小野正嗣

九年前の祈り 小野正嗣

九年前の祈り 小野正嗣

外国人と結婚し、障害のある子供をひとりで連れて大分の故郷に帰ってきた娘の心奥の救いを巡るはなしである。 田舎で育った女の人生の行方と田舎の現在の形が海近くの光景の中で一つの典型と言って良い流れで描かれる。 独自性を与えるのは田舎に入り込む外国の形であろう。 自然と人間の持つ原初的風景とかなしく折り込んでしまう田舎の今の振幅の開き具合が求心的な世界を作る。

夜啼き鳥の歌|小野正嗣

夜啼き鳥の歌|小野正嗣

文・小野正嗣(小説家・仏文研究者) Kさんが亡くなってから6年になる。七回忌か。でも彼は日本の人ではなかった。 2005年の春、足かけ8年のフランス留学を終えて帰国した。そのうちの5年ほどは、パリから南に列車で1時間のオルレアンに暮らすエレーヌとクロードの夫妻の家での居候生活だった。 3階にある僕の部屋からは大きな中庭が見渡せた。フランスを発つ前日の早朝、開けた窓から薄闇を貫いて夜啼き鳥の声が聞こえてきた。驚きのあまり立ち尽くした。その美しい歌を耳にするのは初めてではな

スキ
11
第60回 『九年前の祈り』 小野正嗣著

第60回 『九年前の祈り』 小野正嗣著

 こんばんは、JUNBUN太郎です!  今夜も「読書はコスパ最高のコスプレです」のお時間がやってきました。本は自分以外の人間になりきる最も安あがりな道具。この番組では、リスナーのみなさんから寄せられる、読書体験ならぬコスプレ体験を、毎週ひとつご紹介していきます。  ではさっそくリスナーからのお便りをご紹介しましょう。  ラジオネーム、ベースボール太郎さん。  JUNBUN太郎さん、こんばんは!  ぼくは中学2年です。地域の野球チームに入ってます。ポジションはベンチ!笑 そ

スキ
59
【小野正嗣×桝田倫広】『ホモ・サピエンスの涙』公開記念トークイベント

【小野正嗣×桝田倫広】『ホモ・サピエンスの涙』公開記念トークイベント

11月20日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館にて公開される第76回ヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞(最優秀監督賞)を受賞したスウェーデンの巨匠ロイ・アンダーソン監督最新作『ホモ・サピエンスの涙』。 公開に先駆け11日に行われた一般試写会後のトークイベントの模様をお届けします!この日のイベントでは、NHK「日曜美術館」で司会も務める芥川賞作家の小野正嗣さんと「ピーター・ドイグ展」などの企画展を手掛ける東京国立近代美術館主任研究員桝田倫広さんにご登壇頂きまし

スキ
2
めも。V.S.ナイポール『ミゲル・ストリート』(岩波文庫/小沢自然,小野正嗣=訳 )2019年4月16日発売。ミゲル・ストリートで生まれた17の物語。ノーベル文学賞を始め複数受賞、2018年に死去した作家の実質上デビュー作が文庫入り。
https://www.iwanami.co.jp/book/b450131.html

めも。V.S.ナイポール『ミゲル・ストリート』(岩波文庫/小沢自然,小野正嗣=訳 )2019年4月16日発売。ミゲル・ストリートで生まれた17の物語。ノーベル文学賞を始め複数受賞、2018年に死去した作家の実質上デビュー作が文庫入り。 https://www.iwanami.co.jp/book/b450131.html

スキ
10