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クラシック

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N響ほっとコンサートよりズーラシアンフィル

N響ほっとコンサートよりズーラシアンフィル

昨日の「クラシック音楽館」の内容が対照的だった。

番組前半は「N響ほっとコンサート」。

厚切りジェイソンさんの司会、上手だったと思うけど、私はクラシック初心者に解説付きのコンサートはオススメしない。

日本人は美術展でも解説パネル真剣に読んだり、イヤホンガイド借りたり、非常に勉強熱心!

私は歌舞伎も好きだけど、イヤホンガイド借りたことないよ。役者のセリフが聞こえないじゃん😅

クラシックも

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なぜ若者はクラシックコンサートに行かないのか

なぜ若者はクラシックコンサートに行かないのか

最近クラシックコンサートに行って思うのは……

GGIばかり!😵

私も人のことは言えない中年ではあるが。

若者を見かけないのだ。

土日のマチネーはそうでもない。

平日夜のサントリーホールなんてジジイばかり!

無理もない。マチネーならランチや遊びのついでに来れるが、ソワレともなるとコンサートが終わったら即帰るだけ。ガチのオタしか来ない。

それに来ている若者層は学生オーケストラの団員だっ

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ショルティの精神性

ショルティの精神性

サブスクをやっていていいなぁと思うのは、わざわざ買うまでもない音盤をすぐに聴けること。

サブスクやってないと、図書館で借りたり非常にめんどくさい😅

さて、宇野センセイに「カミナリ太郎」と命名されていたショルティの「運命」を初めて聴いてみた。

いまの時代の耳で聴くと、よくも悪くもオーソドックスな演奏である。

で、クラオタが大好きなワード「精神性」をそこに感じるかというと……

微妙😂

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あなたはマーラー派? ブルックナー派?

あなたはマーラー派? ブルックナー派?

あなたはマーラー派? それともブルックナー派?

かつてはこんな単純な二元論が通用していた。

というのも、指揮者もマーラー指揮者(マーラーは積極的に振るがブルックナーはあまり振らない)とブルックナー指揮者(ブルックナーは積極的に振るがマーラーはあまり振らない)に分かれていたからだ。

前者はバーンスタイン、テンシュテット、バルビローリなど。
後者はチェリビダッケ、ヴァント、ヨッフムなど。

いま

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待てないのか待たないのか、それが問題だ

待てないのか待たないのか、それが問題だ

いとすさまじきもの。それがフライングブラボー。

最近Xの感想でフライングブラボーの苦情が増えた。昔に比べて増えているのか?

「なぜあと少し待てないのか?」と書いている人がいる。だが、これは誤った認識である。

待てないのではない。待たないのだ。

ブラボー屋は静まり返ったホールに己のダミ声を響かせるのが快感なのだ。

「曲の終わりがわかっているアピール」という指摘もよく見かけるが、初心者向けコ

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あるメンターとの出会いと別れ

あるメンターとの出会いと別れ

いまから15年ほど前の話である。

当時私は精神科病院に入院中で、タバコを吸わないものだから喫煙者同士のコミュニティには交じれず、病棟で話す人が限られてしまい寂しい思いをしていた。

そんな私の心の支えがmixiだった。当時はまだ招待制で、私は海外旅行先で知り合った日本人の友人から招待してもらった。

足跡機能もあった。私はクラシックの記事をよく書いていた。行ったコンサートのアーティスト名で検索し

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「最後の巨匠」は誰か

「最後の巨匠」は誰か

クラオタ界でよく耳にする「最後の巨匠」。

この言葉はもはやクリシェと化していて、いったい何人最後の巨匠がいるのかわからない有様である。

いったい「最後の巨匠」は誰なのだろう?

こういうことを書くと、最近の「白けオタク世代」は

「そんなの人によって違う。無理に決めなくていい」

とか言い出す。

こういう言説がクラオタ界をつまらなくさせているのだ。

クラシックに限らず、「史上最高の野球監督

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クラオタの盲点

クラオタの盲点

クラオタ歴28年の私が最近思うのは……

クラオタはスコア(総譜)を読まない!

ということ😅

スコアとは指揮者用の楽譜のことで、全ての楽器の譜面が書かれている(反対にオーケストラの団員は自分の楽器のパート譜を見て演奏する)。

クラオタは聴き比べには興味があっても、スコアを読むのには興味がない。

ブルックナーの交響曲第8番が大好きで10枚20枚とCDを持っている人のいったい何人が、スコアも

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忘れ去られた名盤ガイド

忘れ去られた名盤ガイド

名盤。

かつて日本中のクラオタたちが胸をときめかせた名盤。

侃侃諤諤の議論が巻き起こった名盤。

その名盤も、『レコ芸』が休刊になり、巷で話題に上ることが減ったような気がする。

飽きずに懲りずに「名盤300」といったマンネリ企画を繰り返していた『レコード芸術』。

はたしてその意義はいったい……?

クラシックに限らず、世の初心者は取っ掛かりがわからない。「何から聴けばいいのかわからない」と

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マーラー演奏の是非

マーラー演奏の是非

昨日のハーディング/都響の「巨人」の感想が賛否両論だ。

昔のTwitterに戻ったようで私などは歓迎なのだが、共感できない指摘もある。

「アンサンブルが荒い」……緊急地震速報のあと数分とフィナーレは確かにそうだったかもしれないが、全体的にはむしろ細やかだったと思う(第2・第3楽章なんか特に)。

「熱量が低い」……え!と思ってしまった😅 結構熱かったと思うが。

席によって感じ方が異なるのか

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朝比奈のブルックナーを聴いて思い出すもの

朝比奈のブルックナーを聴いて思い出すもの

『音楽の友』のブルックナー座談会で、朝比奈隆の名前がまったく出てこなかったことが一部クラオタの間で話題になった。

朝比奈を生で聴いたことのない世代の参加者ばかりだったのも一因だろう。

もっとも、遺された録音だけで審査するなら、朝比奈はチェリビダッケやヴァントに遥かに及ばないと見なされたのかもしれない。

今日たまたまアニメ「美味しんぼ」の「鮎のふるさと」という回を見た(傑作だった)。

山岡と

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芸術の感想を書きづらい原因

芸術の感想を書きづらい原因

私は4月から半年間の契約で、NHKのテレビモニターをやっている。

月に12本感想を書くと、15000円もらえる。

2か月ごとの担当番組が決まっていて、4・5月はそれなりに楽しく視聴できたが、今月の担当番組があまりにもつまらない😂

普通なら見なきゃいいだけの話だから、わざわざアンチの感想をもらうスタッフが気の毒(でも仕事なので仕方ない)。

で、また、感想が書きづらいのだ。

クラシックコン

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居心地の悪い世界にあえて身を置く

居心地の悪い世界にあえて身を置く

今日は2年ぶり?に能を鑑賞してきた。

最近、クラシック鑑賞の限界を感じてきた。

私は楽器の構造を知らない。
スコアも読まない。
作曲の背景も知らない。

音楽を本気で志す人が通るアプローチにことごとく背を向けてきた。

では、レビューを書くうえでの私の武器は?

それは16歳からのコンサート経験だったり、クラシック以外の豊富な芸術鑑賞体験なのかもしれない。

しかし、それだけでは到底深い理解に

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我々は何を期待してコンサートホールに行くのか

我々は何を期待してコンサートホールに行くのか

チェリビダッケ/ミュンヘン・フィルのバーバー「弦楽のためのアダージョ」を聴いた。

崇高な祈りが練り上げられたような響き。

透徹、と言ってもいい。

自分の音楽はコンサートホールでしか体験できない

と言って頑なに録音を拒んだ巨匠のCDが、没後に続々とリリースされているのは皮肉でしかないが、

サブスク音源を2000円のワイヤレスイヤホンで聴いていても、チェリビダッケの凄さは伝わってくるのだから

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