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高齢になる前に知っておくべきリハビリ・ケアの考え方

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【本マガジンの対象】 ご高齢者のご家族、これから高齢期を迎える方、要支援・要介護の方、OTS
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#介護保険

高齢者施設で未来永劫『脱マスク』は難しい?

高齢者施設で未来永劫『脱マスク』は難しい?

老健施設に勤めています。

な、なんと、ようやく、鬱陶しい、暑い、わずらわしい、フェイスシールドとエプロンの着用がなくなります!

ただし、マスクと手袋は着用せねばいかんそうです。

これで

未来永劫

高齢者施設ではマスク着用決定でしょうかね。

インフルエンザよりも致死率、重症化率の低いウイルスに対して過剰な高齢者施設の対策。厚労省は推奨しているだけで、強制はしていない。

コロナ=高齢者施

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健康寿命を伸ばす方法

健康寿命を伸ばす方法

現在の80、90代山村在住だった高齢者はその昔、家事をするにも手間がかかっていたとおっしゃいます。

風呂は川の水を汲み

お湯は薪をくべて沸かし

料理はかまど

洗濯は洗濯板

掃除はほうきやはたき

服は子が大きくなったら糸をほどき

田畑を耕し、牛や鶏の世話をして

頭や手足をたくさん動かす作業・活動の連続だったことがうかがえます。

今はすべての家事が簡略化し時間的余裕ができました。

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要介護でも健康に暮らす方法

要介護でも健康に暮らす方法

健康寿命を伸ばすことには、みなさん熱心ですが、要介護・要支援になってしまうと

「もう歳だからだめだ。何もできない。」周囲も「危ないから動かないで」と考えることや行動を止めてしまいます。

これは市民講座などで健常の方に質問しても同じような答えが返ってきます。

「車椅子になったは終わり」

「認知症になったら終わり」

そんなわけないんです。

統計上は人の手を借りて生活する期間が約10年ありま

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リハビリの沼

リハビリの沼

脳梗塞後遺症左麻痺の70代の男性。

ご家族はケアマネさんに「もっとリハビリ(機能訓練)するようにサービスを組んでください、きっとまだまだ回復するはずです。」と。

急性期、回復期に集中的に機能訓練を行い回復したんでしょう。

まだまだ回復するはず、と娘さん奥様は希望を持ち、介護保険サービスも機能訓練ができるデイケア・訪問リハビリを本人に受けさせる。

肝心の本人の在宅生活は特に何をするでもなくセ

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本を自己出版した、その後、そして順位

本を自己出版した、その後、そして順位

2022年2月4日に恐縮ながら本をAmazonから出しました。

ご購入してくださった方、本当にありがとうございます!

題して『要介護でも健康に暮らす方法』

です。

要介護はもう健康じゃないじゃないか!

という説もありますが…。

そこは健康の定義の問題ですよね。

同業者ならわかってくださるはず。

私だって直腸・肛門がありませんし、

人工肛門ですし、

がんの再発リスクもありますし、

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出版しました「要介護でも健康に暮らす方法」

出版しました「要介護でも健康に暮らす方法」

手前味噌ですが(・。・;

「要介護でも健康に暮らす方法」
(Amazonから購入できます)

という本を出しました。

こんな方に読んでいただきたいです。

〇団塊の世代の方・家族介護されている方

〇介護保険サービスに携わっている専門職の方

〇作業療法士

内容自分や家族が

要介護・要支援になったときの

介護やリハビリの考え方やノウハウ

です。

詳しくは

①高齢者は機能訓練を過度に

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【高齢者の健康】老化の波に飲み込まれない方法

【高齢者の健康】老化の波に飲み込まれない方法

「なんか調子が悪いな。」
「〇〇が痛いな。」



「今日は動くのやめとこ。」



生活縮小が積み重なる



身体機能低下



生活縮小

はたまた

「おい、これやってくれ。」と妻に頼む夫

「わたしがしますから、おばあちゃんはゆっくりしてね。」と
嫁、娘が率先して家事などを行い、家での役割がなくなる祖母



生活縮小



身体機能低下

いずれも生活不活発病の

典型的な

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【高齢期リハビリ】傾聴・会話はリハビリとして成立するかPart.2

【高齢期リハビリ】傾聴・会話はリハビリとして成立するかPart.2

以前、訪問看護ステーションに

勤めていましたときに

「○○さんのとこ、会話してきました。」

とよく耳にしました。

また同僚のセラピストからも

「△△さんのリハビリは傾聴です。」

と聞いたりしました。

やっぱり疑問が

傾聴・会話は「リハビリ??」

かな?

Part.1もよろしければどうぞ。

積極的傾聴積極的傾聴といえばカール・ロジャースさんです。

かの有名な「自己理論」をベー

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【高齢期リハビリ】医師とセラピストのか・ん・け・い

【高齢期リハビリ】医師とセラピストのか・ん・け・い

医師とセラピストは連携強化せよ介護保険下の訪問リハビリは

医師の指示が必要でして

さらに

国は今年度の介護保険改正で

医師とセラピスト一緒に

リハビリの目標と計画を立ててくださいね

とメッセージを出してきました。

さもなければ…

収入を減額しますよ!

といった

強いメッセージです。

しかも

訪問リハビリ事業所と同じ施設の医師が

訪門リハ利用者を直接診察しないと

さらに収

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【高齢者ケア・リハビリ】寝たきりにならないためのヒント

【高齢者ケア・リハビリ】寝たきりにならないためのヒント


リカバリーとりもどすこと、回復

高齢期は体調不良が起きやすい時期です。

一時的な体調不良でも

回復した際に生活を戻さなければ

寝たきりになることもしばしばあります。

そのため

一時的な体調不良から回復したとき

生活を戻すこと

つまり

生活のリカバリーが重要です。

今回はそんなお話です。

自然とできているセルフリカバリー
私達は一時的に体調を崩すことがあります。

風邪・外傷

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【高齢期リハビリ】ある高齢者施設の生活

【高齢期リハビリ】ある高齢者施設の生活

介護老人保健施設(以下、老健)は

いわゆる介護保険サービスの

リハビリ施設です。

ある老健の生活
ある老健入所ご利用者の生活はこんな感じです。

※起きている間の生活パターンです

起きている時間を7:00〜20:00の13時間として計算しました。あくまで概ねです。

内訳は

セルフケア

食事30分×3回

排泄5分×5回

更衣5分×2回

入浴30分(週2-3回)

整容5分

余暇

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【高齢期ケア・リハビリ】高齢者の意欲を引き出す技術

【高齢期ケア・リハビリ】高齢者の意欲を引き出す技術

人が行動を起こす理由人は何か報酬があるときに行動に移しますよね。

「ケーキを食べる」は

おいしさ、甘さという報酬

「人に何かを教える」は

役に立った達成感や満足感

世界が少し良い方向にいくかもという期待

「働く」は

給料をもらう

世のために役立っているという自己肯定感

このように報酬があると

人は行動をはじめる

無目的な労働は心理的拷問逆に報酬がない無目的な作業は苦痛を生みま

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【高齢期リハ・ケア】不調・痛みに対してできること

【高齢期リハ・ケア】不調・痛みに対してできること

脳は不思議ですよね。

否定的な情報に目を向けると不調が強まる

痛みや身体の不調に注意が向いていると

痛みや不調を強く感じます。

できないことに目を向けすぎると

落ち込んだり、鬱々とした状態に

なりやすくなります。

訪問リハビリの現場に出ていると

ホントに沢山の方が

当てはまると感じます。

そして

痛みや不調や

できないことへ目を向けることは

老年期になればなるほど

多く

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【高齢者リハ・ケア】できる感覚を育てる

【高齢者リハ・ケア】できる感覚を育てる

今回は自己効力感のお話です。

例えば、

エベレスト登れますか?

と聞かれたら

「いやいや、無理無理」

って答えますよね。

では

近くにある300mの山は登れますか?

と聞かれたら

「うーんしんどそうやけど登れそう。」

と答えることができます。

できる感覚
どちらも直面する物事に対しての

「できるかな。」

「できないかな。」

を判断をしてますね。

この

「できる(でき

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