菓子の色!
バアバ また 買ってね」と坊や
バアバは フッと笑みをうかべ
ため
「秋雲をおいかけて」詩―potesakula様企画参加
青空の 雲と希望をおいかけて
ずっと 旅してる
雲は 羊や羽衣のように
形や色を 変えて
青空の川を 秋の葉のように
流れ去って 行く
終着港は 誰も見たことがない
その駅には 自分が失った「希望」が
忘れ物として 置かれているらしい
青空の国の 門をくぐるには
虹の橋を 渡るしかない
薄幸色の この橋は
旅人が 欄干を 握る間にも
移り気な 人の心のように
悲し気に 消えていく
旅人は 途中
「ルル長生きしてね!」ー詩ー
我が家の 大切な一人娘ルルは
茶色で毛並みキラキラの ダックス犬
なにしろ 溺愛されて育っているので
吠えるだけで 要求は
なんでも叶うと 思い込んでる
ルルは自分を犬と 思ってはおらず
人間と思ってるのでは…と 時々思う
食事をしていると
テーブルの下から
ブドウ粒のような 目つきで見上げ
おりこうさんにチキンと 座わり
「欲しい 頂戴」ビームを
発射してくる
このビームに 飼い主は
す