梔子(クチナシ)

思ったこと 感じたこと そんなことをつらつらと。

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記事一覧

たぶん秋

急に肌寒くなった気がする。 今日はなんとか時間に都合を付けてヘアサロンへ行ったら帰り道で雨に降られた。 冷たいと感じた。 秋が来た、たぶん。 冬はもっと寒い、だか…

再開

趣味は仕事にするべきじゃないとつくづく思う。 自分のタイミングで好きなように表現するのが楽しいのであって、急に話が大きくなったり義務や責任やそのほかに削らなくて…

9

吾輩は猫になる

猫になってデカダンスな世界を冒険するゲームをしている。 「stray」というゲームだ。 猫好きの友達のオススメで猫の動きを、プレイヤー次第だけれどリアルに再現できる。 …

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度し難し

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足跡の理由

最近絵の描き方を変えた。 というかモチーフを変えた。 モチーフ?ガラッと変えた。 少し前から今までの抽象画の描き方に限界を感じていて、でもどう抜け出せばいいか分か…

10

爪を彩る

ネイルポリッシュが苦手だった。 私はとても不器用で大雑把で面倒臭がりで、自分の爪にネイルポリッシュを塗るのが本当に苦手だった。 ベタベタになってムラになって、い…

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珍しく早々に目が覚めた。 五時台。 とりあえずバナナを食べる。 足りなくて卵スープを作り、残っていた白米と納豆でこれまた珍しくしっかりと朝食を摂った。 昨日は充実…

10

それでも、だからこそ

抽象画を描いている。 廃材でアート作品を作っている。 最近はピアスを作るようになった。 ピアスはあくまでも短期間、極稀にギャラリーに納品する程度に作っていこうと思…

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作者と作品

絵を描いている。 文章はずっと書いている。 最初は日記のようなブログだった。 読んでくれる人が少しでも笑顔になってくれる為に面白可笑しいものを書いていた。 「読ん…

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暖色の間接照明に照らされる
自分の影が部屋の壁に落ちる
大切なぬいぐるみは腕の中に
ふと誰かの事を想っては止め
そしてまた同じ事を繰り返す
願わくばというエゴの行先は
存在すらしないカミサマの掌
それでも想う事は変わらない
君の誰かの辛い夜をください
共に抱いて夢で逢いましょう

10

ねがい

きらり ひかり ぽつり こぼし 最初はみんな無垢だった 白か透明か わからないけれど ふわり つつみ やわく むすび 子供の心はいつも其処に 忘れているだけで 失くしたわ…

10

循環、選択、死のにおい

気付くと夕暮れの田園に一人立っていた。 太陽はちょうど山の向こうへ沈み、忘れ形見のような弱々しい明かりが山のシルエットを強調している。 ここは故郷だ。 あれ?東京…

10

年越しだろうが正月だろうが本当は別にどうでもいい。だって2024年になったからって自分が突然変わるワケでもないし周りも然り。ただの習わしと言えばそれまで。しかし年末年始が無いと連休が取れない、その直前にはクリスマスがあったし。だからさ、楽しくなくても平和であってほしかったよ。

9

ショート【私の猫】

深夜2時、霞む目を擦りながらキャンバスに向かう。 淹れたてだったコーヒーはほとんど口を付けないままとっくに冷めているし、顔には絵具が付着していたがそれすら気になら…

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瞑目半夜

真夜中、ベッドの中で目を閉じる。 窓の外からたまに聞こえる騒音にも慣れた。 窓の外からたまに聞こえる奇声にも慣れた。 慣れた、気がしていた。 人間は鈍感になる。 …

11

純粋な衝動を守る為に不純な選択をする矛盾を抱えて誰に知られる事も無く熟す日々の夢の中ですら苦しむ事実を秘めて雑多な空虚を整理する暇も無く何時しか光りの消えた瞳に何時の日か陽の光のように柔らかな抱擁を与える手が伸びても恐くて振り払ってしまうような悲しい事の無いようにと

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たぶん秋

たぶん秋

急に肌寒くなった気がする。
今日はなんとか時間に都合を付けてヘアサロンへ行ったら帰り道で雨に降られた。
冷たいと感じた。

秋が来た、たぶん。
冬はもっと寒い、だからたぶん秋が来た。
秋は好きだ。
故郷の山々が夏の青さを手放して物悲しくなる変化も好きだ。
あと、葉が枯れると木の枝が丸見えになり鳥の巣を見つけやすくなる。

先日、現代アートについてどう思うか訊ねられた。
話題には例の壁に貼られたバナ

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再開

再開

趣味は仕事にするべきじゃないとつくづく思う。
自分のタイミングで好きなように表現するのが楽しいのであって、急に話が大きくなったり義務や責任やそのほかに削らなくてはならない時間が生じるとモチベーションが下がる。
というか葛藤の連続で疲弊してしまう。

趣味でちょこちょこ作っていたアクセサリーが好きだった。
クオリティーは置いておいて自分が作った物を身につけるのは普通に嬉しい。

ああ、なんだかいつも

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吾輩は猫になる

吾輩は猫になる

猫になってデカダンスな世界を冒険するゲームをしている。
「stray」というゲームだ。
猫好きの友達のオススメで猫の動きを、プレイヤー次第だけれどリアルに再現できる。

この文章を打っている間、画面の猫もPCの上でゴロゴロしながらデタラメな文章を打ち込んでいる。
その、この状況がなかなかシュールに感じられる。

二週間ほど、とても忙しかった。
気持ちもザワザワして落ち着かず、体調も精神もガタガタと

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足跡の理由

足跡の理由

最近絵の描き方を変えた。
というかモチーフを変えた。
モチーフ?ガラッと変えた。

少し前から今までの抽象画の描き方に限界を感じていて、でもどう抜け出せばいいか分からなくて。

段々と惰性で描くようになり時間も掛けなくなり、そんな作品に愛着があるかと言われると前より無い。

「綺麗な色ですね」
「力強いタッチですね」
「色んな連想が出来ますね」

同じ感想ばかり、それしか与えられない自分にもどかし

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爪を彩る

爪を彩る

ネイルポリッシュが苦手だった。
私はとても不器用で大雑把で面倒臭がりで、自分の爪にネイルポリッシュを塗るのが本当に苦手だった。

ベタベタになってムラになって、いつも何度も何時間も掛けて塗り直すのが億劫でネイルサロンでプロにお金を払ってジェルネイルをしてもらうようになった。
足の指だけは自分で塗った。
ヘタクソでもあまり目立たないから。

5月の末に手の映る撮影が決まり、少し前からネイルを辞めてい

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朝

珍しく早々に目が覚めた。
五時台。

とりあえずバナナを食べる。
足りなくて卵スープを作り、残っていた白米と納豆でこれまた珍しくしっかりと朝食を摂った。

昨日は充実した一日を過ごした。

写真家とのモデルとしてのコラボの話、知り合いの作家のアクセサリー着画モデルの話、会社が取ってきたアパレルブランドのモデルの話。

やる事が多くなってきて楽しくなりそうだと思ったが、被写体やモデルを個人的にやるに

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それでも、だからこそ

それでも、だからこそ

抽象画を描いている。
廃材でアート作品を作っている。
最近はピアスを作るようになった。

ピアスはあくまでも短期間、極稀にギャラリーに納品する程度に作っていこうと思っていた。

絵は値段も高いし好みもある。
なかなか売れない。
しかしピアスの売れ行きは良い。

急に企業から連絡がありその企業でオリジナルのブランドを立ち上げピアスを販売する話まで発展した。

「私はアクセサリー作家じゃないのに」

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作者と作品

作者と作品

絵を描いている。
文章はずっと書いている。

最初は日記のようなブログだった。
読んでくれる人が少しでも笑顔になってくれる為に面白可笑しいものを書いていた。

「読んでいて楽しい」
「思わず笑っちゃう」

そんなコメントが嬉しかった。

当時勤めていた会社の上司からの過激なセクハラが始まってから楽しいブログが書けなくなった。
気をつけても所謂「病みブログ」の雰囲気を抑える事が出来ず、読者は離れ、ブ

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暖色の間接照明に照らされる
自分の影が部屋の壁に落ちる
大切なぬいぐるみは腕の中に
ふと誰かの事を想っては止め
そしてまた同じ事を繰り返す
願わくばというエゴの行先は
存在すらしないカミサマの掌
それでも想う事は変わらない
君の誰かの辛い夜をください
共に抱いて夢で逢いましょう

ねがい

ねがい

きらり
ひかり
ぽつり
こぼし

最初はみんな無垢だった
白か透明か
わからないけれど

ふわり
つつみ
やわく
むすび

子供の心はいつも其処に
忘れているだけで
失くしたわけではなくて

ゆびに
ふれて
おもい
はせて

たまに思い出して
難しくても
あの頃の笑顔
確かにあったから

ゆめに
おちて
きっと
あすは

新しい日が昇り
同じじゃない一日で
ささやかな喜びが
誰かを優しくしますよう

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循環、選択、死のにおい

循環、選択、死のにおい

気付くと夕暮れの田園に一人立っていた。
太陽はちょうど山の向こうへ沈み、忘れ形見のような弱々しい明かりが山のシルエットを強調している。

ここは故郷だ。
あれ?東京へ戻ったのになんで帰って来てるんだろう。

…ああそうだ。
夜ごはんを食べに来たんだ。

財布の中には千円札が四枚。
お気に入りのマスタードカラーの財布。
そうそうこれはクリエイター作品でそこそこ高かったんだ。
本革だから使い込むほど手

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年越しだろうが正月だろうが本当は別にどうでもいい。だって2024年になったからって自分が突然変わるワケでもないし周りも然り。ただの習わしと言えばそれまで。しかし年末年始が無いと連休が取れない、その直前にはクリスマスがあったし。だからさ、楽しくなくても平和であってほしかったよ。

ショート【私の猫】

ショート【私の猫】

深夜2時、霞む目を擦りながらキャンバスに向かう。
淹れたてだったコーヒーはほとんど口を付けないままとっくに冷めているし、顔には絵具が付着していたがそれすら気にならない。

「…ねぇ、まだ寝ないの?」

寝室から出て来た彼女が寝惚けた声で訊ねる。

「ああごめん、起こした?」

「そうじゃないけど。来ないから」

「作業がなかなかキリにならなくてさ。そこまでは持っていきたいんだよね」

「そう」

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瞑目半夜

瞑目半夜

真夜中、ベッドの中で目を閉じる。

窓の外からたまに聞こえる騒音にも慣れた。
窓の外からたまに聞こえる奇声にも慣れた。

慣れた、気がしていた。

人間は鈍感になる。
それは慣れじゃない。
ただ鈍くなるだけ。

何年前だろう、色んな人に訊いてみた。
「人間らしさとは何か」と。

その中で喜怒哀楽がある事だと答えた人がいた。
二足歩行する事だと答えた人もいた。

正直その二つしか覚えていない。

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純粋な衝動を守る為に不純な選択をする矛盾を抱えて誰に知られる事も無く熟す日々の夢の中ですら苦しむ事実を秘めて雑多な空虚を整理する暇も無く何時しか光りの消えた瞳に何時の日か陽の光のように柔らかな抱擁を与える手が伸びても恐くて振り払ってしまうような悲しい事の無いようにと