短歌:インターネットのこと

感情と露悪まみれの烏合にてあなたと朝まで躍っていたい

カーテンと毛布の隙間からひかり デスクトップと朝日の違い

夏の夜 電波に乗って会いに行く 海を越えても最短距離だね

フィルターが無い匿名の“いいね”を見る 匂いがあの日のタバコに似てる

君とわたしが漂う世界 インターネット越しに聞く雷の音

フォロワーにお願い 顔の白布に漫画を描いて わたしの葬式


インターネットというものは、とかく気にしなくて良いものを気にして、気にすべきものを見落として、そんな風にストレスを溜めながら時間を過ごしていく場所です。

それでも、そんな場所で、そんな場所だから、繋がった縁があって、繋げてくれる線がある。

通話越しに遠く離れた友人と聴いた雷の音、知らない人から届いた小さな匿名のハート、寝苦しい夏の夜に恋人に送った電子の恋文。

そんなものを糧にしながら今日もインターネットで生きて、願わくば葬式までどこかの誰かとの縁が繋がっていきますように。

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