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【詩】静まり(1月に寄せて)

喉から鳴る呼吸の音が
酷く気味悪く聞こえたり
球菌に浸されて
肺胞がぷちぷち潰れたり

爛々と見えた夢のなか
声は遠く
翼は腐り
夜に落ちた

さりさり、さりさりと
粉雪が旋風と走るのを照らす永訣の火が
足元を溶かしていくのは
いつもと同じ朝だから

蹌踉めいた木々の隙間に浮かぶ
セント・エルモ

めまぐるしい日々の向こう
あたたかなタオルの匂い
おふとんの羽毛や
セーターの毛糸が少し暑くて

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