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何故ボディビルダーはマシントレーニングを好むのか?マシンVSフリーウエイト論争再び。

筋トレといえばジムでマシンを使って…というイメージがありますよね。
実はあれ、超デカいボディビルダーにしか意味がないんです。

誤解を恐れず言ってしまえば、初心者がマシントレーニングするのは、時間のムダ
初心者ほど、ダンベルやバーベルを使ったフリーウエイトでトレーニングをしましょう。

今回は、【マシンvsフリーウエイトでのトレーニングの特徴を比較】していこうと思います。


●マシントレーニングとフリーウエイト最大の違い

マシントレーニングとフリーウエイトにはどのような違いがあるのでしょうか。
まずは、マシンは軌道が決まっていて、フリーウエイトは軌道が決まっていないというのが最大の特徴になるかと思います。
この差によって、いろいろな効果の違いが出てきます。


1. フォーム取得の難易度が違う

マシントレーニング…フォーム習得が簡単
フリーウエイト…フォーム
習得が難しい

マシントレーニングでは軌道が決まっており、その軌道上を動かせばいいため、フォームを習得するのが比較的簡単です。
当然、マシントレーニングでも狙った筋肉により効かせるようにするためにはフォーム、姿勢、マッスルコントロール等が必要にはなってきますが…

一方フリーウエイトの場合、軌道が決まっていません。
ウエイトと自分の身体、そして重力の方向を考えて、目的の筋肉に負荷をかけるための最適なフォームを導き出さなければいけません。

これを聞くと、フリーウエイトよりもマシントレーニングをしたほうがいいじゃないか!と思われる方もいるかもしれませんが、筆者の考えは逆です。
フリーウエイトから逃げずに、しっかりと正しいフォームを身につけることが大切です。
どのようなトレーニングをしたらどこの筋肉に負荷がかかるのか、身体で覚えたほうが、結果的早く成長できるからです。

この点で、フリーウエイトに軍配が上がります。

それによって後々マシントレーニングの効率も上がっていくでしょう。
マシントレーニングをしているボディビルダーも、必ずフリーウエイトをやってきた過去があります。
逆に言えば、完全にマシントレーニングだけでデカくなったトレーニーを筆者は一人も知りません
どうせ通る道なのであれば、最初にクリアしておきましょう。


2. 身体に合ったトレーニングができるかどうかが違う

マシントレーニング…身体に合ったトレーニングができない
フリーウエイト…身体に合ったトレーニングができる

マシントレーニングはフォームが簡単なので誰にでもできると思われがちですが、筆者はこれにも反対です。
マシンは軌道だけでなくパーツの大きさや負荷の強さなどもまちまちで、それは万人に適応したものではありません

考えてもみてください。
身長150cmちょっとの女性と、180cmの男性では、身体のパーツの大きさは全然違いますよね?
また個々人によっても、腕が長かったり、骨盤が細かったり、いろいろな体型の人がいると思います。
それらの人が、全員同じマシンでトレーニングしていいのでしょうか

フリーウエイトであれば、個々人の骨格に合わせた最適なフォームで適切な負荷をかけることができます。
(肘が90度とか、大胸筋がストレッチされているとか。。。)

これらの点では、フリーウエイトに軍配が上がります。

またマシンによってディテールが異なるという特徴もあります。
同じ「チェストプレス」のマシンであっても、アームの長さ、ワイヤーの摩擦係数、滑車の数、マシン全体の劣化具合によって刺激が微妙に変わってきます。
刺激が変わること自体は筋肉にとって良いことなのですが、今自分が何kg挙げられるのか、きちんと進捗を管理するためにはあまり向いていません。

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3. ネガティブでの刺激が違う

マシントレーニング…ネガティブでの刺激が弱い
フリーウエイト…ネガティブでの刺激が強い

マシンでは、重量がワイヤーやてこによって吊られている状態になります。
重量を挙げる、すなわちポジティブ動作の際に、必ず摩擦がかかります。
摩擦がかかることによって、ポジティブ動作のときの重量が重くなります。

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逆に重量を降ろすとき、すなわちネガティブ動作の際には摩擦によってサポートされる形になるので、刺激が弱くなります。

ネガティブ動作はポジティブ動作よりも高強度の負荷を扱える特性から、筋肉へのダメージを高めることが可能であり、筋肥大に特に効果的なのはネガティブ刺激と言われています。

この点でも、ネガティブ刺激が弱いマシントレーニングは効率的とはいえません。


4. 稼働するモーターユニットの数が違う

マシントレーニング…稼働するモーターユニットの数が少ない
フリーウエイト…稼働するモーターユニットの数が多い

マシントレーニングでは軌道が決まっているため、バランスを取るための、「スタビライザー」と言われる筋肉が稼働しません。
一方フリーウエイトでは、軌道を安定させるためにより多くの筋肉が稼働します。

筋肉が動くときには、脳から神経を伝って命令が出されるのですが、一本の神経から繋がっている筋肉の数を「モーターユニット」と呼びます。
スタビライザーの筋肉が働くということは、モーターユニットの数を増やし、少ない神経でより多くの筋肉を稼働させることから、トレーニングの効率がいいということになります。

同じような動きをして、同じくらいきついのであれば、稼働する筋肉は多いほうがいいですよね。。
この点でも、フリーウエイトに軍配が上がります。


5. 扱える重量が違う

マシントレーニング…扱える重量が重い
フリーウエイト…扱える重量が軽い

マシントレーニングの場合、軌道が安定しており、スタビライザーを稼働させる必要がないため、一般的に重い重量が扱えます。

実際に、フルスクワットとマシンレッグプレス、ベンチプレスとスミスマシンベンチプレス等で比較してみるとわかると思いますが、マシンのほうが重量が挙がるはずです。
これを利用して、筋肉に物理的刺激を与えることができます。

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6. 怪我のリスクが違う

マシントレーニング…怪我のリスクが低い
フリーウエイト…怪我のリスクが高い

ボディビル界では、こんな逸話があります。
「45度レッグプレスマシンが出てきてから、ボディビルダーの脚のサイズが明らかに変わった」

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フリーウエイトであるバーベルのスクワットでは、垂直方向にかかるバーベルの重さを支えつつ、膝関節と股関節を曲げ伸ばしします。

普通の人ならまあいいのですが、高重量が扱えるトレーニーの場合、どんなにフォームに気をつけていても膝や腰などに負担がかかってしまいます。
99%正しいフォームでやっていても、残りの1%が何年も積み重なる勤続疲労によってガタが出てしまうのが骨や関節です。

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特に、関節や腱の強さよりも遥かに早いスピードで、なおかつ人間の生理的限界を超えて筋肉がついてしまうステロイドユーザーは、身体を痛めるリスクが大きいでしょう。

45度レッグプレスのようなマシントレーニングであれば、重量の全てを全身で受け止める必要がなく、鍛えたい部位だけに刺激を与えることができます。
超一流トレーニーが、超高重量で比較的安全に追い込めるマシントレーニングを好んで行うのはこのような理由があったのです。


7. 負荷のかかる位置が違う

マシントレーニング…動作の最中は常に負荷がかかる
フリーウエイト…動作の真ん中で最も強い負荷がかかる

マシントレーニングは、動作の間じゅうは常に一定の負荷がかかっている状態です。
一方、フリーウエイトは動作の途中で負荷が抜ける場面が出てきてしまいます。

例えばベンチプレス。
肘が完全に伸びているトップポジションでは、大胸筋に負荷はほとんどかかっていません
またサイドレイズでも、腕が下にある位置では三角筋中部に負荷がかかっていません。

重力は常に重りに対して垂直にかかっているため、その直線上の動きをしない限り、どうしても負荷が抜けてしまいます。
人間の身体は、関節を支点にした円運動が基本のため、これは避けられません。

(例:ベンチプレス)
①トップポジション

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②ボトムポジション

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①トップポジション
重力は赤矢印方向にかかっているが、大胸筋が収縮するのは黄色の矢印方向なので、大胸筋に負荷がほとんどかかっていない。

②ボトムポジション
赤矢印方向にかかっている重力に対抗するため、肘が開く。
すると、大胸筋に対して黄色の矢印方向にストレッチがかかる。

これを解消したのが、POF法
負荷がかかる位置が違う複数種目を組み合わせることで、いろいろな刺激を筋肉の与えてあげましょう。
POF法の記事でも説明したように、これらの種目に優劣はなく、使い分けることが重要です。


●まとめ

・あくまでフリーウエイトが基本。
・その上で、上級者はいろいろな理由があってマシンを使っている。


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