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歴史考察

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歴史について考察した記事をまとめています。
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2022年4月の記事一覧

卵、油、酢。さらに魚。そして米

卵、油、酢。さらに魚。そして米

地中海に「メノルカ島」という島があります。
スペインのバレアレス諸島州の島のひとつ。
フランスの南、スペインの東部のあたり。

古代には「石をうまく投げる人たち」を
たくさん輩出したということで、
カエサル(シーザー)の『ガリア戦記』
にもその記載がある島々の一つです。

さて十八世紀半ばのこと。
当時はイギリス領だったこの島を、
フランス軍が攻撃しました。
その際、島にある港町「マオン」を訪れた

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FFⅣとロマサガ、その自由度の差たるや

FFⅣとロマサガ、その自由度の差たるや

1991年から92年、二つのゲームが生まれました。
FFⅣ、ファイナルファンタジーⅣ、
1991年7月19日に発売。
ロマサガ、ロマンシング サ・ガ、
1992年1月28日に発売。

今回は、この二つのゲームの対比のお話から、
現代日本の様相の変化を探っていきます。

プレイしていない方のために、概略から簡単に。
FFⅣ、ロマサガ、いずれも
RPG、ロールプレイングゲームです。
ロール(役割)をプ

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迷い惑うのは善か悪か、それとも…

迷い惑うのは善か悪か、それとも…

「迷惑」という言葉について、考えます。

文字通りとらえれば、迷い惑う、ですね。
この言葉、主語は、何でしょうか?

「自分が」迷い惑うのならば、
「自分がおろおろしている」、
文字だけ見れば、そんな意味になります。

ですが、通常の会話においては、迷惑とは
「はみだして自転車を置いて、迷惑だね!」
「また迷惑メールが来ている。不愉快だ!」
「あの人、迷惑なのがわからないのかな?」
などというよう

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キャリアは世につれ、世は歌につれ

キャリアは世につれ、世は歌につれ

PUFFY(パフィー)の『これが私の生きる道』。
二枚目のシングル、1996年にリリース。
『アジアの純真』に続いて、大ヒットした歌。

…中年世代の方は、この曲を聞けば、
当時の記憶が蘇るほどの名曲の一つでは。
ええ、私も、蘇ります。いろいろと。
1997年のセンバツの入場行進曲になったほど
世の中に広まった歌です
(著作権の関連もあるので歌詞は載せませんが
よろしければ動画を…)↓

でもこの

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空気を読む人、読まぬ人

空気を読む人、読まぬ人

と言いたくなるような、空気を読まない人、
いますよね。組織には一人くらいは。
普段から気を遣って、空気を読んで、
滞りなく予定調和で
済まそうとしている人にとっては、
天敵というか、ムカッとする存在というか。

ただし「すべてのケース」において、
空気を読むからいい、
読まないから悪い、という単純な話では
ないのが、仕事や人生の難しいところで。

有名な話があります。

深刻な事故、重大インシデン

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ルールの来歴、サンタンゲンノエス

ルールの来歴、サンタンゲンノエス

三人称単数現在なら、動詞にsをつける。
いわゆる「三単現のs」です。
初学者の英文法学習における、一つの山。
謎ルール。

そのような問答を英語の先生と交わした方も
いるのではないでしょうか?

私も初めて学習した当時、
めっちゃ気になりました。

…だって、動詞にs(時にはes)ですよ?
つけてもつけなくてもいいじゃないですか。
でも、つけないと英語のテストで
×をつけられるから、頑張ってつけた

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未来から 現在を過去 として見る

未来から 現在を過去 として見る

思わず五七五で書いてしまいました。
過去~現在~未来と書くと、英文法みたい。
つい、そう思います。思い出します。

英文法を習い始めた昔のことを…。
『過去形』『現在形』『未来形』。
このあたりはまだ明確で良いのですが、
「時制」がエスカレートしていくあの頃。

『現在進行形』か、うん、今「している」のね。
『過去進行形』…その時「していた」んだな。
『現在完了形』?! ええっと、
過去から現在に

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時空間を超える英雄

時空間を超える英雄

フィクションの世界では、英雄は時空間を超えます。

『パリピ孔明』という漫画をご存知でしょうか。
「三国志演義」における「天才軍師」、
ご存知、諸葛孔明が、現代に異世界転生して
「パリピ(パーリーピーポー)」になるお話です。
シャンパンタワー対決とかやっています
(本筋は、ある歌手に天下を取らせるお話)↓

同じく『食の軍師』という漫画では、
孔明っぽい軍師を(脳内に妄想として)従えて、
主人公が

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置いてけぼりを喰らう組織

置いてけぼりを喰らう組織

情報のネットワーク、すなわち情報網。
これが発達してきたことで、
他のネットワークともつながり、
自由化され、活用されていますよね。

本記事は、様々な「ネット化」のお話です。

①情報

「インターネット」の発達で
情報が自在にやり取りできるようになりました。
最初はマイコン、次いでパソコン、
そしてモバイル、メールからSNSも発達し、
文字、音声、画像、動画、
様々な情報が直接やり取りできるよ

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ネット、コンビニ、キャリアの変遷

ネット、コンビニ、キャリアの変遷

平成時代にどのように日本の社会は変わったか?
テーマは、無数に設定できます。

ただ、簡明に取捨選択して説明するとすれば、
私なら「三つのキーワード」、
三つの鍵となる言葉を挙げて説明するかな、と。

①ネット
②コンビニ
③キャリア

本記事では、この三つの変遷を見ながら
現代の日本の断面図を切り取りたいと思います。

概論まずは概論です。平成より前は、

①ネット:ゴミ収集でカラス予防にかける

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キャリア、積むや積まざるや

キャリア、積むや積まざるや

「キャリアを積む」という英語表現はないそうです。
今回は、この言葉について深掘りしていきます。

careerという英語のそもそも語源は、
「車道」や「轍(わだち)」。
何かを目指し、経験、実績、能力、
そういうものが車に積まれていくのですが、
その「積まれるもの」自体では、ない。
あくまで、車が通った後、通っていく先、
その「流れ」自体を指す言葉であって、
常に「流動」していくものです。
だから

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後付けの解釈、当時の視点

後付けの解釈、当時の視点

四十七都道府県、という区分に
日本に住む現代の私たちは慣れてはおりますが、
昔からそうであったわけでは、ありません。

「江戸三百藩」と言いまして、
日本はもっと色々な「藩」に分かれていました。
いや三百どころか、もっとこまごまとしていた。
国替え、取り潰し、新設もありました。
たとえ今は同じ県内であっても
昔は色んな藩が入り混じっていた、のです。

ですがそもそも「藩」というこの用語自体、
実は

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ゾウガメの夢見る世界

ゾウガメの夢見る世界

コロン諸島。南米大陸の西に浮かぶ島々。
ほぼ、赤道直下に位置しています。
そのものずばり、赤道、という意味の国名を持つ
「エクアドル」という国の領土です。

かの有名な航海者「コロンブス」の島々。
Archipiélago de Colón。

これが正式名称ではありますが、
スペイン人は、この島に住むカメたちを見て
「ゾウガメたちの島だな!」と言ったそうです。
ゾウガメ、スペイン語で言えば、ga

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何を残すか、残せるか

何を残すか、残せるか

「十人の中、五人が賛成するようなことは、
たいてい手おくれだ。
七、八人がいいと言ったら、やめた方がいい。
二、三人ぐらいがいいという間に、
仕事はやるべきものだ」

大原孫三郎さん(1880~1943)の言葉です。

彼は岡山県の倉敷村(現倉敷市)で、
「倉敷紡績(クラボウ)」という
繊維製品会社の創業者の次男に生まれました。

ですがこの方、若い頃は放蕩三昧だったそうです。
東京専門学校(現早

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