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今更聞けないPOF法。理論に基づいた筋トレメニューの組み方!

皆さん、筋トレのトレーニングメニューを組むときはどのように考えていますか?

例えば、胸のトレーニングと一言で言っても
・ベンチプレス
・ダンベルプレス
・ダンベルフライ
・ダンベルプルオーバー
・マシンチェストプレス
・ケーブルフライ
・ペックフライ
といろいろありますよね。

これだけ種目があると、どの種目を優先してやれば効率よく筋肥大できるのか、よくわからない、、、となると思います。
トレーニングプランを考えるにあたって、どのように種目を決めていけばいいのでしょうか。

今回は、代表的なトレーニング方法である【POF法】についてお話します。
POF法のロジックに沿ってメニューを決めることで、迷わずに種目を選ぶことができるようになります。


●POF法とは?

POF法とは、アメリカの雑誌『Iron Man』のSteve Holman氏が提唱している方法で、世界的にもかなり有名なトレーニングテクニックとして知られています。

POFとは”Position of Flexionの略で、直訳すると「屈曲する位置」。
屈曲というと解剖学用語と混ざってわかりづらいと思うので、
要するに「筋肉に負荷がかかる位置」のことだと理解しておけば間違いないでしょう。

具体的にどのような方法かというと、
まず、負荷がかかる位置ごとにトレーニング種目を以下のような3種類に分類します。
そして、一つの部位に対して刺激の違う3種目でトレーニングメニューを組むというのが一般的なPOF法です。

1.ミッドレンジ種目
2.ストレッチ種目
3.コントラクト種目

それぞれについて解説していきます。


1.ミッドレンジ種目

動作の途中で最も負荷が高くなる種目です。
・神経系を向上させて筋力を伸ばす
・高重量によって筋肉に機械的刺激を与える
という特徴があります。

例えば、ベンチプレスで見てみましょう。

1-a.トップポジション

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1-b.ミドルポジション

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1-c.ボトムポジション(ストレッチポジション)

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この中で一番きついポジションはどこでしょうか?

1-aでは、肘が伸び切っているため大胸筋にそこまで負荷がかかっていません。
1-cでは、大胸筋は完全にはストレッチされていない上、バーベルが胸に乗っている分、大胸筋への負荷が減っています。

ということで、1-bが最もきついポジションでしょう。
ベンチプレスでいわゆる「潰れる」ときも、これ以上挙げられない!となるのはおそらく動作の途中ですよね。

ミッドレンジ種目は、他にもスクワットやバーベルカールなど。
基本的には高重量を扱える種目であると考えて差し支えないでしょう。

高重量を扱えるからこそ、トレーニングの最初に行うことを推奨します。


2.ストレッチ種目

その名の通り、ストレッチポジションで最も負荷がかかる種目です。
・筋肉が伸ばされる(ストレッチされる)ことによって物理的刺激を与える
・ストレッチ刺激によってIGF-1、特にMGFの分泌を促す
という特徴があります。

筋肉の作用は2つ、「縮む」「伸ばされる」
そのうち、「伸ばされる」ときのほうが筋肥大に効果的と言われています。
その刺激を狙うのがストレッチ種目です。

代表的なストレッチ種目は、ダンベルフライ。

上の動画のサムネにあるように、ダンベルフライは、ボトムポジションつまり大胸筋がストレッチされた状態で最も負荷がかかります
逆に、トップポジションでは重力の関係で大胸筋に負荷がほとんどかかっていません。

このような種目は、他にはシシースクワットやインクラインダンベルカールなど。
ミッドレンジ種目ほどではないものの、ある程度重量を扱えるため、高重量を扱ったあとの2種目めにストレッチ種目を採用するのが一般的です。


3.コントラクト種目

収縮時に最も負荷がかかる種目です。
・負荷を抜かないことで血流を制限し、筋肉に化学的な刺激を与える
・筋肉を使う感覚を養い、ポージングに活かす
という特徴があります。

コントラクト(contract)の訳は「契約」が一般的ですが、「収縮」という意味もあります。

代表的な種目は、ケーブルやマシンでのトレーニング。
胸でいうとケーブルクロスオーバーやペックフライ等。

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ベンチプレス等では肩甲骨を内転して(≒寄せて)いないといけませんが、ケーブルの場合、肩甲骨を外転させて(≒開いて)大胸筋を最後まで収縮し切ることができます。

他にも、レッグエクステンション、プリーチャーカールなどがコントラクト種目にあたります。


●POF法とは(再掲)

ここで復習しておくと、

1.ミッドレンジ種目
2.ストレッチ種目
3.コントラクト種目

この順番で、同じ部位に対してそれぞれの種目を行い、筋肉にいろいろな刺激を与えるのがPOF法です。

胸の種目だと
ベンチプレス→ダンベルフライ→ケーブルクロスオーバー

大腿四頭筋の種目だと
スクワット→シシースクワット→レッグエクステンション

上腕二頭筋の種目だと
バーベルカール→インクラインダンベルカール→プリーチャーカール

となります。

POF法は、トレーニングの基本指針を立てられるという点で基礎として抑えておくべきですが、いくつかの弱点もあります。
それらについて見ていきましょう。


●POF法の弱点①全身法と相性が悪い

POF法は、当然ながら一つの部位に対して3種目以上行うことが前提になっています。

しかし筆者が推奨している全身法では、一部位に対して一日に行う種目は1つか、多くても2つ。
ナチュラルが全身法を行う場合は、部位にもよりますが、BIG3などのミッドレンジ種目を高頻度で行うのが良いとされています。
これではPOF法は使えません。

しかし、POF法の肝は「刺激を変えること」。
週4回全身トレーニングするといっても、週4回スクワットとデッドリフトをしていたら腰が潰れてしまいます。
一部位に対して週4回のうち、ミッドレンジ2種目、ストレッチ1種目、コントラクト1種目などとすることで、刺激を毎回変えつつ、関節などの疲労もコントロールすることができます。

直接的にPOF法を使わなくても、理論を理解しておくことでこのような応用をすることができます。


●POF法の弱点②コントラクト種目がイマイチ

もう一つの弱点が、コントラクト種目で追い込んだかのような気持ちになってしまうこと。

・収縮時に負荷がかかるということで「効いてる感」がある
・血流が集まり、パンプしやすい

というのがコントラクト種目の特徴なのですが…
個人的にはミッドレンジ種目やストレッチ種目ほどの優先度はありません

筋肥大にはトレーニングボリュームが大事であり、軽い重量でネチネチとやるコントラクト種目ではボリュームが稼ぎづらいからです。
ですので、基本的にはミッドレンジ種目とストレッチ種目を行い、たまにコントラクト種目を行うという方針でいいでしょう。

そもそも、受け手によって解釈が変わるので「効いてる」という表現があまり好ましくないのかなと思います。
一般的には筋肉が収縮していることを「効いてる」と表現すると思うのですが…
筋電図が反応することと、筋肉を使っていることと、筋肥大はイコールではないと個人的には考えています。

しかし、ディロード(神経や関節に負担をかけずにするトレーニング)やポージングの質感を出す作業、またいつもと違った刺激が与えられるのがコントラクト種目の特徴ですので、選択肢の一つとして上手く活用していきましょう。


●まとめ

・ミッドレンジ→ストレッチ→コントラクトの3種類の種目を選ぼう
・理論を覚えておけばいくらでも応用できる
・そのままでは全身法には取り入れられないが、上手く使おう
・とにかくデカくしたいなら、コントラクト種目はたまにでいい


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