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バーの軽食レシピ集

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僕の関わったダイニングバーでお出ししたアペタイザーのレシピを紹介しています。
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蛍烏賊のワイン煮  Firefly squid simmered in wine

蛍烏賊のワイン煮 Firefly squid simmered in wine

バーの軽食レシピ集
Bar snacks recipe collection

ストーリー
Recipe trivia

この季節は兵庫産の蛍烏賊が安く出回っているので、バーのおつまみやコースの前菜用に作っておく常備菜の一つ。ここ1、2年は日本酒というよりは、洋風のバーや中華料理関係の仕事が多く、ワインや紹興酒とのペアリングがテーマだったので、赤ワイン(紹興酒でも良い)を使った一品とした。蛍烏賊

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基本のフムス Basic Hummus

基本のフムス Basic Hummus

ときどきベジタリアン
I’m a vegetarian sometimes

ストーリー
Recipe trivia

だいぶ前の話だけど、これは、ベジタリアンレストラン向けにブレックファーストの提案を頼まれた時に使ったレシピ。全粒粉のパンを毎朝焼くお店だったので、ちょっと他にない提案として「フムスバー」という提案を行った。毎朝8種類のフムスを用意して、パンに塗って楽しんでもらおうというアイデ

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甘くないおつまみクッキー Non-sweet snack cookies

甘くないおつまみクッキー Non-sweet snack cookies

バーの軽食レシピ集 Bar snacks recipe collection

ストーリー
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これは、レストランのアミューズや立食パーティーのフィンガーフード、バーのウエルカムなどの用途のために提供している一品。フランス料理のケークサクレと同じカテゴリーの料理。グルテンフリーへの対応も含めて、オーツ麦と米粉をメインにして、様々なバリエーションの基点になるように考案した

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玉子焼器で焼くズッキーニオムレツ Zucchini omelette cooked in an japanese egg pan

玉子焼器で焼くズッキーニオムレツ Zucchini omelette cooked in an japanese egg pan

バーの軽食レシピ集 Bar snacks recipe collection

ストーリー
Recipe trivia

日本のバーの軽食にはスペインオムレツはちと大きい。飲酒の合間に、小さくカットしたいろいろな料理を箸で摘んで一口で食べるのが好きな人が多いからだ。だからオムレツも一口サイズで提供する。その場合、丸い大きなフライパンで焼いてカットするよりも、日本の寿司屋が使う玉子焼き専用のフライ

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鶏胸肉のリエット  Chicken breast rillettes

鶏胸肉のリエット Chicken breast rillettes

バーの軽食レシピ集
Bar snacks recipe collection

ストーリー
Recipe trivia

夜も深くなると、ちゃんとしたご飯はいらないけれど、ちょっと何か摘みたいという方が多い。居酒屋なら、塩辛とかお浸しというようなことになるのだろうけど、深夜のバーでは洋酒やカクテル、ワインを飲む人も多い。
だから、洋酒とも組み合わせられてちょっと小腹が満たされるよう、自家製パンを

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普段使いの田舎パン Mischbrot

普段使いの田舎パン Mischbrot

世界の粉もん文化考
A look at flour-based food culture around the world

ストーリー
Recipe trivia

ひと昔に比べると、パンは随分と簡単に焼けるようになった。理由は高機能の石臼の登場とオーブン(石窯)の高性能化だ。パンは手作り品の代表のように考えている人が多いが、そうではない。穀物の粒食に比べてまず製粉という工程が必要だ。また、安定

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明日葉のジェノベーゼ風スパゲティーニ Genovese-style spaghetti with ashitaba angelica leaves

明日葉のジェノベーゼ風スパゲティーニ Genovese-style spaghetti with ashitaba angelica leaves

バーの軽食レシピ集
Bar snacks recipe collection

ストーリー Recipe trivia

このパスタのレシピは、亡き友人の縁の一皿だ。長いはなしになるのだけど、ちょっとお付き合いください。

This pasta recipe is a dish related to my late friend. It's a bit of a long story, but p

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鰊のワイン煮 Simmered herring with wine

鰊のワイン煮 Simmered herring with wine

ストーリー Recipe trivia

世界の歴史に最も大きな影響を与えた魚は鰊かもしれない。この魚はとてつもなく大きな群を形成し定期的に北の海の沿岸に押し寄せる。捕獲できる数が半端ではないので、庶民のタンパク源としてまた肥料として、一国の経済を左右するくらいの流通量を生み出したからだ。中世ヨーロッパで勢力を誇ったハンザ同盟の主要交易品は鰊の塩漬けだったし、江戸時代から明治時代にかけて日本の農業

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筍のピクルス Pickled bamboo shoots

筍のピクルス Pickled bamboo shoots

ストーリー Recipe trivia

「雨後の筍」という成句がある。雨の後には筍が次々に出てくるので、何らかのきっかけで似たようなことが次々に起こることの例えに使う。筍という漢字は竹という漢字と旬という漢字を合成したもので、雨の後は十日間の短い期間で筍が次々に生えて来る。春先にいちどきに流通するということだ。この時期には家庭でもどこの店に行っても筍料理が出てくる。日本で一般的なのは筍の煮物や天

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摘果トマトのピクルス  Pickled cull tomatoes

摘果トマトのピクルス Pickled cull tomatoes

大玉のトマトを立派に育てるためには、実り始めたトマトの実を間引きする必要がある。知識としては知っていても、つい最近までミニトマトしか育てたことがなかったので、実感が湧かなかった。ミニトマトは間引く必要がないからだ。一房に鈴なりになった実は全部赤く成熟する。ある時大玉のトマトを育ててみて、つい勿体無くて摘果し損なったら、確かにどの実も大して大きくならず大玉にならなかった。栄養が行き渡らないのだ。一房

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鯰のテリーヌ Catfish terrine

鯰のテリーヌ Catfish terrine

これも、深夜バーの軽食にパンに添えて出した一品。高級感があって好評でした。
日本での人気の川魚はなんと言っても鰻と鮎。それ以外の川魚、とりわけ江戸時代まで頻繁に利用されていた鯉や鯰の影は薄く流通量も少ない。特にナマズは淡白で癖がない上品な味でもっと利用されても良いのにと思っていた。最近面白いことに、タイ産のパンガシウスというナマズの仲間が結構大量に輸入されるようになっている。養殖されたものでパサと

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アスパラガスのお浸し Asparagus marinated in soy sauce

アスパラガスのお浸し Asparagus marinated in soy sauce

僕の関わったダイニングバーでアペタイザーとしてお出しして好評だった一品。アスパラガスが多く出回る季節に常備菜として作りました。動物系の出汁を使わないのでベジタリアンにもおすすめです。必要最低限の味付けでアスパラガスの旨味を引き出しています。

This was a popular appetizer at a dining bar I worked at. I made it as a side

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