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読書記録_本

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読書(漫画以外)の記録。 名前が覚えられないため、外国の本があまり読めない。まほろ市出身。 Instagramにも載せています。 https://www.instagram.co…
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#book

『のっけから失礼します』 三浦しをん

『のっけから失礼します』 三浦しをん

コロナで週末外出自粛要請が出てから、ガラっと気分が変わった。私の町の図書館も閉まってしまった。Beforeコロナ時に選んだ本が家にあるけれど、今それが読みたい気分じゃない。在宅仕事でなまった体にマスクを装着して本屋に出かけた。ああ、これだよ、今求めている本は。

三浦しをんのエッセイは「約束されている」。何が?面白さが、彼女ならではの独特な世界が。私は彼女のエッセイが大好きで、図書館で読んでいない

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『落下する夕方』 江國香織

『落下する夕方』 江國香織

発売前ゲラキャンペーン?に当選した花田菜々子さんの『シングルファーザーの年下彼氏の子ども2人と格闘しまくって考えた「家族とは何なのか問題」のこと』に登場した本。華子さんという女性はモテモテで小学生男子にすらモテるという。どんな人か見てみたい。

主人公はこの華子ではなく、梨果という女性。8年間一緒に暮らした健吾がこの華子を好きになって家を出て行ってしまう。梨果はまだ健吾を好きなので、憎むべき相手で

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『岩田さん』 ほぼ日刊イトイ新聞

『岩田さん』 ほぼ日刊イトイ新聞

読むのがつらくて、途中で何度も本を閉じた。あまりにも自分の環境と違うから。私はこんな人と働きたかった。

私はゲーム音痴ながら、かつてゲーム会社で働き業界のニュースに目を通していた。その時に敬意とともに語られているのが、任天堂の元社長 岩田さん、スーパーマリオを作った宮本さん、そしてゲームクリエイターの小島秀夫さんだった。私が唯一クリアできたゲーム『MOTHER 2』を作った糸井重里さんの「ほぼ日

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『三体』 劉慈欣

『三体』 劉慈欣

私は、いまだかつて、こんなにデカい話を読んだことがない。この話は時間、空間ともにとてつもなくデカい。SFで最も権威があるとされるヒューゴー賞受賞、オバマ大統領やマーク・ザッカーバーグが愛読した中国のSF小説。

相次ぐ科学者の自殺、文革時代に行われた関係者隔離の極秘プロジェクト、特殊なスーツを着ることにより体感までをも味わうことができるゲーム、そしてタイトルの「三体」とは。

ゲームデザイナーの小

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『ピカソは本当に偉いのか?』 西岡文彦

『ピカソは本当に偉いのか?』 西岡文彦

「ピカソは人たらしで、そのおかげで作品が評価された」というようなくだりでこの本が紹介されていたので手にとった。最近、本選びがうまく行っていなかったけれど、この本は面白かった。(マンガは豊作。)

ピカソの絵の価格をキャンバスサイズで割り、平米あたりの金額を出すと、50億円だという。日本の土地公示価格で最高の都心一等地は2500万円/平米程度なので、金額的に200倍の価値になるという。なぜそんなに高

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『熱源』 川越宗一

『熱源』 川越宗一

「早く面白くなってくれないかな…」とじりじりしながら読み始めたら、最後までその気持ちは変わらなかった。結論から言えば、私にはグッと来なかった。なぜか。

ロシア人と和人が争うサハリン島。古くから住むウィルタ、ギリヤーク、そしてアイヌの暮らしと文化が、ロシアや和人に蔑ろにされていく。そこに言葉を奪われたポーランド人の流刑囚が関わって…というお話。

ひょんなことからアイヌ刺繍を習い、アイヌの工芸や考

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『デトロイト美術館の奇跡』 原田マハ

『デトロイト美術館の奇跡』 原田マハ

芸術は無駄なのか。誰のものなのか。デトロイト市は自動車産業で栄えたが衰退し、2013年に財政破綻する。これに伴い、デトロイト美術館(DIA)は財政再建のために存続が危うくなる。年金と、美術館はどちらが大切なのか。実話をもとに書かれたお話。

待ち時間のある場所にいくのに本が必要だったので、本屋さんで見つけたのがこの本。薄い、字が大きい気がする。「実話をもとにしている」だって?なら、読めそう。

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『板谷バカ三代』 ゲッツ板谷

『板谷バカ三代』 ゲッツ板谷

その訃報を知ったのは大晦日。
実家に帰ろうと身支度をしていた私はベッドに腰掛けてぼんやりした。あけみさんが亡くなった。亡くなっていた。あーそうかー……そうだ、あれ開けよう。今が開ける時だ…と彼女にもらっていた袋を開けて出てきたのがこの本。何だよう、もう。なんで『置かれた場所で咲きなさい』みたいな本じゃないんだ。あんなに気を持たせることを袋に書いたくせに。そういえば、彼女と最初に会った時も、あの人は

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『創作する遺伝子 僕が愛したMEMEたち』 小島秀夫

『創作する遺伝子 僕が愛したMEMEたち』 小島秀夫

彼が書いていなかったら、この本を途中で読むのを止めている。彼はネタバレを書いてしまうのだ。でも私は彼が好きなのと、紹介された本や映画がそれはそれは魅力的に書かれているので最後まで読んだ。そして図書館の予約を入れた。

独創的なゲーム作りで、世界中にファンがいるゲームデザイナーの小島秀夫さん。私はゲーム音痴でゲームができないが、前職のゲーム会社時代に彼のインタビューを見つけては社内に展開していた。豊

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『共感SNS 丸く尖る発信で仕事を創る』 ゆうこす

『共感SNS 丸く尖る発信で仕事を創る』 ゆうこす

私は手仕事が好きで、糸巻きボタンのワークショップを開催したり、「ベトナムの少数民族に刺繍を習いにいく方法」や「金継ぎ方法の違い解説」といったマニアックな情報をブログに書いている。手芸好きはさておき、ベトナムで少数民族に刺繍を習いたい人や金継ぎをしたい人は身の回りにさほどいないけれど、インターネットを通じて広がる世界にはきっと居る、そしてこの情報は役立てられると思っている。どうやったらその人たちに私

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『佐野洋子の「なに食ってんだ」』 佐野洋子 オフィス・ジロチョー

『佐野洋子の「なに食ってんだ」』 佐野洋子 オフィス・ジロチョー

『100万回生きたねこ』を小さい頃に読んでいなくて、私の知る佐野洋子は『ヨーコさんの言葉』や『死ぬ気まんまん』で、その場に迎合するのではなくて、自分の感じたことや考えたことをスバっという豪快な人、という印象。彼女の絵本や小説、エッセイに出てくる食についての本。

中国で暮らしていた時の食べ物、銀座のお寿司、念入りにつくったおせち、おいなりさんといった食べ物だけでなく、石やセーターなど食べ物ではない

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『岡村靖幸 結婚への道 迷宮編』岡村靖幸

『岡村靖幸 結婚への道 迷宮編』岡村靖幸

私はアラフォーで、未婚である。岡村ちゃんも未婚である。岡村ちゃんの『カルアミルク』を聞くと、「こんな男絶対いや」と思う。でも野外フェスで見た岡村ちゃんは「近くにいたら世話を焼いてしまいそう…」という色気ムンムンの男性だった。そんな未婚の岡村ちゃんが、色々な人に結婚についてインタビューするGINZAの連載をまとめた2冊目。1冊目は読んでいないのだけれど、これが非常に面白かった。

今をときめく壇蜜さ

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『ののはな通信』三浦しをん

『ののはな通信』三浦しをん

授業中に手紙を回す、というコミュニケーションを今の女子中高生はするのだろうか。全然想像がつかない。スマートフォンでLINEをこっそり送るほうが簡便な気がする。私の時はルーズリーフなんかにどうでもいいことを書き連ねて、六角形とかハート型にかわいく折って回していたっけ。この話の主人公「のの」と「はな」は女子校に通い、授業中に手紙を回し、それでも足らずに郵便で手紙を送りあう。

頭がよくて庶民的な育ちの

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『賢者の石、売ります』/『科学オタがマイナスイオンの部署に異動しました』朱野帰子

『賢者の石、売ります』/『科学オタがマイナスイオンの部署に異動しました』朱野帰子

『科学オタがマイナスイオンの部署に異動しました』とタイトルを改名した小説がTwitterでバズっていたので、読んでみた。図書館にあった元のタイトルの方だけど。私にとってとてもタイムリーな本だった。

あらすじは改名後のタイトルが示す通り。主人公の賢児は子供の頃から科学が好きな文系科学オタである。彼が「似非科学」とされるマイナスイオンをはじめとした美容家電の部署に異動になり、科学的根拠がない製品を断

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