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学生時代はバックパッカーで放浪、世界観・芸術を織り交ぜ、感性を澄まし探究。金融市場、I…

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学生時代はバックパッカーで放浪、世界観・芸術を織り交ぜ、感性を澄まし探究。金融市場、ITプロジェクトで世を忍んできました

マガジン

  • レイモンド・チャンドラー

    フリップ・マーロウのハードボイルドな生き様を味わいます

  • コーヒーブレイク

    ひと時の遊び心、閑話を入れます

最近の記事

  • 固定された記事

微かにスピリチュアルでフィナンシャルなNY紀行

1. 予知夢/リバーサイドパーク ニューヨークから日本へ帰国するビジネスクラスの機内で幾多の想いを振り返っている。時の流れは煌めくShooting star(流れ星)の様に瞬く間に過ぎ去り信じられない。25年ぶりの大学の同窓会であったクラスや学寮の仲間とも時空をあっという間に超えて再会したとしか思えなかった。その間、皆がそれぞれに数多の人生経験を重ねてきたはずなのにさっと風に流されてしまったかのようである。インターコンチネンタルホテルのスカイヴューラウンジで、スコッチウイ

    • THE SMITHS ジャケットアートの内観

      トップ画像は、The Smiths の名盤 Louder Than Bombs(1987Compilation Album)。私にとって懐かしいCDモデルは誰か、思えばインターネット以前1990年当時は容易に知り得なかったけど、ボーカルのモリッシーが敬愛するイギリスの劇作家 Shelagh Delaney (シェラ・デラニー)女史。モリッシーは同じマンチェスター近郊出身であるシェラの作品から、インスピレーションを得ていました。イギリス労働者階級の生活(Kitchen sink

      • THE SMITHS/Morrissey 崇高なる者

        大学時代から私は「The Smiths」の信奉者であり、マンチェスター生まれのそのけだるい旋律は、まるで天から降て来たようなに、心にハマり込んだ。モリッシーの耽美で憂鬱なボーカル、ジョニー・マー(ギター)、アンディ・ルーク(ベース)、マイク・ジョイス(ドラム)の奏でるメロディアスな音響に浸りながら四谷の寮生活を過ごしていた。バブルに踊る華やかなる時代、渋谷のHMV、Tower Record、六本木 Wave、新宿 Virgin Megastore辺りに入り浸ってのCD物色は、

        • サファイアの吟遊詩人

          「あなたは私に寄り添い、私はあなたに寄り添うためにともに来ました。 遠い彼方、蒼く輝くサファイアの星団から、はるばる千年の時空を超えて、惹かれあう波動が放たれていた。背中を付けて寝ていると暖かな温もりで、一体化しそうです。向こうの世界は、心の中がつつ抜けで、考えてることがすべてが通じ合うようでした。似たような精霊どうし、争いや嫌悪感なく、平穏な光に満ちている。しかし人間世界では、心の眼でみないと本当に大切な真理は見えないのです。ここに馴染めない不完全な二人は、酷く傷つけあいな

        • 固定された記事

        微かにスピリチュアルでフィナンシャルなNY紀行

        マガジン

        • レイモンド・チャンドラー
          6本
        • コーヒーブレイク
          7本

        記事

          「マルコの福音書」恩師神父の想い出

          私は無宗教ですが、カトリック系の高校でキリスト教への親近感を覚えました。その高校時代「宗教」の授業ご担当のK神父は、最も敬愛する先生です。ほほからあごまで髭を蓄えた中東地域のベドウィンを彷彿とさせる独特の風貌。それだけで、田舎町から市内の進学校に出てきたばかりの私の好奇心を掻き立てます。めずらしい「宗教」の講義といっても説教臭さは全くなく、朴訥な地方暮らしの若造には、奇抜で進取に富んだものでした。 1年生は聖書の中から「マルコの福音書」を読み、2年生はさまざまな社会問題から

          「マルコの福音書」恩師神父の想い出

          人事評定に滲む煩悩

          晩秋に少し真面目な人間観察。 「草間彌生」先生(前衛の女王)のトップ画像は、心の苦しさから身を守る水玉模様の儀式に肖って、本記事に纏わりつく俗念を払い捨てるため。 2012年 NY5番街「Louis Vuitton Maison」に出現したPop-up shop を回想。 企業の管理職なら、人事考課(Performance appraisal)を調整する評定者会議が終わった後に、後味の悪さを拭えない経験はないでしょうか。複眼で横ぐしを通す仕組みはとても有意義です(そうした制

          人事評定に滲む煩悩

          私的な映画史の振り返り

          残暑お見舞い申し上げます。 2023年史上最高の酷暑、長い晩夏に、芸術の秋が待ち遠しいですね。 自己流に映画の魅力を遡って、コンパクトに選抜してみました。 1. アンダルシアの犬 (Un Chien Andalou) 1928 年 【トップ画像】 シュールレアリズムの幻惑、実験的なアバンギャルド短編  監督ルイス・ブニュエル、サルバドール・ダリ 学生時代に荻窪のミニシアターでの衝撃の出会い 2. 恐るべき子供たち (Les Enfants Terribles) 1950年

          私的な映画史の振り返り

          【洋書遍歴】レイモンド・チャンドラー「プレイバック」

          「プレイバック」は、レイモンド・チャンドラー最後の長編、これまでの作品と比べて短く、200ページほど。フリップ・マーロウの情感が思いのほか溢れ出て、名翻訳者の清水俊二先生も、異質な匂いを感じる謎を秘めた作品と評しています。執筆直前に、最愛の妻シシーを亡くしてうつ病に襲われ、大量のウイスキーを飲み、自殺未遂までに傷心していました。 イギリスの小説家ガズオ・イシグロがチャンドラー作品を讃えた表現 「人間の孤独・徳義を見事に描き、メランコリックなジャズ・バラードにも似た美しさを備

          【洋書遍歴】レイモンド・チャンドラー「プレイバック」

          熱波、AI・エクスマキナ 怖い絵

          デジタル・SDGを標榜する私の勤務先では、ChatGPTの利用があっさり解禁されたが、アナログ保護者の私には行く末が思いやられる。Open AI社のCEOサム・アルトマン氏は、岸田首相と面会し日本は有望なマーケットだと期待を露わにした。欧州では規制する姿勢を尻目に、日本政府が前のめりなのは、アメリカのいわば属国市場で従順すぎるからにほかならない。 ChatGPTが開いたのはパンドラの箱だったりしないか、以下AIをテーマにしたトラウマ映画の2作品を今になって思い起こしている。

          熱波、AI・エクスマキナ 怖い絵

          英語の遊戯三昧

          水無月の夜、長年の英語との戯れから韻を踏む「いとおかし」な表現など、いくつか連想してみました。(Rhyming English Idioms) Okey -dokey オキドキ~、OK のカジュアルなスラングですね。イタリア系白人おばさんのジーナが、テンポよく使っていたのが印象的です。 「あいよ~」「よしきた」「ガッテン承知」と少し古臭い感じかも。 Super-duper これまた、韻を踏んでリズミカルに強調するイディオム。 ラブコメ小説・映画(2001年公開)の「Bri

          英語の遊戯三昧

          石油メジャー・シェブロンの酷い環境汚染と闘うスティーブ・ドンジガー氏

          米国石油メジャー・シェブロンが南米エクアドルで30年に亘り放置した甚大な環境破壊。現地に乗り込んで草の根活動を率いて環境犯罪を追及したスティーブ・ドンジンガー氏。2011年にアマゾン先住民らを代表し勝訴を勝ち取ったにも拘わらず、シェブロンの悪どい報復で法廷侮辱罪に問われ、昨年まで1,000日に及び拘束(自宅軟禁)される信じがたい事態。社会正義を体現すべき国家と司法の深い闇であり、アムネスティー・インターナショナル等の僅かな報道以外、日本には伝わってきません。 大企業に癒着す

          石油メジャー・シェブロンの酷い環境汚染と闘うスティーブ・ドンジガー氏

          英語の審美学

          長年、英語との戯れ合いを通じて私的に惹かれる言葉の綾。GWの拙い閑談 気軽に連想してみました。(Aesthetic English Words) Quintessenntial quint + essential の組み合わせで中世ラテン語(第5の元素)に由来する「完全な典型、真髄 (Perfect example)」という意味 Quintessentia English gentleman 典型的なイギリス紳士 Snazzy Stylish, attractive,

          英語の審美学

          神宮外苑伐採の利権、自然への冒瀆 

          故坂本龍一先生の悲痛な遺志さえも無視して突き進む小池都政の断末魔は、もはや唖然として言葉を失うばかりです。 これまで、大多数の人々が署名活動や要望書の提出を通じて、神宮外苑の再開発計画見直しを要請しているにもかかわらず、聞く耳をもたない姿勢は、行政として民意を無視した傲慢にほかなりません。 一見して環境問題に傾倒してきたかの知事の正体は、限りなくブラックで、開発事業者との蜜月の関係にあるのでしょう。 この大都会砂漠の真ん中でもたくましく育まれ、貴重なオアシスを形成する樹齢

          神宮外苑伐採の利権、自然への冒瀆 

          【洋書遍歴】チャンドラー:The Long Good-Byeへの陶酔 (後編)

          レイモンド・チャンドラーのハードボイルド最高傑作「 長いお別れ 」から、粋な台詞、流麗な文体、情緒・人物描写を紹介の最終編です。 清水俊二先生の名訳から引用。 アイリーン・ウェイドやリンダ・ローリングとの絶妙なる男女の駆け引き、 テリー・レノックスとの切ない再会、ストイックで気骨ある孤高の世界観が溢れてきます。

          【洋書遍歴】チャンドラー:The Long Good-Byeへの陶酔 (後編)

          【洋書遍歴】チャンドラー:The Long Good-Byeへの陶酔 (中編)

          レイモンド・チャンドラーのハードボイルド最高傑作「長いお別れ 」から、粋な台詞、流麗な文体、1940年代の社会、人物描写を紹介。 清水俊二先生の名訳から引用。 フリップ・マーロウシリーズでおなじみのバーニー・オールズ警部補の賢察に含蓄がこめられています。

          【洋書遍歴】チャンドラー:The Long Good-Byeへの陶酔 (中編)

          出会いの哲学

          大学時代、一般教養科目で「出会いの哲学」という講義があり、親友が取っていた。最後の授業は、近隣にある名門ホテルのスイートルームを貸し切り、夜通し議論の持ち寄りパーティ?らしく、そのイベント性に興味をそそられ、選択しておけばよかったと当時思ったりした。あれから、長が~い歳月を経たが、思い返すに「出会い」の神業を痛感する。 「出会う」といっても濃度は様々で、統計学によれば、僅かでも接点を持つ人は30,000人、学校や仕事で一緒になる人3,000人、ある程度親しく会話する人300

          出会いの哲学