共感力

僕はとにかく共感力の低い人間だ。相手の気持ちが分からない。

それでいて凄く繊細な人間だ。

自分が他人の気持ちに寄り添えないことはよく分かっている。その事実が呪いのように僕の心を締めつける。

だけど信じて欲しいんだ。みんなのことをすごく愛している。深く感謝もしている。みんなの悩みに寄り添い、心に向き合いたいと本気で思っている。

ただ僕にとって他人の感情とは、磨りガラスの向こう側の世界。なんとなくの色や形は分かるけど、結局それは何も分かってないのと同じ。

大切な部品が欠けてしまっている。まるで、絞りのないカメラみたいなものさ。

無愛想でリアリストな嫌な奴。そんな風に思われているのが、堪らないくらい悔しい。

みんなにとっては道端の小さな水溜りを飛び越えるくらいのことなんだろう。

だけどいつか僕はこの問題を苦にして死ぬだろう。

理解できないと言われるかもしれないが、人が自ら死を選ぶ理由は、いつだって他人から見れば取るに足らない理由なんだ。

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