今年プレイしたSteamゲームのレビューまとめ~2023年総括&ウィンターセールに向けて~
2023年も残すところあと2週間と相成りました。
今年もいろいろゲームやったね~ってことで、結構インパクトあるゲームに出会えた一年だったなと思いつつ、久々に備忘録がてらのレビューを書いていきます。
見ておもしろそ~と思ったらぜひストアページへどうぞ。
2023年以前のリリース作品
Zelle
一人ぼっちの少年を城の外へ連れだしてあげる、幻想ホラーアドベンチャーゲーム。
主人公の少年エメラダは、何者かによって不気味な城にとらわれてしまいました。彼を閉じ込めた人物はここから出てはいけないと言いつつも、なぜかとても優しくしてくれるようですが……プレイヤーは彼を操作して、悪い化け物を祓いながら、脱出を目指すことになります。
城を巡り、たくさんの登場人物と会話を重ね、自らの行動を選ぶ中で、エメラダが見つけるものとは……
発売は2019年。
難易度のさほど高くないギミックとそれらを楽しませるに十分なマップデザイン、サクッと触れる程よい長さのシナリオに落ち着きと不気味さを兼ね備えたBGM、そして奇妙が故に心に焼きつくグラフィックとキャラクターたちなど、全体の要素がよくまとまっており、総じてかなりオススメ。
ゲーム慣れしていない自分でも、少し昔のフリーゲームの雰囲気を思い出しながら楽しく触れました。好きなキャラクターは死神のゾグゾです。
ストーリーやキャラの魅力はもちろんのこと、道中はポイントアンドクリックやミニゲームなどの要素も多かったり、 ゲーム世界への細々したこだわりが感じられるポイントも多い。この価格でも十分妥当だけれど、セールだと相当お値打ちになるので待って購入しておき、物語性があるゲームに触れたいな〜という時にプレイするのがいいかもしれない。
ホラー表現はゴア・ジャンプスケアなどが普通にあるので注意。TW系もありそう?じんわり系ではないし、一応判断力が求められるアクションパートもあるのでのんびりプレイには向かないかな。
実はGooglePlayでも配信されているようなので、ホラゲ耐性がある方はぜひプレイしてみてください。
(公式サイトに設定集があるのでクリア後はぜひ!ゲーム世界や登場人物への解像度が高まるぞ)
次作で予定されているDream channel Zeroの公開も楽しみです。
Cult of the Lamb
カルト教団運営シミュ+冒涜的見下ろしローグライクアクション、言わずと知れた信仰ゲー。
主人公の子羊は、自らの命を救ってくれた神様”待ち受けし者”に忠誠を誓い真っ黒な冠を与えられます。その力を駆使して素晴らしい教団を作り上げ、神様の邪魔をする異教の神々を粛清する器となるのです!
発売は2022年。
教団運営というキャッチーなコンセプトにとっつきやすいローグライクや特徴的なキャラデザが噛み合った話題作。
アクションはいたってシンプルで、攻撃、強攻撃、必殺技的なやつに加えて道中で拾えていると時間でチャージが溜まる特殊パーク(聖遺物)を使って生成されるダンジョンを進んでいく。
難易度は選択できる親切設計(わたしはノーマルでプレイしてます)。
探索ごとのパークは道中でタロットカードとして入手できる。回復量2倍や攻撃移動速度、回避時接触ダメージなど結構有用。
一緒に戦ってくれる使い魔(中身は信者)も進行していくと召喚できるようになるぞ。
ゲーム下手くそ人間でもノーマルでなんとかかんとか楽しみながらシナリオ突破可能、楽しい。
で、このゲームの肝といっても過言ではない教団運営要素。
仔羊くんの教団はなんもねえ荒地からスタートなので、木こりと農作業と炭鉱夫と飯炊きと寝床造りと便所掃除と……なんでもやることになります。
日々の説教をしっかり行い信者を教育することで、建築物を増やしたり儀式をしたり戒律を付与したり、集めた信仰を活用してあなただけの素敵な教団を作り上げよう!
そんな感じの緩めな村づくりです。こだわり始めるとアクションパートそっちのけになっちゃうので気をつけよう。
というわけで、ダンジョンで異教のものどもを粛清しながら教団の世話もちゃんとリソースを割くべきなんですが、クリアが面倒なサブミッションや建築までのルートがだるいものもあったりする。教団運営ローグライクとしての良さをガッツリ楽しむならここも放り出さないで楽しめる人向けのゲームだと思います。
その辺面倒〜アクションパートだけやりてえ〜って人は必要なパークと建築物だけの解放RTAしながらプレイするのがいいかも。
ちなみに運営を頑張れば信者は自分らである程度は何とかしてくれるようになり、彼らのできることも増えていき、己の教団にいる信者らに愛着も湧いてきます。まあ愛着が湧く頃には大体年取って死んでるんですけども……
コンセプトや描写が何かと取り沙汰されがちですが、意外や色々なキャラが出てきて、信仰は置いておいても村づくり+ダンジョン探索のゲームシステムとキャラのデザインがハマる人にはかなりおすすめできる。
この後もおっきめのアプデが入るらしく、シナリオクリアしても長く遊べそうで楽しみ〜、来年もいっぱいやるぞ。
2023年リリース作品
違う冬のぼくら
ドット絵の静かな世界で紡がれる、2人協力系プラットフォームパズルアドベンチャーゲーム。ただし見えてる世界もマップも違う。
終電に揺られる主人公が体験した、ひと冬の物語。子供のころ、自分たちの町から見える山を眺めておしゃべりをしているうちにそれぞれが抱えた思いが膨らみ、一緒に家出を敢行した主人公たち。2人は協力して山の頂上を目指す、かと思いきや…
開始して数十分、
「クマだ!」
「機械じゃん!?」
2人の目に映る世界は全くの別物になってしまっていたのでした。
上記の通り、見えている世界とマップが違う中で、2人でひとつの物語を進めていくゲームです。1人では(ズルしないと)クリアできないので通話と友人が必須。
見えているものが違う友人に自分の視覚情報を言葉を尽くして伝えながら、現実でも相手の世界が自分と同じように写っている保証なんて一つもないことを否応なしに思い出させられるシステムが素敵。
友人のキミは何を思って、どうして自分といてくれるのか、自分にとってキミは、この世界はなんなのか、シナリオとリンクしてそんなことを考えてしまいながら、じっくり進めるのが心地よいゲームでした。
自他共に認める10年来の親友とプレイしましたが、流石に阿吽の呼吸でパズルはまあまあサクサク。一部シビアな操作が必要なところは時間かかった。友人とゲームで喧嘩になるのもある意味醍醐味かもですが、ギスギスはしない程よい難易度だと思う。我々はわいわいやって6時間かかりましたが、ある程度ゲーム慣れしてれば3~4時間もあればクリアできるかな。
アーリーアクセス終了後のフレンドパス周りで色々言われてはいたけど、やってみたらよく作られたシナリオでちゃんと楽しかった!!です!!それはほんとに伝えたい。
プレイ感やお話的にもちゃんとおすすめできるので、やってみたい人はぜひ。価格対ボリュームが気になるならセールを待って友達とせーので購入してみましょう。よい冒険を。
上に天井がある。
勉強に疲れた主人公の少女を操作して、上に天井がある家の中を探索しよう。ポイントクリックの短編サイコロジカルADV。
サイコロジカルADVとはなんぞや、という感じですが、彼女の生活の中に現れたほころびを通して、ぼんやりとした不安と恐怖を追体験することができます。
現代社会を生きる人々、日常に追われるというか、自分に課されたものを背負いきれずにキャパオーバーになって、しんどくなっちゃう時って誰しもあると思うんですけど、この主人公もその例に漏れずそんな感じ。うまくこの息苦しさから逃れることができるかな?
さっくり価格のさっくりプレイで、びっくり要素はないけどじわじわとした恐怖感と焦燥感に結構没頭できる。じっとりしたBGMにノイズのかかった色彩の少ないグラフィックもいい感じ。
エンディング分岐あり。全部クリアするともっと彼女のことを知ることができる探索モードが解禁されます。
全部捨ててどこかに行ってしまいたいのにどこにも行けないこととか、自分じゃない誰かにすがりたくなることとか、奇妙な夢を見てることにしてしまいたいこととか、日常の中で感じるそんなことの積み重ねの中を一つ一つ探索していく感じ。なんかいろいろしんどい時って、家の中に閉じ込められちゃったように感じること、あるよね。
世界観の性質上、以前私もレビューした「Milk outside a bag of milk outside a bag of milk」と並べられることもありますが、こっちの方がずっとシンプルでマイルドなので、主人公のことも理解しやすいと思います。
手軽にプレイできる作品なので、気になったらぜひプレイしてみてはいかがでしょうか。思わぬヒーリングにつながるかも。
ウーマンコミュニケーション
日常会話に隠れる淫語をぶち抜け!!!簡単プレイのハイスピード言葉狩りアクションアドベンチャー。
※成年向けなので多分プレビュー表示されません、ごめん!
書いて字のごとく、キャラクターの会話に潜むえっちな言葉を見抜いて撃ち抜くだけ。
主人公はフェラーラ女学院の風紀委員の男子生徒(?)となり、3人の可愛い女の子と一緒に登場人物たちの会話に潜む"無意識的風紀違反"を取り締まることになります。
マウスとキーボードだけでプレイ可能、成人指定のスチルやシーンも一切なし、出てくるキャラのデザインも可愛く、ちょっと切ないシナリオ……いたって健全なゲームです。そのコンセプト以外は……
インパクト一発勝負のバカゲーですが、シナリオは結構ネタバレ厳禁な感じなので詳しくは書きません。というかこれ以上書けることもないんだワ……
可愛い女の子たちの会話から出てくるそこそこ下品で卑猥な単語に爆笑できてプレイ中に冷静にならずに最後まで貫き通す自信があるなら買ってみてもいいと思う。
あんまりやると日常生活に実害が出かねないので程々に。忠告に感謝せいよ〜。
狂気より愛をこめて
作品中に散りばめられた尖った癖と歪んだ愛が刺さる人にはぶっ刺さる、お値段異常の電波かつ王道な恋愛ADV。
破綻しているかと思いきや、個性的な4人+αのキャラクターでしっかりと彩られた1年の物語。
キャラクターたちと話が通じないながらもまっすぐな愛と絶妙なニュアンスでゴリゴリ進んでいくシナリオは、笑いあり驚きあり葛藤あり涙ありで満足度150%。
かわいくもちょっぴり(?)煽情的なイラストのサイケな色彩もその異様な世界観にばっちりハマっていて、題材や世界観から人は選ぶもののとてもバランスよく仕上がっている作品。
一番話が通じるのはウツボのマキシマム穴子先輩という奇怪な学園生活で主人公は誰と恋に落ちるのか!?衝撃のラストに刮目せよ。
……というのはSteamのレビューからコピペしてきた上澄み。
狂気の底に隠されたとんでもないシナリオに情緒をボッッッコボコにされました。
アオルタ先輩(異国言語の使い手)ルートをクリアした後多大な衝撃を受け、荒川修司、田村マシュマロ、佐伯祐介と全員の全ルートをぶっ続けて回収し、そして終わった。
なんか本当にもう助けてくれませんか?
あんまりこういうゲームやらないのでなんて言っていいかわからないけど、こういう恋愛ADVでやってみたいと思うこと全部やられた~!という感じ。
シナリオには言及しないけど、結果としてとても形容しづらいぐちゃっとしたものが心に残るゲームはいいゲームだという持論があるので、これは怪作でありめちゃくちゃ名作だと思う。
このゲームの魅力は恋愛という体でいろんな狂気を全身に浴びることができる点だと思います。
ゲーム自体の設定の狂気、キャラクターの狂気、世界観の狂気、その世界で暮らす主人公の狂気、そこに適応してプレイする自分と最後に叩きつけられる選択、狂ってるのはどっちなの〜!!
あとなぜか完全フルボイスなのが余計に情緒壊してくる……キャラクターに情が移ってずるい……
これ以上に言えることもないので締めますが、全体的なデザインとワードサラダと男性との恋愛ゲームとちょっとセンシティブなスチルに抵抗がない人はマジでプレイしてくださいと自信を持ってオススメできる一作。
荒川修司、好きだ。
というわけで、2023年にプレイしたゲームの総括でした。総じていろんなジャンルの良インディーゲームをしっかりプレイしたな~と思う。
ゲーム体験の7割方が狂気より愛をこめてに持っていかれてしまいました、おライジングに。
来年はリリース待ちのゲームも多いので、また楽しいゲーム探索ができたらいいな。
それでは、よいお年を~
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