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【詩】はるふゆの(2月に寄せて)
おはよう、の前に
さむさとあたたかさの間で
溺れてしまったので
毛布の奥の海で踊ってみようと思ったのだ
冷たいトウシューズを履いて
かもめのいない冬の海だった
舞台は
毛布とはだの色の境界はもう見えない
全身が布になったみたいね
誰よりも涙を吸い込んで、なお
しろくさやけくはためくからだ
陽だまりに干される重みは
いのちか
呼吸の一音一音がわたしを揺らす
歩様の一足一足がわたしを刻む
生き
【詩】静まり(1月に寄せて)
喉から鳴る呼吸の音が
酷く気味悪く聞こえたり
球菌に浸されて
肺胞がぷちぷち潰れたり
爛々と見えた夢のなか
声は遠く
翼は腐り
夜に落ちた
さりさり、さりさりと
粉雪が旋風と走るのを照らす永訣の火が
足元を溶かしていくのは
いつもと同じ朝だから
蹌踉めいた木々の隙間に浮かぶ
セント・エルモ
めまぐるしい日々の向こう
あたたかなタオルの匂い
おふとんの羽毛や
セーターの毛糸が少し暑くて
冬
『NEEDY GIRL OVERDOSE』感想|きみがインターネットと決別するということ
身内から『NEEDY GIRL OVERDOSE』をもらったのでプレイした。
私は『ドキドキ文芸部!』や『Milk outside a bag of milk outside a bag of milk』が好きだ。そんな話をしていたら、誕生日に顔がいい女を育成するゲームが届いた。
ざっくりいうと、心が弱めの女の子「あめちゃん」の彼氏(ピ)として配信のプロデュースをして、登録者100万人を目指そ
アストンマーチャンの高松宮記念からあのイベントまでの時間について
※この記事にはウマ娘プリティーダービーに育成ウマ娘として実装されている「アストンマーチャン」のシナリオに関するネタバレ、自己解釈が含まれます。
ウマ娘プリティーダービーで新しく実装された育成ウマ娘、アストンマーチャンが気になっていた。
なんか気になるな~っつってガチャ回したら10連で来て、そのあとの単発でも来た。忘れるなと言われているような気がして、深夜2時に慌ててシナリオを完走した。
結論か
「Milk outside a bag of milk outside a bag of milk」をプレイしました。
牛乳は……もう……。
精神が不安定な女の子が牛乳を買いに行くのを見守り時に手助けなどをするロシア発の奇ゲー「Milk inside a bag of milk inside a bag of milk」の続編、「Milk outside a bag of milk outside a bag of milk」をクリアしました。
こちらは前作で牛乳を買って帰ってきた主人公が、お家で無事に眠るまで
でたらめエッセイ -夏の日、サカサクラゲと住宅街-
この土地に引っ越してきて、もうじきに三年が経過しようとしている。
駅の近所で通勤に便利だからという理由で選んだこの家の周りは、当然ながら地方にしては人通りが多い。
駅に面した表通りにはちょっとした飲み屋街もあり、普通の居酒屋やゲームセンターなんかの他に、一本入ればパチンコ店だとかフィリピンパブだとか色々あって猥雑で、私はその雰囲気が地元に似ていて結構好きだ。
そんなガヤガヤとした通りの電信柱
空を飛びながら思う、文章が書けないということ
空を飛ぶことは、いつも新鮮だ。
飛行機という乗り物に慣れてきた最近は不思議な浮遊感の中眠ってしまうことも多いが、空気の揺らめきに何かが刺激されるのか、目が覚めている時はいつも何かしらの文章を書いている。この文章もその一つだ。
ところが、最近なんだか思うところが多すぎて、文章を書くこともままならない。
一つ一つは大したことではないし、日常生活にさして支障はない。芥川風に言うなら、死に至るほどでも