宝篋印塔

東海・北陸地方の石造物㉔:大年神社宝篋印塔

名称:大年神社宝篋印塔

伝承など:なし

所在地:福井県丹生郡越前町織田 大年神社

越前町の織田にある劔神社は越前国の二宮であり、斯波氏、朝倉氏、織田氏、松平氏など越前国の歴代の領主達の尊崇を受けた神社である。

この劔神社の摂末社で境外の参道にある大年神社の社殿の脇には、古様の宝篋印塔がある。

宝篋印塔は、福井県内でよく見られる石材である凝灰岩の笏谷石製で、相輪と隅飾の大半が欠損している。

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雑記:野尻湖周辺

ナウマンゾウの発掘で知られる長野県信濃町の野尻湖は、避暑地やマリンスポーツ、あるいは合宿地などとして賑わう奥信濃の観光地であるが、野尻湖に浮かぶ琵琶島内の宇賀神社には宇佐美定行(定満)の墓とされる石塔がある。

宇賀神社には遊覧船で行くことが出来るが、社殿の手前の参道に玉垣で囲まれた宝篋印塔の一部があり、これが定行の墓と言う。

宇佐美定行は上杉謙信の軍師として軍記物などに登場する人物で、物語によ

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京都府内の石造物㊱:壬生寺宝篋印塔(歴代住職供養塔)

名称:壬生寺宝篋印塔

伝承など:歴代住職供養塔

所在地:京都府京都市中京区壬生梛ノ宮町 壬生寺

壬生狂言で知られる京都の壬生寺は、幕末に活躍した新選組ゆかりの寺院でもある。

境内の池にある島は「壬生塚」と呼ばれ、その中には歴代住職供養塔と言う宝篋印塔がある。

鎌倉時代末期、あるいは南北朝時代の作と推定され、壬生寺の中でもひときわ古い石造物であり、平安時代の僧で開山とされる快賢らがまつられ

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中国地方の石造物⑫:大寧寺宝篋印塔(上杉憲実の墓)

名称:大寧寺宝篋印塔

伝承など:上杉憲実の墓

所在地:山口県長門市深川湯本 大寧寺

温泉地で知られる山口県の長門湯本にある大寧寺は、大内一族で深川城主の鷲頭弘忠が応永年間に創建したと伝えられ、高い寺格を有する寺院である。

鷲頭氏は後に大内教弘に滅ぼされるが、大寧寺は大内氏の菩提寺とされてその後も庇護を受けた。

また、関東管領を隠遁した後で放浪の旅に出て大内教弘を頼った上杉憲実が晩年を過ご

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神奈川県内の石造物⑳:明月院宝篋印塔(伝・上杉憲方の墓)

名称:明月院宝篋印塔

伝承など:上杉憲方の墓

所在地:神奈川県鎌倉市山ノ内 明月院

「あじさい寺」として有名な北鎌倉の明月院は、山内上杉氏の祖である関東管領・上杉憲方が室町時代初期に創建した禅寺で、本来は禅興寺と言う寺院の塔頭であったと言う(山内上杉氏の名もこの地に憲方の屋敷があったことに由来する)。

禅興寺は現在は廃絶しているが、鎌倉幕府五代執権の北条時頼が開いた最明寺が前身で、それを子

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雑記:戦国時代の室町幕府に関する史跡

応仁の乱以降、室町幕府の政権中枢に関わった将軍や管領、有力大名などの墓所で、京都・大阪に所在するものを中心に初回していく。

まず、京都府京都市右京区の龍安寺の細川家墓所。

過去に紹介した細川勝元以外にも、細川家当主の墓所がある。

勝元の子で、明応の政変を演出して将軍の首をすげ替え、「京兆専制」と称される体制を築いて幕府の実権を握った細川政元の墓(下の写真一枚目)は、勝元の傍らにある。

政元

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京都府内の石造物㉞:龍安寺宝篋印塔ほか応仁の乱関係の石塔(細川晴元、足利義政、日野富子の墓)

名称:龍安寺宝篋印塔

伝承など:細川勝元の墓

所在地: 京都府京都市右京区龍安寺御陵ノ下町 龍安寺

石庭で有名な京都市の龍安寺は、室町時代中期の管領で、応仁の乱で東軍の総大将であった細川勝元が創建した禅寺で、後に応仁の乱で消失するが勝元の子の政元によって明応八年に再興された。

境内寺務所の裏には細川家の墓所があり、勝元以降の京兆家当主の墓塔である宝篋印塔が建ち並ぶ。

勝元の墓は中央の宝篋

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神奈川県内の石造物⑲:元箱根宝篋印塔(伝・多田満仲の墓)

名称:元箱根宝篋印塔

伝承など:多田満仲の墓

所在地:神奈川県足柄下郡箱根町元箱根

元箱根の曽我兄弟の墓と伝承される五輪塔から芦ノ湖方面に少し進んだ精進池の周辺には鎌倉時代の石造物が点在している。

その中心とも言うべき大型の宝篋印塔は、二.六メートルを超える総高を誇り、多田満仲の墓と俗称されるが、もとより曽我兄弟同様後付であって多田満仲とは関わりはない。

宝篋印塔は相輪が欠損しているがほ

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近畿地方の石造物⑱:安国寺宝篋印塔(足利義教の首塚)

名称:安国寺宝篋印塔

伝承など:足利義教の首塚

所在地:兵庫県加東市新定 安国寺

兵庫県加東市、かつては東条町であった新定の安国寺は、南北朝時代に足利尊氏・直義が全国に造立した安国寺利生塔の一つで、播磨の安国寺である。

本堂裏の水田の中に建つ宝篋印塔は、室町幕府六代将軍の足利義教の首塚と伝承される。

足利義教は嘉吉の乱によって赤松満祐に暗殺されるが、満祐が播磨に引き上げる途中、この安国寺

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京都府内の石造物㉝:五社神社宝篋印塔(伝・宇都宮頼綱供養塔)

名称:五社神社宝篋印塔

伝承など:宇都宮頼綱供養塔

所在地:京都府京都市西京区下津林楠町 五社神社

阪急桂駅から東南に少し歩いた住宅街にある五社神社境内の西に、三メートルを超える大型の宝篋印塔が建っている。

蓮生塔と通称されているが、蓮生は宇都宮頼綱の法名であり、古くから宇都宮頼綱の供養塔と伝承される。

頼綱は下野国の豪族宇都宮氏の当主で鎌倉時代初期の御家人であったが、北条時政の女婿であ

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