近畿地方の石造物㉟：吉野山宝篋印塔（伝・村上義光の墓）
名称：吉野山宝篋印塔
伝承など：村上義光の墓
所在地：奈良県吉野郡吉野町吉野山
近鉄吉野線の吉野駅からケーブルに乗り換えて吉野山駅で下車し、吉野神宮方面に十分ほど歩いた所に、村上義光の墓と伝承される宝篋印塔がある。
村上義光は信濃の武士で、大塔宮護良親王に従って鎌倉幕府と戦い、吉野山で親王の身代わりになって戦死した人物で、特に戦前は忠臣として賞賛されてきた。
宝篋印塔は二メートルを超える大型塔で、相輪の一部が欠けているもののほぼ完存している（一度倒れた、あるいは地震にでも遭ったのか、塔身の位置が若干ずれている）。
南北朝時代の作で、年代として義光の墓でも違和感はないが、おそらく吉野山にあることから後世義光と結びつける伝承が生じたのであろう。
いづれにせよ、吉野地方を代表する美しい石塔である。
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