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We're a group which consists of graduates of TUFS. We hope you'll enjoy our works!          東京外国語大学出身者集団、作品公開中!

最近の記事

格言

知悉と稚拙は紙一重である。

    • 宮崎駿『シュナの旅』

      最近、宮崎駿の絵物語『シュナの旅』(1983)という作品を知り読んでみた。 まず、ヤックルが登場する時点で『もののけ姫』(1997)の萌芽が見られ驚いた。 ヤックルに乗った少年が旅をして少女と出会う展開も共通している。 主人公の祖国が谷に存在するところは『風の谷のナウシカ』(1984)を彷彿とさせる。 宮崎氏は『シュナの旅』の原作「犬になった王子」の映像化が夢だったが叶わず、絵物語の出版という形になったそうだ。 しかしながら、ヤックルが14年も温められ『もののけ姫』

      • 教養とは何か?

        世の中、「そんなことも知らないのか!」と思ったり思われたりの連続である。 とくに、「教養」と呼ばれる領域に属する事柄を知らない人が多いと、社会全体が劣化しているように思ってしまう。 しかし、誰でも知っているような知識は、そもそも教養と呼ばれない。 知らない人が多いから、教養なのである。 突き詰めて言えば教養とは、「知らなくても生きていけるし何の問題もないが、知っていると何となく良さげ」という程度のものでしかないのだ。 逆に言うと教養は、学問関係に限らない。 たとえ

        • 事情は分からないが…

          学校なんて行かなくていいから、 家が嫌なら帰らなくていいから、 どうか飛び降りたりしないで。

          皇族の方の東大推薦入学計画

          悠仁さまの東京大学への推薦入学が計画されているという。 それに反対する署名運動が盛り上がっているようだ。 皇族だから特別扱いで合格になるのではないか、という不公平感が渦巻いている。 また、皇族が学歴とりわけ東大にこだわる事への違和感も背景にある。 なおかつ、秋篠宮家の宿願と言われる東大入学のために全てが準備されているような、本末転倒な印象が広まっている。 たしかに、皇族だから周囲のお膳立てが得られてきたという面は否めない。 たとえば、悠仁さまが研究論文を学者と共同

          皇族の方の東大推薦入学計画

          「ひぐらしのなく頃に」の出典

          『ひぐらしのなく頃に』というゲーム、アニメ作品がある。 萌え系の画風のわりに内容が猟奇的らしいとしか私は知らない。 だが、タイトルは奇妙に惹かれるものがある。 もしかしたら'出典'は、山村暮鳥の詩かもしれない。 「ある時」という詩の冒頭は、 また蛼(ひぐらし)のなく頃となつた である。 ちなみに本来「蛼」は「ひぐらし」とは読まず、「蜩」が正しいようだ。

          「ひぐらしのなく頃に」の出典

          自民党総裁選立候補者の面々

          誰がなっても…と、白けムードで語られがちな自民党総裁選。 だが、意外と皆それぞれに有能で期待できると思う(一部を除いて)。 首相になったら、皆それなりに面白そうだ。 逆に、この人!と思えるほどの傑出した存在がいないとも言える。 ちなみに、小泉進次郎氏は常に準備不足で発言が上滑りなので推せない。 上川陽子氏は死刑経験者というのが私には汚点と映る。 高市早苗氏は首相になったら村山談話を破棄してアジアの平和を乱すのでお引き取り願いたい。 いずれにせよ私は自民党員ではな

          自民党総裁選立候補者の面々

          認識の森

          立ち止まりて 認識の森に 迷ひ込む 君の町へと 歩き出すとき

          認識の森

          極左でしょうか、いいえ、誰でも。

          フランス版の新幹線「TGV(テージェーヴェー)」の施設に放火したグループは、オリンピック反対派の「極左暴力集団」だろうか? 運行していない時間帯に放火したそうだから、人命は奪わないようにしたのかもしれない。 しかし古畑任三郎も言っていたように、打たれ弱い鉄道関係者が責任を感じて…といった「関連死」を引き起こしかねない蛮行である。 反オリンピックの極左であろうが無かろうが、今回の放火事件からは何の大義も感じない。

          極左でしょうか、いいえ、誰でも。

          東京大学から戦後5人目に社会学博士号を取得…とは?

          社会学者の宮台真司氏は、しばしば自らを「東京大学から社会学博士号を取得した、戦後5人目の人物」と述べている。 しかし、CiNiiで「社会学博士 東京大学」と検索すると、宮台氏以前の取得者はもっと多いようだ。 https://cir.nii.ac.jp/all?q=%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E5%AD%A6%E5%8D%9A%E5%A3%AB%E3%80%80%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E5%A4%A7%E5%AD%A6 「甲」(課程博士)と「乙」(論

          東京大学から戦後5人目に社会学博士号を取得…とは?

          折々のことば、理解できる人?

          朝日新聞朝刊一面の「折々のことば」。 鷲田清一氏(哲学)が担当している。 毎回さまざまな言葉が引用されている。 それに著名な哲学者による、深くて有り難い解説が付される… と言いたいところだが、少なくとも最近の記事は、よく読むとおかしい。 前半と後半のつながりが不明瞭だったり、締めくくりの一文が唐突だったりする。 たとえば今日、7月9日の記事ではドミニク・チェン氏の言葉が紹介されている。 「面白いなと感じるのは、僕が想定したことが良い感じに誤読されたときなんです」

          折々のことば、理解できる人?

          グリコ森永事件関連の昭和53年テープ

          グリコ森永事件(1984-1985)以前にも、グリコは何者かに脅迫されていたらしい。 のちに「昭和53年テープ」と呼ばれる音声が、1978年にグリコに送りつけられたのだ。 動画サイトで、その一部を聞くことができる。 テープで語られていた内容が「かい人21面相」の手口と似ていたため、当時の警察が公開したのである。 「どうかお察しください。我々は、人のお世話をさしてもらって、得をされた方から金額の一割か一割五分の謝礼をもらって生計を立てております」 私が動画で確認できた

          グリコ森永事件関連の昭和53年テープ

          詰め込み教育の復権

          「3か月でマスターする世界史」。 受験参考書のタイトルではない。 今年の4月から放送されている、NHK・Eテレの教育番組である。 Eテレの番組が1つの教科・科目を扱う場合、通例1年がかりで放送していたはずだ。 内容は未確認だが、これは昭和式の「詰め込み教育」の復活を宣言するものと解釈できる。 来週からは「3か月でマスターする数学」が放送されるようだ。 「NHKも変わっちまったな」と悲観する必要はない。 学校の勉強や受験勉強などは短時間で終わらせて、他の時間を自由

          詰め込み教育の復権

          資本論から遠く離れて

          マルクスの著作は、高校時代に「フォイエルバッハに関するテーゼ」を読んだのが最初だと思う。やはり例の名言が印象的だった。 大学生になって『共産党宣言』、「疎外された労働」、そして『ドイツ・イデオロギー』の一部分を読んだ。初期の疎外論は抗し難い魅力がある。 大学院時代には『資本論』を読み始めたが、第一巻の途中で中断したままである。 その数年後、経済理論から離れたものに当たろうと思い、『ユダヤ人問題について』と『ゴータ綱領批判』を読んだ。 今は、なにやら評判が良い『ルイ・ボ

          資本論から遠く離れて

          マーラ・ブーム到来?

          マーラという生き物をご存じだろうか? カピバラと同じテンジクネズミ科の動物である。 独特の愛らしさがあり、ブームになってもおかしくはない。 しかしながら、ブームなど起きてもマーラ自身にとっては何も有難くないだろう。 都内でも見ることができるが、人が殺到したら彼ら彼女らのストレスが増えるだけだ。 密やかに応援するのが一番である。

          マーラ・ブーム到来?

          丸山眞男がシュミットを引用した理由

          丸山眞男は「超国家主義の論理と心理」(1946)の中で、カール・シュミットの「中性国家」という用語を引用している。 「中性国家」とは、ヨーロッパ近代国家の特徴を表すものである。真理や道徳に関して価値中立的な国家のことだ。 これを日本の超国家主義と対比させ、後者を批判する意図がうかがえる。 しかし内容の正否以前に、ナチのイデオローグと目されたシュミットを引用しては説得力が無くなるのでは?との疑問が当然起こる。 彼はなぜ、戦後日本の再出発に際してシュミットを引用したのか?

          丸山眞男がシュミットを引用した理由