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#272 「ただ話を聞くこと」の重要性〜アドバイスなんかいらない〜

仕事としてコーチングをしている方(いわゆるプロフェッショナルコーチ)にコーチング頂く機会がありました。思ったことを、メモ。


1、「ただ話を聞いてもらう」、という機会は意外とない。

テレワークがこれほど浸透する前から、1on1の重要性などが言われるようになりましたので、上司、部下とでじっくり時間をとって話す機会というのは以前より増えたのではないでしょうか?

ただ、どうしても上司が質問することに対して答えることが中心になってしまったり、目の前の仕事の打ち合わせみたいになってしまったり、で、「中身がありすぎる」面談になりがち、ではないでしょうか?

1on1でもそんな感じであると、「ただひたすら話を聞いてもらう」という機会は、ないのではないでしょうか?

え?そんな機会、必要ない?

…まぁ、そうであればもう話はおしまい、なのですが…


2、「ただ話を聞いてもらう」、ことの効果

コーチングでは「質問すること」に焦点が当たりがちです。
そして、その質問のテクニックについての解説があったりします。

いつも思うのですが、こうした「テクニック」は百害あって自己満足しかない場合が多い。なぜなら、本で読んで真似ても、「テクニック」で頭が一杯になって、肝心の「聞く」のが疎かになってしまうからです。

…っと、脱線しました。

話をコーチングに戻すと、「質問することを通じて、相手に考えを深めてもらい、自ら気づいてもらう」というのがコーチングの大方の理解でしょう。

こう理解すると、どうしても「気づいてもらおう」という誘導尋問になりがちです。ですから、コーチングという形を(素人が)意識しても、ただ話を聞く、ということにはなりにくいのです。

でも、いわゆるプロフェッショナルコーチは違いました。

質問は最小限。相手の答えをひたすら待ちます。

答えが出てきても、決して被せない。不安になるぐらいの間をとって、「それで?」「それは?」「具体的には?」といった、ほんの一言で先を促されます。

30分のセッションで本当に1:9の9こちらが話してました
普通、どんなに相手の話を聞いた、と思っても、時間配分としては5:5ぐらいです。

人間というのは面白いもので、自分の話している時間は短く、人の話を聞いている時間は長く、感じるのです。

ただ、実際に1:9のコーチングを受けて感じたことは、「とにかく疲れた」。そして「スッキリした」ということです。

やはり考え続けることは疲れます。
繰り返し質問されることで、そのうち反射的に答えることができなくなり、普段表に出てこないような部分まで考えて答えなくてはならなくなります。
でも、実はこれまで言語化してこなかった部分なので、その試行錯誤が、実は考えをクリアにすることにつながる
その部分がクリアになると、そのまた内側も…という感じです。

それが「疲れたけどスッキリした」という感想です。


3、まとめ

いかがでしたでしょうか?

コーチング、実際受けてみると気付きがあって面白かったです。
(本当は随分前に一度受けたのですが、あまり印象なく…)

もちろん、理屈としては知っていましたし、部下に対してもコーチング的なアプローチをしていたつもりでした。

でも、全然違いました。

ぐるっと回って、「ただひたすら話を聞く」だけでいいんだ、と気付きました。
変に気付きに導く必要もないし、トリッキーな質問を繰り出す必要もないのです。

この経験、チームメンバーとの1on1に活かして「ただひたすら話を聞こう」と思います。でも、簡単なようでむずかしいんだよなぁ…


最後までお読みいただきありがとうございました。

「ただひたすら話を聞いてもらう機会なんて必要ない」と思われた方こそオススメです。なぜなら、そういう方は、人からもらう半端なアドバイスなんていらないでしょうから。ただひたすら話を聞いてもらうことで、自分自身から貴重なアドバイスを得られます。

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