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生きる

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noterさんとほりべえの「生きる」を書いた記事を集めました。ほりべえのメモφ(..)
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#エッセイ

余白(誰も追い詰めない優しさ)

余白(誰も追い詰めない優しさ)

好きな文章を書く人がいる。その人の文章をなぜ好きなのかと自分に問いかけてみる。

『花に心を寄せ、鳥と会話し、風に目を閉じて、星を想う。そうして歩くこの道を、愛しいと思わずにはいられない。』(『春愁のうた』夕星みみさん)

美しい詩に触れると、いつか街の片隅で見かけた風景が浮かぶ。その風景に詩がぴたっとはまる

もうそれ以上ないような適合性で
やっと巡り会えた恋人同士のように

詩は風景に収まる

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花言葉を自分で決める

花言葉を自分で決める

記事を一部加筆修正しました(2022/10/23)

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花言葉を自分でつくろうと企んでいる今日この頃。

花言葉というのは昔から決まっているのだろうけれど
なんだか急に自分で新しく決めたくなったのです。

でもそもそも花言葉って
誰がどうやって決めたのでしょう?

その人自身に花にまつわる思い出があれば
その人が自分の好きなように決めてもいいのでは?
…なんて少し思いました。

例えば、う

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陰陽五行と五臓六腑の話/基本の解説

 小難しい理論を極限までシンプルに記します。

 東洋医学の理解には陰陽五行論が必須です。五臓六腑もコレに当てはめて解釈して、不調の原因を見極めて治療します。
 陰陽五行論とは、万物を「陰と陽」に分類する陰陽論と、万物を五属性に分類する五行論が融合したものです。図解しましょう。

 喩えば、木が増え過ぎると土が痩せます。火災のリスクも増えます。その土壌には水が溜まりやすくなり、ミネラルは減って鉱物

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【エッセイ】花の声 ――あるユリの最期の言葉

【エッセイ】花の声 ――あるユリの最期の言葉

 植物に心はあるのだろうか。
 そんな問いに、科学的根拠を示して明確に答えられる人は、まだいないだろう。
 今回の記事は、私が植物の心について考えさせられた、少し不思議な話だ。

 最近の病院では、複数人一緒の相部屋であっても、それぞれが1日中自分のベッド回りにカーテンを引いていて、相部屋の中に仕切られた個人的な空間が複数ある状態で、同室患者との交流もほとんどないものだ(ただし、病状の重い患者は、

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二号線

二号線

17時の夕陽が辺り一帯を鉛丹色に変えている。まるで空気に色がついているみたいで、手で空を切ったらべったり色が付くのでないかと思うほどだ。この色の空気?大気?が、どこまでこの色のままで届いているのか見てみたくなって、身体を左によじって窓に張り付いてみる。
見える限りの遠くは海の方角で、手前の大橋と島と、その遥か遠くに見える対岸っぽいシルエットの間に凪いだ海がある。建物で視界が抜ける、ふさがるを繰り返

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花と生きる

花と生きる

同じ頃、ふたりの華道の師匠さんが緩和ケア病棟に入院していました。

お一人はわたしより少し年上の60歳代、もうお一人はひとまわり年上、おふたりとも品と教養と知性、そして気概のある女性でした。

ある日、庭にあった花を持ちより、わたしが花瓶にさしているのを見ていた年配の女性、見るに見かねたのか、「代わりましょう」と手を出してきました。

その時は、まだ、彼女が華道をやっていると知らなかったのですが、

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