梨木香歩『村田エフェンディ滞土録』を読む。『家守綺譚』『冬虫夏草』の綿貫や高堂の朋友・村田が留学した土耳古(トルコ)の滞在記。ディミィトリスと訪れた古代大城壁の場面がいい。下宿先の鸚鵡もいい味を出してる。It' s enough! 終盤のディクソン夫人の手紙に胸を締めつけられる。
梨木香歩『冬虫夏草』を読む。『家守綺譚』の続編。行方知れずとなった愛犬ゴローを探しに、文士然としてきた綿貫征四郎が鈴鹿山中をめぐる。その地ならではの暮らしを守る人や人にあらざる者との交歓が胸にしみる。ことばの使い方も魅力的。本を持つ左手が薄くなりゆくのが切なく惜しく感じた。
先日読んだ梨木香歩さんの『家守綺譚』(譚のつくりは「覃」)が面白かったので、以前の作品の『沼のある森を抜けて』を読み始めた。