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エッセイ: 『ペルソナ』というベルイマンの映画論、演劇論、神学論
『ペルソナ』は、映画評論におけるエレベスト級の最高峰。仮面(ペルソナ)を被って生きる人間、アニムス、現実性と非現実性、神と人類の関係に向き合い、そして映画とは何なのかを問う映画……。
スウェーデンの巨匠、イングマル・ベルイマンは、「神の沈黙」三部作の後、本業だった舞台監督に戻りますが心労を追い、長期入院していた際に、この『ペルソナ』を構想したという。ルター教の敬虔な家庭で育ちながらも、幼い頃か
マックス・ファクターのハリウッド
ハリウッドには、「ハリウッド・ミュージアム」というマイナーな博物館がある。ハリウッド大通りとハイランド・アベニューという絶好のロケーションにありながら、週末でも訪れる観光客は多くない。アメリカの古いアパートやホテルに良くある、かび臭いカーペットの匂いが漂っている4階建ての建物には、所狭しと11,000点にも及ぶ映画関連の陳列が行われている、映画好きにはちょっと気になる場所だ。
この建物がいつから
ハリウッド物語 ~ ハリウッドの始まりと名前の由来
1883年、カンザス州の靴職人から不動産業に転じて財をなしていた当時55歳のハーヴィ・ウィルコックス(Harvey Wilcox)と、2番目の妻である若干25歳のディードラ・ウィルコックス(Diedra Wilcox)が、ロサンゼルス行きの列車に乗った。生まれたばかりの息子が死んだこともあり、新天地で新しい生活をしようと考えたという。その旅の途中でディードラ夫人は別の搭乗者だった女性と仲良くなり、
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