2024年1月の記事一覧
どこでも眠れる時がある。
アスファルトの上に横たわって、自分を捨てて走り去った車の尻を見ていた。
ああ、身体のそこら中が痛い。起き上がれそうに無いし、起き上がる気もしないほど頭がぼやける。ぼんやりとした頭で、「車の尻ってなんだよ」と考えた。もっと他に正しい名前があった気がするが、思い出せない。どうでもいいか。
一応、車道ではなく歩道に捨てて行かれたようだ。とりあえずは車に轢かれる心配はないなと思うと、余計に立ち上がる
崇高な憧れと、拗らせた理想。
向かい風だった。
タバコの煙に泣かされたから、片目を薄く瞑って息を吐いた夜に再会したのは、もう会わないと決めていた女。待ち合わせ場所は、昔よく来た公園。
彼女が来るまで、公園の手すりに腰を乗せていた。
小さな公園だ。ペットの散歩をする人も、自分の散歩をする人も今は居ない。海に近いせいか、たまに潮の匂いがするくらいの夜だった。そのせいか彼女が来るのは、すぐに分かった。
白と黒のゴシックフ