johnny99

独り言。誰かの裏垢。

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記事一覧

共感力

僕はとにかく共感力の低い人間だ。相手の気持ちが分からない。 それでいて凄く繊細な人間だ。 自分が他人の気持ちに寄り添えないことはよく分かっている。その事実が呪い…

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2週間前
1

小川洋子 - 「薬指の標本」

君を一言で表すと、アンビバレントな人間。 生命力に満ち溢れた一面と、実存的空虚に覆われた一面という、非常にアンビバレントな感情の中で生きている。 相反する感情の…

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2か月前
5

ヴィクトール・フランクル - 「それでも人生にイエスと言う」

この本を受け取っても、すぐに読まないでください。 本棚にしまい、呼ばれるその日まで待ち続けてください。 私たち人間は本から選ばれる立場。 この本を必要としている…

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2か月前
2

エミリー・ディキンソン - 「わたしは誰でもない」

エミリー・ディキンソン。最も有名で無名な詩人。 アメリカを代表する詩人である彼女が評価されたのは死後。家族が膨大な詩を発見してからだ。 保守的な田舎町で自室に篭…

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2か月前
4

カートへ

カート。27歳になったよ。 最近、君に呼ばれている気がする。「The 27 Clubに入らないか?」って。 だけど僕はしがない物書き。参加できるかな? 君が27まで生きたから…

johnny99
2か月前

ずっと見ていたあの夢

子どもの時から何度も見る夢がある。 雲ひとつない晴天の下、バルコニーで右手に拳銃を持ち、銃口を自らのこめかみに押し付ける。 人差し指でトリガーを引き、その場に崩…

johnny99
2か月前

ヴィヴィアン・マイヤー

ヴィヴィアン・マイヤー 謎のアマチュア写真家 1926年にニューヨークで生まれ、2009年にシカゴで幕を下ろした彼女の人生は、謎に包まれている。 友人は少なく結婚もせず…

johnny99
3か月前
2

それでも生きる

2023年はたくさんの辛い出来事があった。 2月のトルコ・シリア地震で、友人を25人失った。 9月のモロッコの地震で、以前ボランティアしていた村が被災した。 10月のパレ…

johnny99
4か月前

パレスチナとイスラエルに寄付した話

日本赤十字のイスラエル・ガザ人道危機救援金に20万円を寄付しました。 学生の時に、イスラエル・パレスチナを2回訪れ、双方にたくさんの友人とかけがえのない思い出があ…

johnny99
5か月前
1

砂漠

砂漠は孤独だ。 人も動物も植物も。この世のあらゆる生命を寄せつけない。 周囲の環境に迎合することも、他者への忖度も存在しない。 生命の営みを根源から破壊し、静寂…

johnny99
5か月前
1

躁とうつ、いわゆる双極性障害について

双極性障害。またの名を躁うつ病。 ハイテンションで活動的な躁状態と、憂うつで無気力なうつ状態を繰り返す病気。 双極性障害はうつ病の一種と誤解されがちだが、実は異…

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11か月前
3

みんな、死んでしまった

赤毛の彼女ガジアンテップ。そこには私にとっての全てがあった。 今から7年前、初めてその街を訪れた。なんの特徴もないトルコの地方都市。なぜ訪れたのかも覚えていない…

johnny99
11か月前
5

睡眠と不眠

のび太の特技は睡眠。0.93秒で眠りにつく。 のび太だけではない。人間の3大欲求である睡眠は、誰もが無意識にできる。 そんな睡眠が私にとっては一番難しい。 眠りにつ…

johnny99
11か月前
2

共感力

僕はとにかく共感力の低い人間だ。相手の気持ちが分からない。

それでいて凄く繊細な人間だ。

自分が他人の気持ちに寄り添えないことはよく分かっている。その事実が呪いのように僕の心を締めつける。

だけど信じて欲しいんだ。みんなのことをすごく愛している。深く感謝もしている。みんなの悩みに寄り添い、心に向き合いたいと本気で思っている。

ただ僕にとって他人の感情とは、磨りガラスの向こう側の世界。なんと

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小川洋子 - 「薬指の標本」

君を一言で表すと、アンビバレントな人間。

生命力に満ち溢れた一面と、実存的空虚に覆われた一面という、非常にアンビバレントな感情の中で生きている。

相反する感情の波の中で正気を保ち続けることは、とても辛く、想像を絶するほど困難なこと。

だけどそんな状況でも君は必死に舵を取り、船を正しい方向へ導こうとする。

まるで風の中のキャンドルのように、嵐が吹き荒れても、雨に打たれても、陽が沈んでも、その

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ヴィクトール・フランクル - 「それでも人生にイエスと言う」

この本を受け取っても、すぐに読まないでください。

本棚にしまい、呼ばれるその日まで待ち続けてください。

私たち人間は本から選ばれる立場。

この本を必要としている人間か。この本に値する人間か。

本は常に私たちの人生を俯瞰し、タイミングを見て、必要な言葉を語りかけてくれます。

人生も同じです。

ヴィクトル・フランクルは著書で、「私たち人間は、人生に対し生きる意味を問う側ではなく、人生から問

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エミリー・ディキンソン - 「わたしは誰でもない」

エミリー・ディキンソン。最も有名で無名な詩人。

アメリカを代表する詩人である彼女が評価されたのは死後。家族が膨大な詩を発見してからだ。

保守的な田舎町で自室に篭り、孤独の中で彼女は詩を詠い続けた。

しかし不思議と彼女の詩からは陰湿な狂気を感じない。

むしろまるで、サウンド・オブ・ミュージックのオープニングのように、アルプスの山々に囲まれた緑の大地の上で、詩を詠む彼女の姿が眼に浮かぶ。

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カートへ

カート。27歳になったよ。

最近、君に呼ばれている気がする。「The 27 Clubに入らないか?」って。

だけど僕はしがない物書き。参加できるかな?

君が27まで生きたから、僕も同じ景色を見るために生きてきた。

君って存在、君の音楽が僕の支えだった。

Lithiumを初めて聴いた時、僕が毎日苦しめられている躁と鬱の双極性を、こんなにも美しく表現していることに感嘆させられたよ。

どうし

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ずっと見ていたあの夢

子どもの時から何度も見る夢がある。

雲ひとつない晴天の下、バルコニーで右手に拳銃を持ち、銃口を自らのこめかみに押し付ける。

人差し指でトリガーを引き、その場に崩れ落ちると同時に、画面がブラックアウトする。

怖い夢だ。

だけど心の奥底では、少し興奮している。憧れているんだ、この夢に。

今でもはっきりと覚えている。この夢を見始めた日を。

小学三年の夏休み。確か夏休みもあと一週間で終わるくら

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ヴィヴィアン・マイヤー

ヴィヴィアン・マイヤー 謎のアマチュア写真家

1926年にニューヨークで生まれ、2009年にシカゴで幕を下ろした彼女の人生は、謎に包まれている。

友人は少なく結婚もせず、40年間ベビーシッターとして慎ましく暮らしていた。

「どこにでもいる、誰でもない誰か。」彼女の一生を聞いた時、最初に私が感じた印象だ。

しかし彼女にはカメラがあった。

二眼レフカメラを片手に街へ飛び出すと、彼女はヴィヴィ

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それでも生きる

2023年はたくさんの辛い出来事があった。

2月のトルコ・シリア地震で、友人を25人失った。

9月のモロッコの地震で、以前ボランティアしていた村が被災した。

10月のパレスチナとイスラエルの衝突で、友人たちが殺し合い、罪のない人々が命を落とす、憎悪に満ちた救いのない世界を見た。

何度も思考が揺れ、感情がどよめき、心が崩れ落ちそうになった。

奈落の闇が私を誘う。虚無が全身にまとわりつく。人

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パレスチナとイスラエルに寄付した話

パレスチナとイスラエルに寄付した話

日本赤十字のイスラエル・ガザ人道危機救援金に20万円を寄付しました。

学生の時に、イスラエル・パレスチナを2回訪れ、双方にたくさんの友人とかけがえのない思い出があります。

個人的に、イスラエルは世界で一番ヒッチハイクの難易度が易しい国でした。快く多くの人が目的地まで送ってくれます。車中で、言葉が通じる通じない関係なく、お互いのことを知ろうと心を開き歩み寄る姿に、ヒューマニズムの真髄を感じました

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砂漠

砂漠

砂漠は孤独だ。

人も動物も植物も。この世のあらゆる生命を寄せつけない。

周囲の環境に迎合することも、他者への忖度も存在しない。

生命の営みを根源から破壊し、静寂に包まれた砂の世界を作り上げる。

砂漠は虚無だ。

絶対的価値は存在せず、何も生み出さない。

砂漠で動いているのは太陽だけ。東から昇り、西へ沈む。365日ただ漠然とその繰り返し。

自ら作り出した孤独の世界で、虚無に包まれた日々を

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躁とうつ、いわゆる双極性障害について

双極性障害。またの名を躁うつ病。
ハイテンションで活動的な躁状態と、憂うつで無気力なうつ状態を繰り返す病気。

双極性障害はうつ病の一種と誤解されがちだが、実は異なる病気であり治療法や処方される薬も違う。

また、双極性障害は「心の病気」と考えられていたが、近年では「脳の病気」であるという報告(前部帯状回の体積減少など)があがっている。

日本での双極性障害の生涯有病率は、500人に1人と言われて

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みんな、死んでしまった

赤毛の彼女ガジアンテップ。そこには私にとっての全てがあった。

今から7年前、初めてその街を訪れた。なんの特徴もないトルコの地方都市。なぜ訪れたのかも覚えていない。1泊だけして別の街へ移る予定だった。

しかし偶然入ったカフェで、ある女性と出逢った。赤毛に青い瞳の彼女。イスラーム色が濃い街において、赤毛を惜しみなく露出させる彼女は、異色の存在だった。

彼女と目が合い、自然と会話が生まれた。保守的

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睡眠と不眠

のび太の特技は睡眠。0.93秒で眠りにつく。

のび太だけではない。人間の3大欲求である睡眠は、誰もが無意識にできる。

そんな睡眠が私にとっては一番難しい。

眠りにつくまでに85時間かかった経験がある。

その時は躁状態で一睡もせずに活発に動き回っていた。85時間起きていても全く眠気がなかったので、死ぬまで起きていられると感じたその矢先に、眠ってしまった実際には、気絶したが正しい表現かもしれな

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