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吾輩は猫になる

猫になってデカダンスな世界を冒険するゲームをしている。
「stray」というゲームだ。
猫好きの友達のオススメで猫の動きを、プレイヤー次第だけれどリアルに再現できる。

この文章を打っている間、画面の猫もPCの上でゴロゴロしながらデタラメな文章を打ち込んでいる。
その、この状況がなかなかシュールに感じられる。

二週間ほど、とても忙しかった。
気持ちもザワザワして落ち着かず、体調も精神もガタガタと崩れて時折涙を流すなどしていた。
アクセサリーサイトのオープンの為、打ち合わせに打ち合わせを重ね連絡が取れない受注先にイラつき現状できる事しかできない現実がキリキリと頭と心を締め付けるようだった。

打ち合わせには会食が付き物で、ボディーメイクを始めてすぐに太った事も、ショートヘアにしたら全く想定外の雰囲気になった事も、過食嘔吐に繋がった。

ほんの少しのストレスが引き金となり様々な悪循環を招く。
一旦落ち着いた今も肺と胃が痛い。
肺はカプセルホテルで吸い込んだ埃が原因だろう。
何度も酷く咳き込んだ。



待ちに待ったサイトオープンを目の前にした今でも思う。

「私はアクセサリー作家じゃない、作りたいのはアクセサリーじゃない」

たまたま私というクリエイターがたまたま作ったピアスにたまたま企業という小さなパトロンが付いただけ。

作るのは楽しい。もっと技術を上げたい。

できる事も増える一方で制限だらけの現実。
売り上げ、売価、原価、コスト

お金が絡んでいるのだと思い知らされる。
私のアクセサリーは「商品」だ。
それでも作りたいのはやりたい事があるから。
やりたい事とは別に誰かの喜ぶ顔を想像したいから。
そして自己満足。これが一番強いだろう。

メッセージカードに書く言葉はひとつひとつ違う。
なんでもないメッセージだ。
なんでもない小さな願いだ。
せめて私の言葉を届けたくて書いている。


未だに続く大きな波に乗り遅れないようしがみついて振り落とされないようにしなければ。
もうあの頃の自分に戻りたくないから。

ごちゃ混ぜの感情と共に見えない誰かの笑顔を願う。


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