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水風船の数式。

町内会の「納涼祭」でヨーヨー釣り担当になった いなつち☆稲田智 です。


1. 科学の力を信じてる

科学の力を信じてます。世の中のあらゆる現象は、数式で表せるのではないか?

ヨーヨー釣り担当の私は、水風船作るの超絶だるいけど、これも数式でうまいこと解決できるんじゃないか?

と、共同作業者の小林さん(仮名)を巻き込んで、謎の期待を数式に賭けてみることにしました。


2. あと何時間で終わるか?

とりあえずヨーヨー釣り担当は、水風船をいっぱい作らないといけないです。

しかも、もうお祭りスタートの2時間前です。100個ぐらい用意しないとダメみたいです。間に合うんでしょうか?


鈴木ラテックス社の「らくらくヨーヨーセット」てのを使います。水風船だけでなく、各種ツールも最初から付いてて楽そうです↓


とりあえず、水風船を1個作るのに何秒かかるかを測定できれば間に合うかわかりそうです。

(1)準備

バケツに水をくみ、水風船、らくらくポンプ、クリップ、パッチン台を設置。

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準備に約10分(600秒)かかりました。


(2)測定

測定していきます。

①クリップをパッチン台にのせる

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②らくらくポンプに水を入れる

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③水風船にらくらくポンプで水と空気を入れる

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④ゴムをぐるぐる回す

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⑤パッチン!

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⑥完成!

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測定結果は

85.57秒(1分25秒57)

1個作るのに1分半。

気が遠くなるのを感じます。

単純計算で100個作るのに2.4時間。
お祭りスタートまであと1.8時間。

信じてたはずの科学に、厳しい現実を突きつけられました。

何回か練習して秒数安定させないと、正確な予測ができません。

そこで、修行僧のように厳かに練習と測定を繰り返します。

2回目:70.76秒

3回目:47.61秒

4回目:44.44秒

5回目:36.15秒

6回目:37.94秒


(3)測定7回目

30秒に近づけるか?

プシュプシュ、ぐるぐる、無為な時を過ごしていると


突如、納涼祭のリーダーが見回りにきました。

「どう?調子は。え?ヨーヨーまだこれだけ?作るの難しいの?ストップウォッチで時間測ってんの?すごいねそれ。工場のラインみたいだね。そんで?結局間に合いそう?もう時間ないよ。お昼も食べないと。弁当用意してあるから。なんならビールもあるよ。指痛いの?ヨーヨー以外の準備は終わってんの?あ、適度に休んでね。」



無駄話


そうっすねーと適当に相づちうちつつ出した結果は

7回目:53.12秒

いや、リーダー!

なんか疲れがドッと出てきたし、めんどくさくなってきたので、弁当とビールで休むことにしました。

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うまいなー京樽とスーパードライ。

バクバク!グビグビ!ダイソン以上に食う、育ち盛りかよっ。

もう科学に見放された感じもするし、ヨーヨー釣りはあきらめて、ツイッターで納涼祭の宣伝でもしてみます。


みんなたくさん来てくれるといいなー

まぁ来てもヨーヨー釣りできないけどねー(笑)

ただただ準備不足...


(4)収束へ

8回目:33.91秒!

邪魔された53.12秒は無視し、直近3回は、

36.15秒
37.94秒
33.91秒

もう数学的に収束していると言ってよいでしょう。

そして3回の平均値は

36秒

これが収束状態で水風船1個作るのにかかる時間です。


3. あと何時間で終わるか?の数式

このままでは何読まされたんだ感がスゴいので、数式作って一般化してみます。

水風船1個あたりの作成時間が36秒と判明しましたが、これに必要数掛けて手放しで喜ぶのは、無邪気すぎるんじゃなかろうか?機械人間みたいに動けないし、と疑問がわいてきました。

こんなとき、より最適解にするにはIE(Industrial Engineering)の工程管理の考え方が有効ってことを昔先生に聞いたことがあります。水風船に限らず、あらゆる作業に応用できるみたいです。

標準時間:標準の人がその工程で製品を生産する時間 を決めます。

作業標準時間」と「準備標準時間」があり、作業標準時間には実際の作業を行う「正味作業時間」以外に「余裕時間」が必要です。

やっぱ人生には余裕が必要だよね。温泉とかにも行きたいし。


で今回の数字を当てはめてみるとこんな感じ↓

◼️作業標準時間
  正味作業時間=41秒
 ・主作業時間=水風船作成 36秒
 ・付随作業=クリップ取付準備等 5秒

  余裕時間=作業標準時間全体の19%
 ・作業余裕=工具取替等 3%
 ・職場余裕=リーダーとの連絡等 3%
 ・用達余裕=トイレ等 3%
 ・疲れ余裕=休憩。軽作業の場合 10%

◼️準備標準時間
 ・準備正味時間=全体の準備 600秒
 ・準備余裕時間=60秒

◼️非作業
 ・怠け等=怠けてないから 0秒!


n個の水風船を作るのにかかる時間を調べる数式は以下のように作れます。

所要時間t[秒]=(41*n)*1.19+660


たとえば100個の水風船を作る場合

t=41*100*1.19+660
  =5539[秒]
  =92.3[分]


式に改良を加え、作業者m人という変数を与えてみます。m人で割って時間短縮します。

所要時間t[秒]=(41*n)*1.19/m+660


たとえば100個を作業者2人で作ると

t=41*100*1.19/2+660
  =3099.5[秒]
  =51.7[分]


51.7分?

納涼祭スタートまで残り1時間...


これ、間に合うんじゃね?


小林さん!手伝って!道具2セットあるから!





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数式に

救われました。





おわり。

※参考文献

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