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We're a group which consists of graduates of TUFS. We hope you'll enjoy our works!          東京外国語大学出身者集団、作品公開中!

最近の記事

東京大学から戦後5人目に社会学博士号を取得…とは?

社会学者の宮台真司氏は、しばしば自らを「東京大学から社会学博士号を取得した、戦後5人目の人物」と述べている。 しかし、CiNiiで「社会学博士 東京大学」と検索すると、宮台氏以前の取得者はもっと多いようだ。 https://cir.nii.ac.jp/all?q=%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E5%AD%A6%E5%8D%9A%E5%A3%AB%E3%80%80%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E5%A4%A7%E5%AD%A6 「甲」(課程博士)と「乙」(論

    • 折々のことば、理解できる人?

      朝日新聞朝刊一面の「折々のことば」。 鷲田清一氏(哲学)が担当している。 毎回さまざまな言葉が引用されている。 それに著名な哲学者による、深くて有り難い解説が付される… と言いたいところだが、少なくとも最近の記事は、よく読むとおかしい。 前半と後半のつながりが不明瞭だったり、締めくくりの一文が唐突だったりする。 たとえば今日、7月9日の記事ではドミニク・チェン氏の言葉が紹介されている。 「面白いなと感じるのは、僕が想定したことが良い感じに誤読されたときなんです」

      • グリコ森永事件関連の昭和53年テープ

        グリコ森永事件(1984-1985)以前にも、グリコは何者かに脅迫されていたらしい。 のちに「昭和53年テープ」と呼ばれる音声が、1978年にグリコに送りつけられたのだ。 動画サイトで、その一部を聞くことができる。 テープで語られていた内容が「かい人21面相」の手口と似ていたため、当時の警察が公開したのである。 「どうかお察しください。我々は、人のお世話をさしてもらって、得をされた方から金額の一割か一割五分の謝礼をもらって生計を立てております」 私が動画で確認できた

        • 詰め込み教育の復権

          「3か月でマスターする世界史」。 受験参考書のタイトルではない。 今年の4月から放送されている、NHK・Eテレの教育番組である。 Eテレの番組が1つの教科・科目を扱う場合、通例1年がかりで放送していたはずだ。 内容は未確認だが、これは昭和式の「詰め込み教育」の復活を宣言するものと解釈できる。 来週からは「3か月でマスターする数学」が放送されるようだ。 「NHKも変わっちまったな」と悲観する必要はない。 学校の勉強や受験勉強などは短時間で終わらせて、他の時間を自由

        東京大学から戦後5人目に社会学博士号を取得…とは?

          資本論から遠く離れて

          マルクスの著作は、高校時代に「フォイエルバッハに関するテーゼ」を読んだのが最初だと思う。やはり例の名言が印象的だった。 大学生になって『共産党宣言』、「疎外された労働」、そして『ドイツ・イデオロギー』の一部分を読んだ。初期の疎外論は抗し難い魅力がある。 大学院時代には『資本論』を読み始めたが、第一巻の途中で中断したままである。 その数年後、経済理論から離れたものに当たろうと思い、『ユダヤ人問題について』と『ゴータ綱領批判』を読んだ。 今は、なにやら評判が良い『ルイ・ボ

          資本論から遠く離れて

          マーラ・ブーム到来?

          マーラという生き物をご存じだろうか? カピバラと同じテンジクネズミ科の動物である。 独特の愛らしさがあり、ブームになってもおかしくはない。 しかしながら、ブームなど起きてもマーラ自身にとっては何も有難くないだろう。 都内でも見ることができるが、人が殺到したら彼ら彼女らのストレスが増えるだけだ。 密やかに応援するのが一番である。

          マーラ・ブーム到来?

          丸山眞男がシュミットを引用した理由

          丸山眞男は「超国家主義の論理と心理」(1946)の中で、カール・シュミットの「中性国家」という用語を引用している。 「中性国家」とは、ヨーロッパ近代国家の特徴を表すものである。真理や道徳に関して価値中立的な国家のことだ。 これを日本の超国家主義と対比させ、後者を批判する意図がうかがえる。 しかし内容の正否以前に、ナチのイデオローグと目されたシュミットを引用しては説得力が無くなるのでは?との疑問が当然起こる。 彼はなぜ、戦後日本の再出発に際してシュミットを引用したのか?

          丸山眞男がシュミットを引用した理由

          皇族の方の私服

          佳子さまの私服が安価であると話題だ。 着る服の価格帯がリーズナブルで良心的なのは、その御人柄の表れだと受け止められているらしい。 しかし、それは国民の勝手な解釈であり御本人の意図は分からない。 今後もし高級品をお召しになっていても、掌返しはやめるべきだ。

          皇族の方の私服

          「ノスタル爺」考

          藤子・F・不二雄の短編漫画、「ノスタル爺」(1974)。 おそらく、横井さん帰国(1972)と小野田さん帰国(1974)に触発された作品だ。 なかなかの衝撃作である。 と同時に疑問も残る。 なぜ主人公は、あんな数奇な人生を送ることになったのか? まず、戦後数十年ジャングルに取り残されるという横井・小野田的な体験をする。 さらに日本に帰国後、戦前の故郷の村へとタイムリープしてしまい幽閉されるという憂き目に(半ば自主的に)遭っている。 名字が浦島だから、そうなる運命

          「ノスタル爺」考

          無門関とデカルト

          禅宗の書物『無門関』(岩波文庫)を少し読んだ。 坂本龍一の最晩年のドキュメンタリー(NHK)で、たしか本棚に置かれていた。 また、三島由紀夫『金閣寺』にも登場する。 「趙州狗子」という節では、「無」を重んじる思想が説かれている。 「妙悟要窮心路絶」(素晴らしい悟りは一度徹底的に意識を無くすることが必要である)。 デカルトの「我惟(おも)う故に我あり」(『方法序説』)とは、正反対に見える。 また、「[…]意識も絶滅できないようなのは、すべて草木に憑りつく精霊のような

          無門関とデカルト

          「現代文講師」の限界

          中学・高校の国語の先生は、現代文・古文・漢文のうち複数を担当する場合が多かったと記憶する。 それに対し大手予備校の国語の先生は、上記三科目のいずれか一つだけを担当することが多いようだ。 現代文の予備校講師は、しばしばカリスマ視される。 現代文講師は思想や哲学のことも話すので、知的な感じに見られやすいからだろう。 だが現代文しか担当しないと、必然的に古文や漢文には疎くなるものと考えられる。 そうした事情も手伝ってか、現代文講師は実に偏った文学観を開陳したりする。 曰

          「現代文講師」の限界

          皇族の方の進学先

          高校生ながら生物学の論文発表(共著)などで話題の悠仁さま。 どこの大学に進むのかが、やたらと注目されている。 東大進学が秋篠宮家の宿願だとするネット記事をよく見る。 他にも具体的な大学名が挙げられ、ああでもないこうでもないと勝手な議論が展開される。 だが、メディアが変に煽り立てて御本人にプレッシャーを与えるのはおかしな話だ。 これは、メディアによる教育虐待ではないか。 どこを目指そうが御本人の自由だし、もし望むのなら高卒でも何ら問題は無いのである。

          皇族の方の進学先

          【es】〜Theme of es〜の先駆性

          Mr.Children の「【es】〜Theme of es〜」(1995)には、いくつかの先駆性がある。 まず、同年の大震災やサリン事件を念頭に置いた歌詞だ。同世代のメジャーなアーティストの中では、世相や社会問題を歌にしたのは画期的だったと思われる。 次に、Radiohead の「No Surprises」(1997)の歌い出しのメロディが、【es】のそれと少し似ている。97年当時の世界におけるJ-POPの認知度からすると、彼らがミスチルの曲を知っていた可能性は低い。だ

          【es】〜Theme of es〜の先駆性

          『犬神家の一族』〜平成に読んで、令和に観た。

          私は横溝正史『犬神家の一族』を平成に読み、令和になって映画(1976)を観た。 原作の記憶は朧げだが、ネットによると映画化に伴ってカットされた場面も結構あるようだ。そのせいか、金田一耕助の推理力は映画版だとイマイチ感じにくかった。 それでも、スケキヨの存在感と不思議な声音には凄みがあった。 あおい輝彦の名演・怪演が光っている。 湖上の倒立した死体のシーンは有名だが、その直後の第一発見者のリアクションも興味深い。『ハムレット』のオフィーリアを彷彿とさせる。

          『犬神家の一族』〜平成に読んで、令和に観た。

          ゲーデルの知行合一

          数理論理学者のゲーデルは不完全性定理を提唱した。それは、いかなる数学的証明も客観的に正しいとは言い切れないことを証明するものだ。 そして晩年は、食事に毒が盛られることを極度に恐れるという強迫観念にとらわれた。 彼は病気だったと言えばそれまでだが、これは一種の知行合一と見なしうる。 多くの人は、今まで毒を盛られた経験が無ければ、これからも盛られる可能性は低いと考えるか、その可能性を考えもしない。 だが、不完全性定理の提唱者は違う。 彼にとっては、厳密な演繹によって導き

          ゲーデルの知行合一

          カイロ大学中退説

          東京都知事のK・Y氏の学歴詐称疑惑が、またまた注目を集めている。 公言してきたカイロ大学(首席)卒業は嘘で、実際は中退だという疑いである。 もしくはコネを使った「裏口卒業」とする説がある。この場合は一応「卒業」には違いない、大学側が卒業取消をしない限りは。 仮に中退が事実だとして、何故それをひた隠しにしてきたのか? 早い段階で訂正しておくほうが政治生命にとって良いと思うのだが、虚栄心がそれを許さないらしい。 そもそも入学が「裏口」だったとの噂がある。 だとすると、

          カイロ大学中退説