【読書】『オリンピックと商業主義』
P13
オリンピックに対して、我々には二つの立場が提供されている。
一つは──こちらが多数派だが──オリンピックを、古代オリンピックから続くアスリートの崇高な祭典ととらえ、舞台裏の事情はさておいて、テレビの前に(あるいは観客席に)座るという立場である。
もう一つは、舞台裏の事情に目を向け、オリンピックにまつわる利権のシステムを追求し、国際オリンピック委員会(IOC)が掲げている理念との馬鹿馬鹿しいほどの乖離を指摘して、近代オリンピックを批判するという立場である。
(略)
前者