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高齢になる前に知っておくべきリハビリ・ケアの考え方

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【本マガジンの対象】 ご高齢者のご家族、これから高齢期を迎える方、要支援・要介護の方、OTS
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#要介護

健康寿命を伸ばす方法

健康寿命を伸ばす方法

現在の80、90代山村在住だった高齢者はその昔、家事をするにも手間がかかっていたとおっしゃいます。

風呂は川の水を汲み

お湯は薪をくべて沸かし

料理はかまど

洗濯は洗濯板

掃除はほうきやはたき

服は子が大きくなったら糸をほどき

田畑を耕し、牛や鶏の世話をして

頭や手足をたくさん動かす作業・活動の連続だったことがうかがえます。

今はすべての家事が簡略化し時間的余裕ができました。

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要介護でも健康に暮らす方法

要介護でも健康に暮らす方法

健康寿命を伸ばすことには、みなさん熱心ですが、要介護・要支援になってしまうと

「もう歳だからだめだ。何もできない。」周囲も「危ないから動かないで」と考えることや行動を止めてしまいます。

これは市民講座などで健常の方に質問しても同じような答えが返ってきます。

「車椅子になったは終わり」

「認知症になったら終わり」

そんなわけないんです。

統計上は人の手を借りて生活する期間が約10年ありま

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出版しました「要介護でも健康に暮らす方法」

出版しました「要介護でも健康に暮らす方法」

手前味噌ですが(・。・;

「要介護でも健康に暮らす方法」
(Amazonから購入できます)

という本を出しました。

こんな方に読んでいただきたいです。

〇団塊の世代の方・家族介護されている方

〇介護保険サービスに携わっている専門職の方

〇作業療法士

内容自分や家族が

要介護・要支援になったときの

介護やリハビリの考え方やノウハウ

です。

詳しくは

①高齢者は機能訓練を過度に

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【高齢者リハビリ】とにかく機能訓練すれば良いというわけではない

【高齢者リハビリ】とにかく機能訓練すれば良いというわけではない

訪問リハビリの現場では抑うつ的な方が

非常に多いのですが…

「若い頃はもっとできた。」

「こんなはずではないのに。」

老化や疾患による身体機能の喪失は

若い頃や元気だった頃の自分と

比較して落胆しやすいといえます。

緩やかな老化の中であれば時間をかけて

身体と気持ちの折り合いをつけられますが

疾患による突然の機能低下には

なかなか気持ちが追いつけない。

ではそこから

どんな

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【認知症ケア】認知症に対しての無力感

【認知症ケア】認知症に対しての無力感

落ち着けない認知症ご利用者
訪問リハビリの現場では

認知症の方も多く

中でも

精神症状(興奮、イライラ、無気力など)

行動症状(暴言、暴力、介護拒否、弄便等)

が強い方がたくさんおられます。

これらが

ご家族がひどく疲弊される原因のひとつです。

ですが

対応の仕方で

落ち着かれることが多々あることも事実です。

訪問リハビリの現場訪問リハビリでは

そんなご家族が困りやすい症状

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【高齢者ケア・リハビリ】寝たきりにならないためのヒント

【高齢者ケア・リハビリ】寝たきりにならないためのヒント


リカバリーとりもどすこと、回復

高齢期は体調不良が起きやすい時期です。

一時的な体調不良でも

回復した際に生活を戻さなければ

寝たきりになることもしばしばあります。

そのため

一時的な体調不良から回復したとき

生活を戻すこと

つまり

生活のリカバリーが重要です。

今回はそんなお話です。

自然とできているセルフリカバリー
私達は一時的に体調を崩すことがあります。

風邪・外傷

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【高齢期ケア・リハビリ】老化による性格変化

【高齢期ケア・リハビリ】老化による性格変化

心理学には性格診断の基準が

あります。

その中でも有名なのが

「ビッグファイブ」

性格を5つの因子に分類されています。

ビッグファイブ5つの因子
第1因子 外向性

「話し好き」「大胆」「エネルギッシュ」

       ↕

「静かな」「臆病」「無気力」

第2因子 協調性

「温かい」「協力的」「寛大」

       ↕

「冷たい」「敵対的」「ケチ」

第3因子 誠実性

「きち

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【高齢期ケア・リハビリ】要介護高齢者は自分自身を元気と感じられるか

【高齢期ケア・リハビリ】要介護高齢者は自分自身を元気と感じられるか

元気になった?要介護高齢者訪問リハビリで

客観的にみて

元気になってこられたな

という方がおられまして。

でもご本人は

「うーん、前と変わらないですね。」

とおっしゃる。

客観的な変化は

食事量が増えた

寝たきりでなくなった

家の中を歩けるようになった

テレビや雑誌、新聞を見るようになった

階段昇降ができるようになった

などです。

元気と感じる瞬間
もし、わたしたちが

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【高齢期ケア・リハビリ】高齢者の意欲を引き出す技術

【高齢期ケア・リハビリ】高齢者の意欲を引き出す技術

人が行動を起こす理由人は何か報酬があるときに行動に移しますよね。

「ケーキを食べる」は

おいしさ、甘さという報酬

「人に何かを教える」は

役に立った達成感や満足感

世界が少し良い方向にいくかもという期待

「働く」は

給料をもらう

世のために役立っているという自己肯定感

このように報酬があると

人は行動をはじめる

無目的な労働は心理的拷問逆に報酬がない無目的な作業は苦痛を生みま

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【高齢期ケア】否定は毒

【高齢期ケア】否定は毒

人を否定することの影響「お前はダメやわ。」

「アホやな、お前は。何やってもあかんわ。」

と、周囲から毎日何度も言われると

おそらく大抵の人は

「私はダメ人間。」 

「何をやってもうまくいかない。」

と自分を否定するようになると思います。

高齢者も同じ否定は毒これを

要介護の高齢者に置き換えます。

できないことが増え

何かにつかまらないと歩けない状態

になったときに

家族から

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【高齢期リハビリ】要介護・要支援になったときの身体管理

【高齢期リハビリ】要介護・要支援になったときの身体管理

【身体の管理は誰の仕事?】リハビリにおいて痛みや身体機能を落とさないようにするなどの管理は大切ですよね。

ご利用者さんから「肩が痛い」「○○すると腕が痛くなる」等の訴えは非常に多いです。

また、ほっておくと不活動で身体が弱っていく方もおられます。

そんな方はリハビリの時間に筋のバランスを整えたり、関節を柔軟にしたり、運動を提供したりとセラピストが介入することがあります。

中にはマッサージや

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【高齢者ケア・リハ】リハビリしないことも選択の自由

【高齢者ケア・リハ】リハビリしないことも選択の自由

生活とは…練習と工夫の繰り返し「できなかったことをできるように、そしてそれを維持すること」は、おそらく人が生活する上で続けていることですね。

例えば、食事や歯磨き、排便の後にお尻を拭いたり、買い物や料理、交通機関を使うこと、仕事、趣味、全てはじめからできる人はいません。

生活活動は獲得するまで練習や工夫する過程を必ず踏みます。活動によって時間を要するものもあればそうでないものまで。

要介護、

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【高齢期リハビリ】機能訓練至上主義

【高齢期リハビリ】機能訓練至上主義

「機能訓練至上主義」、ツイッターでこんな言葉を見かけまして記事を書いてみました。

介護保険サービスの現場ではリハビリの仕事に携わってますと介護保険サービスでは身体機能の回復にどうしても注目が集まります。

たとえば

ケアマネさん「下肢筋力が弱ってきたのでリハビリできるデイ(通所サービス)を利用しませんか?」

家族「少しでも身体が元気になれば…。」

本人「また機能訓練すれば、元のようになれる

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【高齢期介護】独居者の施設入所タイミングはいつ?

【高齢期介護】独居者の施設入所タイミングはいつ?

こんにちは、訪問リハビリ作業療法士のあさです。

今回は独居者の施設入所のタイミングについてお話しますね。

高齢独居者は多い訪問リハビリのご利用者にも独居、いわゆる一人暮らしの方が沢山おられます。

大抵は介護度2くらいまでの方で家事やセルフケアの一部に手伝いが必要な方々が多いです。

今回は結論から。

独居の方の施設入所タイミングは

ひとりで在宅生活をする気力がなくなった家に執着がなくなっ

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