benny

精神世界、心理学、哲学、物語、夢分析…そして、猫様、鳥さん、人間たちについて綴ります。

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最近の記事

ミニシュパリズム(地域自治主義)!

まさかのユナイテッドシネマ! 是非観たいと思っていた映画、『〇月〇日、区長になる女』。 地元のミニシアターで上映されるだろうか?畠山さんの選挙ドキュメンタリー映画もダメだったし…観れないかもと半ばあきらめ気分だったのですが。 監督が地元出身の方だったおかげで、4日間だけとはいえ大きな映画館での上映が実現したようです。 2年前の杉並区長選挙のとき、岸本聡子さんを知って(ついにこういう人が出てきたんだ…)と、思いました。 強いインパクトを覚えたのです。 映画の中で、彼女が出馬の

    • 影に名まえがあったかな?

      波のように繰り返し寄せてくる鬱な気分。 というよりも、潜在的にそれはずっとあるもので、様々な「気晴らし」によって覆い隠されているだけ。 人間社会をありのままに見てしまうと、 どいつもこいつも、あれもこれも…矛盾だらけの茶番劇が繰り広げられているわけで。 多くの人は、適当に茶番劇から目を逸らしつつ、自分にとっての「気晴らし」を支えに生き延びているように見えるけれど、時に茶番劇の渦中に入り夢中になることも「気晴らし」になってたりするものなのでしょう。 心地良い「気晴らし」に集中

      • おまけにきっと伝えづらい。

        面白く読み終えた後、数日経ってから今の私が抱える悩みに向き合うためのヒントがあったことに気づいた物語。 その人は何度か公言していました。 「人に優しくしたい」と。 身内で口喧嘩が起こっても私は聞き役、絶対に怒らないのだと笑顔でそんな話もよくされます。 当然、聞かされる側は安心を感じます。 とても接し易く気を遣う必要のないいい人…と思っていました。 それは今も変わりません。 が、一方で、その人は皆で同じことをやるのが大好きで、ときに外れている人を指摘することがあるのです。 非

        • 「取り繕えない人たち」こそ『Rejoice!(喜びを抱け!)』

          たぶん終の棲家となるであろうこの地に住んで15年が過ぎるのですが、この冬(…もう春ですが)初めて鳥の声が滅多にしか聞けない日々を送っています。 狭い庭に植えてある南天の赤い実がヒヨドリに食べてもらうこともなく次々に地面に落ちたのを見ると、あのうるさい鳴き声が恋しくなってしまいます。 不気味なのはスズメや鳩が激減したこと。 去年、すぐそばの小さな公園にある3本の大木が大胆なまでに枝を切られてしまったことと、我が家のすぐ横で半年以上も大きな工事が行われているせいもあるかもしれませ

        ミニシュパリズム(地域自治主義)!

          言葉(共感)が暴走する世界で

          速読とか多読というものに価値を感じません。 行間と余白を受け取ることもなしに読書するなんて考えられないからです。 本のページにある行間と余白。 その空間は意外に面積も広く、常に何かが存在を主張している気がします。 著者の綴った言葉以上の思いや世界が広がっているイメージ、でしょうか。 対話の場合は、読書で受け取る「行間と余白」からの情報、つまり言葉以外の情報が直接的に具体的に伝わります。 (その情報が自分の勘違いだったりする問題はどちらにもありますが。) 今は、対面でのコミュ

          言葉(共感)が暴走する世界で

          私、「熱狂を疑え!」るんです。

          衝撃的な物語に出会いました。 文庫本に収められた穂村弘さんの書評と町田康さんの解説文がとてもいいです。 物語に続けてお二人の文章を読んで、私はなんか救われた気がしました…。 (純文学だ、素晴らしい…)と思いながら読みましたが、一方で自分は「あみ子」みたいな人とは会話すらできない人間だということも思いました。 物語の中では彼女と交流する登場人物もいるのですが、私は徹底的に避けてしまうだろうなあとちょっと情けなかったです。 「島流し」の例えが出てくるほどに、あみ子は気の毒な

          私、「熱狂を疑え!」るんです。

          過剰(不足)な世界で〜医療編

          医療編、とタイトルを付けてはみたけれど… 病院で過剰や不足を感じたこと、自分が経験したことに限って具体的に書いていくだけでもキリがない気がします。 現代医療自体が「過剰(不足)」で成り立ってしまってるんだと思います。 もはやどうすることもできないのでは? 私自身、体のあちこちの不具合を愚痴るお年頃に入ってますが、周りの年上のお姉さま方は、ちょっとでも身体に異変があれば「早く病院へ!」「検査してもらって!」と口々に言います。 このあいだも、お腹に違和感を感じているけど掛かり付

          過剰(不足)な世界で〜医療編

          過剰(不足)な世界で~果物編

          こんなにリンゴを食べない冬は初めてです。 一個200円を超えてる・・・それでも特売なんですと。 今までも毎年のように天候不良のためとかで値段は高騰していましたが、もはや高級フルーツになってしまいました。 リンゴだけじゃなく、果物を気軽に買えない時代に突入したということでしょう。 子どもの頃からずっと果物好きの私ですが、もうあきらめるしかないと思っています。 いつのまにか、大きくなったリンゴ、大きくなった桃…あの大きさが当たり前になってしまったことが悲劇(!)に繋がっているので

          過剰(不足)な世界で~果物編

          『歌わないキビタキ』~人にも期待しないこと

          誰かを好ましく思うようになると、 ほぼ同時に「期待」が生まれているのかもしれません。 ある物事に対する反応が自分にとって好ましいものであってほしい、 あの人ならきっと…という勝手な「期待」。 「人に期待しないこと」 この言葉を何度目にしたことか。 ほとんどわかってなかった気がします。 出来なかったから。 好感と期待は切り離すのが難しい。 ならば、そもそも「その人のすべて丸ごと好き!」なわけはないのだし、「この一面とあの一面が好き」と意識してみよう。 勝手に期待を寄せて、無

          『歌わないキビタキ』~人にも期待しないこと

          『オラ!メヒコ』

          たとえどこにでも自由に移動できる立場にあったとしても、この国から出ることはないだろうと思う一番の理由は、治安の良さだと思ってきました。 逆に言うと、日本よりも治安の悪い外国が多すぎる、と。 何よりも身の安全が第一なのだから…。 酒乱の身内はいなかったけど酒席なんぞ大っ嫌い、違法だろうが合法だろうが至福体験ができるらしい薬物にも興味ゼロ。 の、私が何故か大麻くらいはいいじゃん、と思うのは、単に合法である煙草や飲酒と比較し合理的に考えてのことでした。 それにまあ…歳を重ねて、一

          『オラ!メヒコ』

          切り替え上手な私です

          昨年の11月22日から(←猫の日だったので覚えている)風邪を引き、咳が完全に止まって完治するまでに半月かかりました。 熱が出たわけでもなく、ずっと元気でしたが喉の痛みも咳も結構に酷かったです。 この風邪引きと関係があるようなないような…やっぱりある気がするのですが、その後しばらくして、(あれ?)と引っ掛かる変化が起きたのでした。 些細なことばかりなのですが、何だかやたらと?事がスムーズに進んでいくのです。 何だか…何となく…心身共にスッキリしたような感覚もあります。 それは

          切り替え上手な私です

          2023年の終りに~違和感と向き合う

          この一年を振り返ると、「停滞」という言葉が浮かんでしまいました。 書くことは考えること。 私の中で何かが滞っているようなので探ってみます。 なんか…大人を長くやると、相手への気遣いを優先することに慣れてしまうことがあるんだと思います。 私の場合は子育て終盤頃からでしょうか。 子どもを守りたいとの思いから結構に自己主張をしてたのが、徐々に、 「いえ、私はこう思うんです」 とか、 「いいえ、私はこうしたいんです」 を差し控えることを覚えていったのでした。 それって、褒められるこ

          2023年の終りに~違和感と向き合う

          2023年晩秋、ジョンがやってきた!

          11月27日の朝、「ヒッ!ヒッ!…」と高らかに囀る声、 (ジョンだ!)とわかりました。 窓からそっと辺りを見渡すと…なんとジョンのいつもの定位置である電線にジョウビタキがとまってる! ああ~、間違いなくジョンだ…って、あれ?1mくらい離れてシジュウカラが並んで止まっています。 私が見つめだしたとたんにジョンは黙り込んでしまい、シジュウカラはさっと飛んで行ってしまいました。 一瞬、迷いましたが、(待っててよ~)と、念じつつスマホを取りに行き、音を立てないようにして窓を開けて撮っ

          2023年晩秋、ジョンがやってきた!

          十数年振り !? 本格的に風邪を引いた話

          風邪を引いて9日目になります。 本格的な風邪引きさんになったのは、少なくとも過去15年くらいはなかったと思います。 (もしかしたら20年以上かも?) 私は身体が丈夫なので…なわけはなくて、風邪の症状はしょっちゅうあるんです。 一番短いパターンが、朝起きて喉の痛みやら悪寒と頭痛やらの症状があり、10分前後には収まるというもの。 一番長いパターンが、朝からの風邪様症状がダラダラと一日中続き、お風呂に入ったらスッキリ終わるというもの。 午後から、或いは夕方から風邪の症状が表れるパ

          十数年振り !? 本格的に風邪を引いた話

          だけど東京が好き?

          何十年振りに東京に行ってきました。 飛行機に乗ったのは10年…以上振り、その時は横須賀に行ったのでした。 今回は身内のお祝い事で京橋駅付近での食事会です。 最初は当たり前のように一泊旅行のつもりだったのが、ランチだから日帰りが可能と気づいたとたん、とっとと帰ってこようと気が変わりました。 私は東京なんぞに興味がないのです。 観光とか、特に行きたいところもなかったのでした。 夫と二人、彼はかつて働いていた東京に思い入れがあるのですが、仕事場で面倒を見ている猫たちへの気がかりもあ

          だけど東京が好き?

          映画『福田村事件』と大江健三郎の示した「希望」を繋げて

          封切りから2か月以上も過ぎてようやく観ることができました。 が、観終わってまず思ったのは、私にとっては今観るのがベストなタイミングだったのだなあということだったのです。 映画の前半、次々に描かれる不道徳な男女の性愛場面…(描写は抑制的です) 事前に、「これは必要なのか?」と指摘するレビューを多く見掛けました。 後半を観れば必要なのがわかるでしょ! と、言いたくなったので、ネタバレしつつ説明します。 虐殺行為を扇動したのは数人でした。 彼らはそれぞれに、抱えるに耐え難い感情

          映画『福田村事件』と大江健三郎の示した「希望」を繋げて