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幸せの種(夢、希望)

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人生の喜び 夢 憧れ 希望などをおもいつくままに詩を綴りました。 幸せになる種をまいてください
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記事一覧

「子供は言葉の魔術師」―詩―

「子供は言葉の魔術師」―詩―

「パパ ここ ノンノ」
娘が 初めて 言った
まとまった 言葉だった
おばあちゃんは
「言葉が しっかりと 言えたわ!」と
涙目に なった

それからは 言葉の 魔術師のように
沢山の 言葉を 紡ぎだした
「お空 触りたいよぅ。
お月様 取ってよぅ。
風さん この籠に 入れてよぅ。
お空を トンボと 飛びたいよぅ」

よく パパと 影踏みして 遊んだ
娘の影は 小さく 素早く動くので
いつも パパ

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「月に手を振る」詩―シロクマ文芸部「月の色」参加作品

「月に手を振る」詩―シロクマ文芸部「月の色」参加作品

川沿いの 桜並木は 黄色い葉が
道の上に 積もりだし
秋が ひっそりと
落ち葉集めを 始めたようだ

坊やは バアバに手を繋がれて
川辺の道を やんわりと 歩く
空の 十六夜月は 
バアバと坊やの 二人ボッチ影を
ぼんやりと 作ってる

「今夜の月の色は カステラ色だ」
バアバは ポツリとつぶやく
「坊やが大好きな お菓子の色!
バアバ また 買ってね」と坊や

バアバは フッと笑みをうかべ
ため

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「風に乗りたい」-詩―

「風に乗りたい」-詩―

幸せが住んでいる あの国へ 
風に乗って 飛んで行きたい
君の幸せ 探し出し
愛のことば 贈りたい 

野末を渡る 風をつかみ
幸せの種 とどけてみたい
幸せの花 咲き乱れ
笑顔の光が 溢れ
涙のかけら 空に消えれば
街に 平和が 帰ってきてくれる

キャンパス地の 古めいた 
リュック しょって
さあ 種まきに 旅立だとう
遠く輝く 緑の地平線の下に
オレンジ色の 故郷が あると
お爺さんが 教

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「秋雲をおいかけて」詩―potesakula様企画参加

「秋雲をおいかけて」詩―potesakula様企画参加

青空の 雲と希望をおいかけて
ずっと 旅してる
雲は 羊や羽衣のように
形や色を 変えて
青空の川を 秋の葉のように
流れ去って 行く
終着港は 誰も見たことがない
その駅には 自分が失った「希望」が
忘れ物として 置かれているらしい

青空の国の 門をくぐるには
虹の橋を 渡るしかない
薄幸色の この橋は
旅人が 欄干を 握る間にも 
移り気な 人の心のように
悲し気に 消えていく
旅人は 途中

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「9月のしあわせ」詩―クロサキナオさんの企画参加

「9月のしあわせ」詩―クロサキナオさんの企画参加

クロサキナオさんの企画「9月!」に参加させて
いただきます。クロサキさん どうぞよろしく
お願いいたします

「9月のしあわせ」-詩―
追憶九月の 夜空では
王女の星 アンドロメダが
天頂 高くから 
地上を 眺めてる

秋の女神は 平安の都から
わざわざ 摘んできた
薄紫のシオンの 花を抱え
去って行く人の 影追って
月の原を さまよう

つましい楽しみ街の 小さな家の
ふるいドアと
花をかざっ

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「母さんのまな板」ー詩ー

「母さんのまな板」ー詩ー

母さんは 軒から
落ちる 雨だれのよう
雨の日に 繰り返される
しずかな 小言

母さんは いつも しっとり
濡れている まな板のよう
これが 永遠に乾いて
しまう日が くると
ボクの目は 洪水になる

母さんは みんなのかあさん
親犬亡くした 子犬に
小指の先を 吸わせると
キューキュー 悲しげに鳴く
「あら 坊やの赤ちゃんの時と 
同じ 鳴き方だわね」

ボクは 側で 知らぬ聞こえぬ半兵衛をす

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「神保町の魔法」ー詩ー

「神保町の魔法」ー詩ー

神保町は学生が 
主役の街
小脇に本を かかえ
光る笑顔を 振り撒き
行き来する姿は
影絵のように 揺れながら
舗道に 刻まれる

大きな 希望と夢が 育つ街
青春の はかない想いや
気持ちのぶつかり合いが
炭酸のように 舞い上がり
肩に 落ちかかる

くったくのない 憧れ
生きている 喜び
真摯な 学びの心 
曇り空の 未来
音符のような 心色の風船が
街の通りを 彩る

学生を 卒業した人をも

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「星 捕まえた!」詩ー#シロクマ文芸部「流れ星」参加作品

「星 捕まえた!」詩ー#シロクマ文芸部「流れ星」参加作品

「流れ星 今夜 捕まえにいきたい!!」
幼稚園児 彩ちゃん 突然 大張り切り
「父さん 一緒にいこうよぉ」
TVで ペルセウス流星群が
今夜 降り注ぐというのを
お兄ちゃんから 教えてもらったらしい

「お星さま 飼いたいの
クラスの皆にも見せてあげたいし」

お兄ちゃんの 大きな虫取り網と
飼育ケースを抱えて
ナイキのCAP被れば
カッコいい 星ハンターの 誕生だ

夜8時過ぎに 里山に登る

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「トリコロールのレストラン」-詩―

「トリコロールのレストラン」-詩―

母さんの お気に入りは
トリコロール(三色旗)の
旗が 風に揺れる 
シックな佇まいの
イタリアン レストラン
 
トリコロールの 意味を
大きな画用紙に
赤・白・緑のクレヨン使って
やさしく 教えてくれたっけ

その日の 母さんは
美人さんに 生まれ変わる 
水色のワンピースは
空が 地上に降ってきたよう
ファンデーションの
白い頬が ピッピと光る

ボクも 窮屈な 
お出かけ服を 着せられる

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[皆様のお陰で メトロ文学館優秀作品に選ばれました]

[皆様のお陰で メトロ文学館優秀作品に選ばれました]

「父さんの不思議」-詩―

父さんと並んで シートに座る
揺れる電車のリズムに合わせ
父さんはもう ウトウト

大好きな神田の街
大学の校門前まで来ると
「昔 ここで 沢山の
学生さんが 肩組んで
校歌を 大声で歌ってた…………」

学徒出陣のことを話すときは
曲がった背中が
まっすぐに伸び 目が輝く

この瞬間だけは
カバンのヘルプマークが
不釣り合いな老人になる

ご報告が 大変 おそくなりま

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「神保町の路地裏喫茶店」ー詩ー

「神保町の路地裏喫茶店」ー詩ー

神田神保町の 路地裏の古い喫茶店
しっとりとした レンガ造り 
昼間でも ちょっぴり 暗くて
話す 言葉も うるおう

メニューは 昔話と同じ
表紙は 奇麗だが
書かれた品ぞろいは 変わらない
誰かが あくびすると
ボクも 本から顔上げて
あくびして ペンを置く

曲がながれる
蓄音機が 演奏してるよう
昔 彼女の隣に座り
しんみりと 聞きほれたシャンソンだ
レコードも 年なのか
音が時々 咳して

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「オレンジ色のひと」ー詩―シロクマ文芸部#花火と手企画応募

「オレンジ色のひと」ー詩―シロクマ文芸部#花火と手企画応募

花火と手が 差し出された日の
出来事は決して 忘れない
あの人にあったのは
夏の夕暮れ時だった
ボクは 小川の岸にすわり
ボンヤリと 黄金色の水面を
飽きずに 眺めていた

赤とんぼが 夕焼けを
切り裂きながら 飛んでいる
そのうちの一匹が
ボクの肩口に 止まった気がする
首を回してみたが 何もいない

周りは オレンジ色に染まりだす
突然 水面が 紅色に光り
その人が ボクの横に座ってた

ツバ

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「ルル長生きしてね!」ー詩ー

「ルル長生きしてね!」ー詩ー

我が家の 大切な一人娘ルルは
茶色で毛並みキラキラの ダックス犬

なにしろ 溺愛されて育っているので
吠えるだけで 要求は
なんでも叶うと 思い込んでる

ルルは自分を犬と 思ってはおらず
人間と思ってるのでは…と 時々思う

食事をしていると
テーブルの下から
ブドウ粒のような 目つきで見上げ
おりこうさんにチキンと 座わり
「欲しい 頂戴」ビームを
発射してくる

このビームに 飼い主は

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「回り灯篭の中の夏祭り」詩【リレーnote11日目】

「回り灯篭の中の夏祭り」詩【リレーnote11日目】

ずっきーさん企画『真夏のリレーnote』に初参加させて
いただきました。

青松里香さんからバトンを受け取りました
とても切ない花火大会の出来事を
奇麗な文体で 細かにつづっていらっしゃいます
是非 ご一読ください

題「回り灯篭の中の夏祭り」詩子供の頃の 一番の想い出は
八幡神社様の 夏祭り。
心の 思い出箱の中では 記憶の粒が
キラキラと輝く。

お祭りの朝 家の前の通りは
浴衣姿の 母さんの

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