映画史

ライトハウス(2018)

ライトハウス(2018)

前書き ひょんなことから仲良くしていただいている文芸学科三年の「ないつば先輩」と渋谷パルコwhite cine quintoにて本作を鑑賞して参りました。先輩は息を呑むほど耽美な純文学をお書きになっていて、以前より公開された作品を見るたび畏敬の念を抱いておりました。また先輩は小説だけでなく映画への造詣も深く、サイレント映画をはじめとする様々なテーマで熱く語り合った時間も非常に楽しかったです!  フレンドリーなだけでなく、なんと同じ大阪出身で、最寄駅も一駅隣(今までに会っ

5
映画には“文法”も規範的なスタイルもない

映画には“文法”も規範的なスタイルもない

 たぶん今でも少なからぬ映画ファン(特にオールド映画ファン)が錯覚していると思うので、しつこく強調しておきましょう。映画には文法などありません。規範的スタイルもありません。物語ることを通じて進化しつづけきた劇映画の標準的スタイルというべきものはありますが、その標準的スタイルは、現在では規範と呼べるほどの拘束力をもっていません。ましてや、自然言語の文法のように、それを守らなければ意味の通じる表現が不可能であるような厳密な規則など、あったためしがないのです。  この事実は、皮肉な

8
“作家の映画”と“作家のドラマ”について私が記事を書く2,3の理由

“作家の映画”と“作家のドラマ”について私が記事を書く2,3の理由

この記事はマガジンを購入した人だけが読めます

5
13:しんでぃ先輩の写真スタジオ

13:しんでぃ先輩の写真スタジオ

はじめに 今回は鑑賞した映画の分析ではなく、弊学写真学科のしんでぃ先輩のスタジオに伺った際に学んだことを復習がてらまとめることにした。先輩のスタジオでの体験は非常に刺激的なものであり、極めて学習の価値であったため、先輩には感謝しても仕切れない。まずはしんでぃ先輩、お忙しい中本当にありがとうございました!  キューブリックに憧れて購入した一眼レフも、このままでは単なる宝の持ち腐れになる所だった。勉強しろ!俺の馬鹿野郎!本記事にも間違いがあれば有識者の方々、是非とも訂正のほ

6
「裏を見る時にヒントになることは?」・・・視点を変えると見えてくるもの。

「裏を見る時にヒントになることは?」・・・視点を変えると見えてくるもの。

『世紀の対決。その裏側』 2019年公開の映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」の中に ちらりと広告看板が写っていた映画「トラ!トラ!トラ!」。 アメリカではヒットせず、日本では大ヒット。 子供だった私は、TVの映画劇場で前後編に分けて放送されるのをよく見ていた。 初めて「トラ!トラ!トラ!」を見た時、 誰もが知っている戦争でも、立場が違うと全く捉え方が違うという事を知った。 と同時に、映画も人によって見る所、好きな場面が違っていて、 子供心に「映画ってこん

25
映画監督が見るべき映画リスト 6-10

映画監督が見るべき映画リスト 6-10

では早速… 【No6】ジェームズ・スチュアート・ブラックトン『愉快な百面相』(1906)世界初のアニメーションと言われている作品です。映画監督としての教養として知っておくと良いでしょう。 【No7】D・W・グリフィス『イントレランス』(1916) グリフィスの映画は1本が長い上に、まだモンタージュ理論が確立される前の作品の為、現代人には鑑賞のハードルが高いです。が、とても重要なのでリストに入れる事にしました。 この映画の最大の特徴は『イントレランス/不寛容』をテーマとし

1
劇映画とデジタルビデオ革命

劇映画とデジタルビデオ革命

 この記事のタイトルを見て読んでみようと思った方の多くは、映画ファンを自認する人か、専門的に映画に携わった経験のある人、または今後映画の世界で仕事をしたい人だと推察します。そのような方には、映画の発明から100年以上のあいだ、ほとんどすべての劇映画(fiction film)がフィルムで撮影されていたことは改めて説明するまでもないでしょう。  さて、映画史に関してある程度以上の知識を持っている皆さんに、一つクイズを出します。  映画史上初めて、一つの連続的に撮影された映像(

120
映画監督が見るべき映画リスト 1-5

映画監督が見るべき映画リスト 1-5

さて、映画監督と映画評論家、映画ファンの映画を観る観点はずいぶん違うと思います。映画監督は感想ではなく、分析、豆知識よりも実践に役立つことを映画から吸収します。 映画史は歴史にすぎません。しかし、歴史を知ると、先人たちの偉大さはもちろんのこと、思考の発展のヒント、また自己の作風への造詣を養うことができます。ということで、これを観てれば、海外映画祭に行って、他の映画監督や映画ファンと話した時に恥をかかない!また、映画監督の作品の思考のヒントとなると思える映画をリスト化していき

7
1930年代のホラー映画とゾンビ映画の起源

1930年代のホラー映画とゾンビ映画の起源

1930年代初めのホラー映画とゾンビ映画の関係について、解説しています。

7
クロアチア映画史(1896-2000)

クロアチア映画史(1896-2000)

長らく間が空いてしまったが、第二弾はクロアチア映画史を紹介しようと思う。今回もハンガリー映画史と同じく、クロアチア映画の20世紀を振り返ってみよう。 ★映画の始まり、映画史の始まり 他の国と同様に、クロアチアにおける映画という新しいメディアの発展は、"活動写真"の初公開から始まった。クロアチアで初めて映画が上映されたのは、1896年10月8日のザグレブで、パリでの初公開からわずか10ヶ月後のことだった。しかし、このようにクロアチア映画の歴史は早くから始まったものの、世界の

22