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開運小天ライブラリー

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読書感想文のコーナー。
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#演劇

「役者は一日にしてならず」 風間杜夫編

「役者は一日にしてならず」 風間杜夫編

春日太一さんの著書「役者は一日にしてならず」の読書感想文を書いています。

この本は、何が親切かって、インタビューの順番が誕生日の早い順に並んでいること。
平幹二朗から始まって、15人目の風間杜夫の誕生年は、平幹二朗の誕生から約15年が経過している。
この15年間のあいだに、日本の世情も変遷し、映画や舞台の世界も世情に巻き込まれていた様子を、インタビュー冒頭から感じ取ることができた。

そして風間

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「役者は一日にしてならず」伊吹吾郎編

「役者は一日にしてならず」伊吹吾郎編

春日太一さんの著書「役者は一日にしてならず」の読書感想文を書いています。

見慣れている演者さんが代替わりすると、その違和感で拒否反応が出てしまう。
私は東野英治郎黄門様の大ファンだったため、西村晃黄門様に代替わりしたときひどいショックを受けた。
そのとき、東野英治郎黄門様と同時に、格さん役の大和田伸也が降板して、伊吹吾郎に代替わりしたのも大ショックで、今で言うなら【格さんロス】に陥っていた。

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「役者は一日にしてならず」綿引勝彦編

「役者は一日にしてならず」綿引勝彦編

春日太一さんの著書「役者は一日にしてならず」の読書感想文を書いています。

最初の1ページ目で泣かせられるとは思ってもみなかった。私にとっての綿引勝彦氏は、ほぼ鬼平の「大滝の五郎蔵」くらいだったので…とはいえ、もちろんあちこちでお見かけしていて凄い俳優さんだとはわかっていたけれども。どちらかといえば樫山文枝さんの旦那さんですよね?というイメージだった。

小中高と全力で打ち込んでいたスポーツを体の

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「役者は一日にしてならず」蟹江敬三編

「役者は一日にしてならず」蟹江敬三編

春日太一さんの著書「役者は一日にしてならず」の読書感想文を書いています。

そう。この世界は実行あるのみ。やりたいと思った事はその熱が冷めないうちにやらないと。この本を読破する。必ず。そして、その次の本の扉を開ける。

この本の中の、1944年生まれシリーズ。
前田吟、平泉成、杉良太郎、そして蟹江敬三。
あーこの顔ぶれが同い年なんだ〜と知れたのも、この本の感慨深いところだ。同じ芸能界で働いていても

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「役者は一日にしてならず」夏八木勲編

「役者は一日にしてならず」夏八木勲編

春日太一さんの著書「役者は一日にしてならず」を読んだ感想を書いています。

私の中での夏八木勲さんは、シブいおっちゃん、怒らせたら怖そう、というイメージで、真っ先に思い浮かんだのは刑事役。どこで見たのか、刑事さんだった気がします。こうして書くとなんだか印象薄そうですけど、とんでもない、夏八木勲と聞いてすぐ顔が目に浮かぶ。

インタビュー記事の冒頭を読み進めてゆくと、将来の確固たる目的もないままに、

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「役者は一日にしてならず」平幹二朗編

「役者は一日にしてならず」平幹二朗編

「自分の言葉で自分を語る事が怖いんです」

いやもう、この言葉だけでズシーーーンと心に響くものがありました。
自分の言葉で自分を語る事が怖い。
あぁわかるなぁ、そういう気持ちあるなぁ、と思いました。

内気な子供だったという平幹二朗さん、
俳優ではなく、映画監督になりたかったそうで。
でも映画監督を目指して入った養成所で活動するうちに舞台経験が増えて。

「どんな役でも一生懸命やらなければならない

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