燃え尽きた線香花火
こないだ医者に言われた「今のあなたは考えすぎている。子どもの時はもっと直感的に感性で生きていたでしょ」と。
自分でも分かっている。あの頃の僕は、情熱と希望に満ち溢れ、物事を正面から直視し、他人の感情を真っ直ぐに受け止めれる人間だった。
だけど今の僕は、燃え尽きた線香花火。
もう二度と、子どもの頃に持っていた熱意を取り戻すことはできない。
いつからかは分からない。だけどいつしか直感は失われ、愛していたあの感覚たちは僕のもとから去っていた。
多分僕は、あまりに繊細で生真面目すぎるんだ。
「まあいっか」と思えたら、どれだけ幸せだっただろう。
だけどそうは思えない。だからきっと明日も、自分では到底手に負えない問題について、考え、悩み、苦しむんだろう。
そして、自らの思考によって死地に赴くことになるだろう。
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