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ごはんをたべるようにことばをつづる

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365日つれづれなるままに。 ぺったんぺったん、言葉をついて、 おもちみたいに美味しいものが出来たらいいな。
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#エッセイ

知らない人のお家で、メキシコ人にアイスをご馳走して貰った話。

知らない人のお家で、メキシコ人にアイスをご馳走して貰った話。

旅に行くと、だいたい面白い事件が起こるタイプだ。自負している。

起こる事件は多種多様。やっぱり一番お気に入りの話は、シャルウィーダンス?と夢のような誘い文句を受けたかと思いきや、1時間レッスンまがいのスパルタ教育を受けた。汗だくで足パンパンになったサンフランシスコのサルサイベント。今でも忘れない。

つい先日、旅というほどでもないが、
大阪のとある街へ訪れた。
(旅という行為を、知らない土地へ行

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バイキングでデザートは最後に食べたいタイプだった。

バイキングでデザートは最後に食べたいタイプだった。


「気分で。」と答える人が苦手だった。

先が見えない感じ、決めたがらない優柔不断な感じ、
そういう自分や相手に対して無責任な言葉に聞こえて仕方なかった。

例えばご飯。

朝は朝ごはんを食べたいし、
昼は昼ごはんを食べたい、
もちろん夜には夜ごはんを食べたい。

バイキングに行って途中でデザートを食べた後に締めのパスタを食べるなんて人間じゃないと思っていたし(言い方よ)、飲食店に行ってわざわざ塩

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チューハイに残った氷を食べたいと言えた記念日。

チューハイに残った氷を食べたいと言えた記念日。

「こちらのグラス、お下げしましょうか?」
店員さんがこちらを見て言う。

「あ、いえ、氷食べるので。すみません。」
口を次いで出た言葉に、私は驚いた。
普段なら言わない、と言うか、今までなら絶対に言わないようなことだった。

なにかと誰かの好意はしっかり受け取らないと、と思うタチなので、お飲み物いかがですか?と聞かれると、あっじゃあ生ビールで、とか言ってしまうのだ。要らないのに。

そんな私が、

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最後に損するタイプと言われたら、喜んだ方がいい。

最後に損するタイプと言われたら、喜んだ方がいい。

「お人よしだから、最後に損するタイプだよね」

あるお酒の席で、まだ関わりの浅い先輩に言われた。多分相手は何の気無しに、放った言葉だと思う。

だからこそ余計に、傷つく。
無意識のうちに生まれる言葉ほど、
無常にも人を鋭くつく。

我がガラスのハートは、
ことごとく破け散った。

で、そこから、考えていた。
私という人間は、
どんなふうに彼には見えていたのか。

自分の意見を強く言えない
頼まれた

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カフェオレの湖畔に佇んだとき、創造をみた。

カフェオレの湖畔に佇んだとき、創造をみた。

とんでもないイリュージョンがはじまった、
この店には魔法使いがいるー

私は東京出張がてら、1日だけ自分の好きな場所をめぐる甘やかしご褒美デーを敢行した。

その中で訪れたのが、喫茶トリコロール。
銀座の街に堂々たる店構えでひっそりと佇む、老舗の喫茶店だ。

ミルクとコーヒー、どちらの割合を多くされますか?半分ですか?

なんなんだ?どれが正解なのだ?
つまんない女となり腐ったわたしは、じゃあ半分

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迷惑をかけないで生きることなんて、だれも出来ないから。

迷惑をかけないで生きることなんて、だれも出来ないから。

エッセイストになりたい。
つべこべ言わず、ネタがないから、とか、
時間がないから、とか。

やらない理由を鼻息荒く探しては「とったどー!」と雄叫びを上げる、弱っちい自分とはオサラバする。

なんでもいいからかく。
見て、感じて、考えて、つなげて、緩めて、解いて、かく。

オールナイトニッポンをたまたまYOUTUBEで何気なく聴くことがあった。
ああこれができたら私は人生がもっとたのしくなるのか…も

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ごきげんな私を迎えにいけるのは、どうやら、この私しかいないのだ。

ごきげんな私を迎えにいけるのは、どうやら、この私しかいないのだ。

わたしは、ごきげんでいることが苦手だ。
どうも、何かに焦っていたり、不安を抱えていたり、
考え込んでしまったりと、いささか落ち着きがない。

なので、最近は深呼吸をじっくりすることを実践している。
会社で、電車で、電話の後、PCの前。

「今心がざわざわしているな」と少しでも思ったら、だ。

で、そんな私にも、
自然とごきげんでいられるときがある。

意識してではなく、
自然とごきげんでいられると

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夏と秋の間に、

夏と秋の間に、

夏と秋の間に、
忘れきれなかった思い出の匂いが
強烈に立ち込める

全てを捨てた、あの夏は、
わたしを変えた、あの夏は、

肌を撫でる涼しい風が切ない、
だなんて思ってる、
センチメンタルなワタシが、
まだここに居てしまったとサイレンが鳴り
溢れ出す人生への敗北感

でも、そんな、ワタシで、
居たいとも願うばかりです

負けてやるよ、そんなもん

羽としてのことば、それを持たない私

羽としてのことば、それを持たない私

たった6畳半ほどの書店が、
どう見ても彼らにとって、根を張った「居場所」となっていた。

深夜ドラマを見ているかの如く、
気さくで誰にでもフラットに接する30代前半くらいの女店主を中心に繰り広げられる会話に耳を澄ます。

そこにいたのは4人の男性だった。ぱっと見、店主のファンだと思われる人が1名、友人が1名、その連れが1名、どうやら学生でありながら詩人が1名。どうやら彼は、最近Twitterでバズ

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忘れ物もしたけど、見つけた物もあるよ

忘れ物もしたけど、見つけた物もあるよ

忘れ物もしたけど 見つけた物もあるよ
無駄な時なんて 一日もないさ
出会えた人たち 言葉をありがとう
名もなき人たち 風景をありがとう
ハナレグミ/1日の終わりに

最近は、低気圧でもっぱら機嫌も体調もあまり良くなく、自分でご機嫌をとるのに必死です。

そんな中で、ハナレグミのこの曲に出会いました。

忘れ物もしたけど 見つけた物もあるよ

わたしはADHDのグレーなので、
ありえんくらいの忘れ物

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死にかけのお父さん役を演じた私は、最高にかわいくて、かっこよかったんだ。

死にかけのお父さん役を演じた私は、最高にかわいくて、かっこよかったんだ。

6月は父の日だった。
(すっかり7月に入ってしまったけれど)

日本でよくある、商機を醸成するための、
かこつけた○○の日。

私たちは従順に純粋に、
その日をきっかけにプレゼントを贈り合い、
感謝を述べ合う。

踊らされていると言われれば、
それまでなのだが、私は嫌いでもない。

きっかけのひとつにはなるし、
それで誰かがハッピーになるなら、
いいお金の使い方にもなる。

今年はゴルフ好きな父に

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ささやかな冒険、はじめます。

ささやかな冒険、はじめます。

オリジナル肩書きを100人分つくる。

これは、わたしのささやかな冒険です。
なぜ、この冒険をしようと決意したのか。
ここに記しておきます。

忘れないために。

中途半端な自分とおさらばしたかった。わたしは、中途半端な自分が嫌いだ。
中途半端な自分なんてくそったれと思いながら、
色んな事に挑戦してみては、如何せん続かない。
途中で飽きてしまう。

その原因を探ってみると、
「自分

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君がいないことは君がいることだな

どうしようもないくらい美しい言葉に触れた時、
好きな人とすれ違った時のように、ふっと体温が1℃くらい上がる。

そんな時に感じる感情、つまり「もう二度と訪れない刹那」を
押し花のようにぎゅっととどめて、いつでも心に携えておきたい。

野に咲くことばメンバーとして、勝手に始めます。(笑)
押し言葉、第一段。

君がいないことは君がいることだな
サニーデイサービス/桜 superlove

いる、と、

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母も人間だと気付いた、あの日から。

母も人間だと気付いた、あの日から。

わたしの母は、つよい。
控えめに言っても、つよい。

そう感じたのは、本当に最近になってからだ。

父は私が中学生から大学生の間まで、
ずっと東京で単身赴任の身だった。
帰ってくるのは月に3〜4日くらい。

つまり、私の幼少期から思春期の想い出は、
ほとんど母とともにある。

幼少期は子どもながらに母を笑わせたくて、ずっと変な顔をしたり、変な芸をしたりしていた。(おかげでおもしろいことが好きに

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