#245 管理職は公募&抽選&期間限定登用でという人事制度私案
昨日、日本の管理職が日本社会のボトルネックだという内容の投稿をしました。
「なにかいい方法を考えないと」を考えてメモ。
1、なぜ管理職の登用が遅くなるのか?
繰り返しになりますが、昨日の投稿は「日本の管理職が日本社会のボトルネックだ」というもので、具体的には、日本は世界に比べても管理職の登用が5年〜15年は遅く、しかも、能力も低い、という衝撃の(すいません、40代のザ中間管理職なので)内容でした。
これでは、若い人材の無駄遣いでしょう。
よく、「適材適所」と言いますが、材料があるから、その材料が使えるものを作る、というのは、発想としておかしいです。この発想で、部長代理やら部付部長やら課長補佐やら…ができたのでしょう。
正確には、「適所適材」でしょう。
適所、つまり、管理職ポストがどんどん減っている。対象となる中高年の社員はどんどん増える。これが、管理職の登用年齢が高くなる最大の原因です。
加えて、長い経験が管理職の能力を高めてくれるか、というと、昨日ご紹介した通り、他国の管理職と比べても能力が低いことが明らかになっています。
さて、どうしたらいいでしょう?
2、公募制はすでに実績あり
もちろん、中高年でも管理職として能力を発揮している人も大勢います。要は年齢が決定要因ではない、という当たり前のことなのです。
だったら、やる気のある人に手をあげて貰えばいいのではないでしょうか?
例えば、富士通は2021年4月1日付で本体とグループ企業における顧客対応の幹部ポストを約4割減らすそうですが、すごいのは、いったん幹部ポストをすべて空席にし、残るポストを社内公募で埋める方式をとるそうです。
富士通グループ企業のある役員のコメントとして以下が紹介されています。
ポストを奪い合うサバイバルゲームが始まっている。“いるだけ”の幹部が多すぎたのかもしれないが今回の人事は凄すぎる
3、抽選方式&期間限定
昨日ご紹介した「企業組織の変化に関する研究会」の「日本社会のボトルネックを解消し、若い世代の登用でより活力のある社会創生を」という資料の中に以下の資料がありました。
管理職の選定にも同じことが言えるのではないでしょうか?
つまり、自分と違うタイプの読めない人材より、似ていて読めるタイプの人材を選んでしまう、というバイアスがあるのでは?ということです。
VUCAの時代、人材にも多様性が必要です。
であれば、思い切って抽選で登用してしまっていいのではないでしょうか?
ただ、今の多くの管理職がそうであるように、「一度なったら既得権益」というのはやめましょう。
法律にも一定期間経ったら自動的になくなるという、「サンセット条項」というのがあります。必要なら、もう一度法案を通す必要があります。
それと同じで、2年などの期間限定で登用するのです。
であれば、管理職に向かなければ再び担当者で活躍してもらう。
もちろん、一定期間経過後は、再チャレンジは可能です。
こうなると、管理職の価値も相対化され、管理職だから偉い、という勘違いもなくなり、単なる役割の違いという受け止め方になるのではないでしょうか?
担当者に戻ったとしても、管理職の経験は絶対役に立つはずです。
4、まとめ
いかがでしたでしょうか?
管理職は以下の3つの制度で登用しては、という私案をご紹介しました。
☑️ やる気のある人に手をあげてもらう公募制
☑️ 任命者のバイアスをなくし、管理職の多様性を保つ抽選制
☑️ 向いていなければ担当者に戻れる期間限定制
流行りだから、ということで「一部」、「部分的に」、ジョブ型の導入を検討するぐらいなら、「ジョブ型を入れる入れない」の議論から離れて、自分たちはどこを目指して、どうなろうとしているから、人事制度はこうあるべきだ、それはジョブ型じゃない、という方がよっぽどいいと思います。
その「ジョブ型じゃない」の1つが今回の私案です。
人事制度を変えるのは、その内容によらずものすごく大変で手間がかかります。
同じ手間をかけるなら、なにが問題で、どう解決しようとしているか、きちんと把握してやりたいですね。
「ジョブ型導入したよ」というアリバイ作り、ではなく。
最後までお読みいただきありがとうございました。
独断と偏見あふれる私案でしたが、何か参考になることがあれば嬉しいです。
本文中に出てくる「昨日の投稿」は以下となります。