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キミが笑ってくれたから
「ハァハァハァ…」自分の目の前にはすっきりとした雲もない青い空が広がっている。息が上がってもう動けないし走れない。太陽の光がアタシの毛穴から汗を噴き出させ、べっとりとした肌にカラッとした秋風が吹き抜けていく。そういえば雨続きだったのか。夏の儚い日々を過ごしたセミが仰向けになって目の前で死んでいる。アタシももうすぐこんなふうになるのか。いや、ここまで形を留めたままでいられるはずはない。頭が潰れて脳
もっとみる「ハァハァハァ…」自分の目の前にはすっきりとした雲もない青い空が広がっている。息が上がってもう動けないし走れない。太陽の光がアタシの毛穴から汗を噴き出させ、べっとりとした肌にカラッとした秋風が吹き抜けていく。そういえば雨続きだったのか。夏の儚い日々を過ごしたセミが仰向けになって目の前で死んでいる。アタシももうすぐこんなふうになるのか。いや、ここまで形を留めたままでいられるはずはない。頭が潰れて脳
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