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創作物

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思いを込めた、思いつきでできた、小説や詩などが連なっています。
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2019年11月の記事一覧

夜明けのひとりごと

脳ベルSHOWが僕を迎えてしまった。
今日こそは、”早起きする”って決めたのになぁ。
夢の中に行けば、少しは楽になるけど、
明日が来る。やっぱり辛くて行けないや。

仕事もしたくない、誰かも傷つけたくない。
夜になる頃に、自分をまた責めたくない。

布団の中で、もがき苦しむ朝日どき。

わがままばっかりかもしれないけど、これが僕だったりして。
誰も知らんけど、僕も言わんけど、確かに僕だったりする。

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ちょっと変な結婚式

ちょっと変な結婚式

「それでは、新婦の入場です!」

啓太の声でドアノブのついた扉が開き、私は啓太の元へゆっくりと歩いた。

「新婦の薫さん、すごくきれいですね。見れば見るほどうっとりしてしまう、そんな美貌を持ち合わせています」

啓太は扉のすぐ近くで私を迎え、会場を盛り上げるための言葉を連発している。自分の恋人に向かってそう言われるのはとても恥ずかしい。いや、この人が自分の旦那だと思うと、すごく嬉しくなった。

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隣のナナコさん(後編)

隣のナナコさん(後編)

ここで、一つ問題があることに気づいた。俺はナナコさんを、どう呼べばいいんだ? これまでにナナコさんの名前を、本人に向かって呼んだことがない俺が、どう呼ぶのが正解なんだ? ナナコ、ナナコさま、ナナちゃん、ナナコさん。君にいろんな呼び方があることは知っている。しかし、自分にちょうどいい加減の呼び方は知らない。

「ナナコ。ナナコ」

俺の後ろで声が聞こえた。一瞬、体が反射的に震えたが、俺に対して話しか

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隣のナナコさん(前編)

隣のナナコさん(前編)

今、俺の右には女神がいる。女神の名前は相川奈々子さん。同い年だが、さん付けしたくなる。黒板を見ようと思えば、ナナコさんの横顔を見たいという気持ちと葛藤し、少なくとも4秒間は、その美しさに目を奪われてしまう。白い肌をベースに均整のとれたつぶらな瞳と高い鼻、少し外国人チックでもありながら、日本的なおしとやかさも兼ね備えている。チラチラと見れば見るほど、緊張感が増してくる。誰にも邪魔されずにナナコさんと

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履歴書王子様

履歴書王子様

あの人だって、この人だって、そんなにすごくない
だけど私なんか、もっともっと全然すごくない
あの人は、この人より、ちょっとだけすごい
だけど私だって、この人より、ちょっとだけすごい

なんでもない やつばかりの世の中
大人たちのわがままに流される
なんとなく生きていく 人生に
まだ知らない宝石があるのかな?

なんでなんで そんなもんで苦しんでるの?
あなたなんて、誰よりも良いとこばかり
だってだ

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世界一退屈な場所から

つまらないことを繰り返し、要らない言葉は許されない
命を奪われたとしても、別に構わないだろう
人間で生まれたはずの少年が、今、機械に変わる
生きていくために生きてる、どうせ損な人生
今日も僕は苦しかったし、明日からも苦しんでく
人の言うことだけを聞いて、また生きていく
不真面目に生きていくのなら、いつか誰かに見下される
どうせすぐに死なないなら、傷つきたくない

僕だって、いつも頑張ったんだ。だれ

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