フランコ・ロッソ

サークル遊嬉楼に所属しています  フランコ・ロッソと申します 主に私が描いたイラストや…

フランコ・ロッソ

サークル遊嬉楼に所属しています  フランコ・ロッソと申します 主に私が描いたイラストや過去の絵や創作小説などを投稿しています 時々R18イラストも載せたり… Xではフランコ・ロッソで絵を乗せたりしているのでよかったら見てみてね

マガジン

  • 創作昔話 みのがし様

    私フランコ•ロッソがA40という20歳以上の 人々が参加する同人即売会にて所属するサークル遊嬉楼の冊子に書かせて頂いた昔話 です 加筆と修正を施しており 読みやすく してありますので どうかご覧になって下さい

  • 創作昔話 妙安寺の化け太鼓

    廃寺で鳴り響く音 それは題目を唸る声 人々の恐怖にある行者が立ち上がる…!

  • ぼた餅ァいらんかえ

    ぼた餅売りと武士の関わりを描いた ホラーテイストの昔ばなしです 水木しげる御大の妖怪画を見ているときに閃きました

  • 創作小説 影女刀

    初めて書いた 微ホラー系の時代小説です ある刀を巡る事件を書いてみました

  • 創作昔話 長編シリーズ1 善鬼坊

最近の記事

みのがし様(5) あとがき

この最後の話は加筆修正により加えられたもの であります。 金五郎に脅され泣く泣く二人の居場所を教えた三平、吉太だが、二人はあの一件があった後、店を辞め、吉太は薬売りとして諸国を渡り歩き、越中で所帯を持ち、明治の中頃に中風を患い亡くなった。子孫は今も富山県にて製薬業を営むという。 三平は算術と文字が得意で、貯めた金で寺子屋を開き、近在の子供たちに勉強を教えるようになり、その後で所帯を持った。三平は大正末期まで存命しており、またある時期から日記を書いていたためか、お千代、才蔵

    •  みのがし様(4)

      さて、才蔵お千代が何処へ行ったかと言うと、現在の北海道は松前町の陣屋のそばで発見され、二人の荷物がちゃんと隣にあり、役人も二人も大層驚いたが、これもみのがし様のご利益だと、二人は終生みのがし様を蝦夷地から信心し、小さな商いを真面目にこなし、子宝に恵まれ、腰の曲がる歳まで生きたという。 さて、お千代の実家はというと、娘が居なくなったショックで金五郎はすっかり塞ぎ混んでしまい、お千代の弟の佐太郎が身代を継いで明治末まであったが、昭和の初期に佐太郎の曾孫が散財した後衰退し、満州ま

      •  みのがし様(3)

        三平は懐かしそうに語り、そのまま飯を置いて帰った。才蔵はその神様に頼んで逃げようと思ったが、蔵にいてはどうにもならない。そこで自分と背丈が似ていたもう一人の下男の吉太に、三平を通じて頼み込んだ。この二人はいわゆる捨て子であり、金五郎に養育され今日まで生きてこれた。だが手代の才蔵には手習いや勘定も習ってきた恩もある。 二人は2日間悩んだ後、計画に乗った。さて、祝言の当日、江戸から例の木綿問屋の嫡男千代太郎、父親の初蔵、母親のやえが駕籠に揺られ、金五郎方に到着した。挨拶もそこそ

        •  みのがし様(2)

          それから数十年後、治兵衛もこの世の人でなくなった頃、武州の川越で名の知れた海産物問屋の越後屋金五郎方に、美人の誉れ高い娘のお千代という者がおり、祝言の勧めはあったが頑として首を縦に降らなかった。それもその筈、お千代は手代の才蔵に惚れていたのだった。才蔵も手代という役目柄表向きには言えないが、夜更けにこっそりと会瀬を楽しんでいたのであった。 それをよく思わなかった父親の金五郎と母親の おつたは、無理やり二人の中を引き裂くようにしてしまい、才蔵は余っていた蔵の中に幽閉され、お千

        みのがし様(5) あとがき

        マガジン

        • 創作昔話 みのがし様
          5本
        • 創作昔話 妙安寺の化け太鼓
          2本
        • ぼた餅ァいらんかえ
          4本
        • 創作小説 影女刀
          9本
        • 創作昔話 長編シリーズ1 善鬼坊
          8本
        • 遊嬉楼 フランコ•ロッソイラスト集
          4本

        記事

          創作昔話 みのがし様(1)

          昔々、今の埼玉県あたりにみのがし様という小さな社があった。この社は盗人勘三郎という名の知れた泥棒を神として祀っていた。盗人勘三郎とは、元の名を佐倉の勘三郎と言い、直訴し果てた佐倉惣五郎を信奉していた故に佐倉と勝手に名字をつけていた妙な盗人で、盗んだ銭を5両だけ残しては貧しく身売りをしなければならないような家に紫の布に包んで置いていくような処があった。 だが、勘三郎も歳をとり足がついてしまった。代官所で死罪を言い渡されたが、勘三郎は一つも弱音を吐かず、代官の柴田兵庫にこう言い

          創作昔話 みのがし様(1)

          空に想う2

           前回の続き 私はよく父親が単身赴任で いた街に家族で行った もう10数年前だが… たまに温泉に行き 露天風呂で月を眺めていた 夜空に輝く月をただただ無心で眺めては  星影のワルツを口ずさんでいた そして 必ずという訳ではないが月に願いをこめて いたものだった あの金糸銀糸を散りばめた様な 星空はいくつになっても忘れられない 15で郷里を離れた私は全寮制の高校に入学した はやくに親元を離れた故か寂しさで眠れない日もあった それ故に同郷で進学した同期の仲間を 大変羨ましく思っ

          空に想う

          皆さんはふとした時 空を見上げることは おありだろうか 私は幼少期から空を見ては 遠景に夢想を抱いてきた 何のことかと 思われるだろうが 私は地方に生まれ  家族の手伝いでよく夜明けから仕事を 手伝っていた その時は紫雲棚引く 朝焼けから 紺碧の空に変わる瞬間を 幼少期からよく見ていた それと同時に この空の向こうにはどんな人々が 住んでいるのか? という子どもなりの 妄想を抱くようになった あの当時は まだスマホでGoogleMAPを開いて… ということが出来なかったゆえに

          妙安寺の化け太鼓(2)終

          日緑は村の衆から貰った握り飯を四つも頬張り 風呂に入れて貰った後に 寺へ向かった 蜘蛛の巣が張って床には茸が生えている始末だ 日緑は 題目を唱えた後 軽く掃除をして そこで横になったと思えばそのまま寝入ってしまった 夜更けになった 日緑の耳に入ったのは やはりどん どん どん と鳴る音だ 日緑は数珠を握りしめ 題目をぽつぽつと 唱え出した 邪魔するように音がより騒がしく なるが日緑は全く動じない すると暗闇から 棒のようなものが風を切って飛んで来た 日緑は棒を振り払い 暗

          妙安寺の化け太鼓(2)終

          創作昔話 妙安寺の化け太鼓(1)

          昔々 現在の新潟県にあった話でな  妙安寺という法華のお寺さんがあった とても大きなお寺でお坊さんも小僧さんも たくさんいたんだが 戦で焼かれ坊さんも 小僧さんもみんな散り散りになってしまったんだ そこにはかの日蓮上人が題目を書いた  題目太鼓という立派な太鼓があってな ご法会 の時は題目に合わせて どん どん どんと 鳴っていたんだが 誰も鳴らさなくなってから 長い時が経った頃 廃寺になった妙安寺から どん どん どん たたけや たたけや  どん どん

          創作昔話 妙安寺の化け太鼓(1)

          神様描いてみたシリーズ No.3 孟章神君(道教)

          神様描いてみたシリーズ No.3 孟章神君(道教)

          ぼた餅ァいらんかえ(4)終

          喜左衛門は自責の念と恐怖で恰幅の良い身体が すっかり病み衰えてしまい食も喉を通らなかった 仲間の次郎兵衛という者が詳細を尋ねると目を丸くし 上役に事の仔細を話し 喜左衛門に暇を出した すっかり弱ってしまった喜左衛門は歩くことが不自由になり 駕籠で村の外れにある 佐一の墓の前で行ったかと思うと土下座し 詫び証文を供え 念仏を唱えた その晩 あのぼた餅を食べた旅籠で泊まるとぼた餅ァいらんかえー…ぼた餅ァいらんかえー…と聞こえ出した時 喜左衛門はいよいよ震えだした 目をつぶっていた

          ぼた餅ァいらんかえ(4)終

          ぼた餅ァいらんかえ(3)

          痛みなんぞは怖さで忘れてしまった だが 走る喜左衛門の姿を見る佐一の眼球は怒りと悲しみをたたえながら息たえた 喜左衛門はその晩は眠れず 江戸に帰った後も役宅で魘され続けたのだ ある時 役宅の仲間内で酒をのもうと言って幾人かで集まった その時は同じ仲間の妻女が拵えたぼた餅が振る舞われた 喜左衛門は酒に酔っていたのか ぼた餅をかるく齧ったとき ぼた餅の中から真っ赤な血が滴り落ちた 仲間も目を丸くし 恐る恐る齧ったが仲間内の口元には餡がついているだけであり ただただ旨かったよ

          ぼた餅ァいらんかえ(3)

          ぼた餅ァいらんかえ(2)

          作ったぼた餅が全く売れず佐一はため息をついて帰ろうかと思ったとき 旅の武士で 名を喜左衛門と言った男がまとめて買い上げた 喜左衛門は着いた旅籠でぼた餅を ムシャムシャと食べたが 一時ほどすると 豆が悪かったからか腹持ちがあまり良くなかったのか腹が痛みだした 腹の痛みと悪いものを食わせたぼた餅売りを許せなかった喜左衛門は 村の外れに住んでいた佐一を呼びつけ 激怒し 餅の代金を返せと言ったが佐一は小豆の代金を支払うために使ってしまったと言ったか 言わないかのうちに鯉口

          ぼた餅ァいらんかえ(2)

          創作怪談昔ばなし ぼた餅ァいらんかえ (1)

          昔 江戸も中頃に差し掛かった頃 ある村の入り口で ぼた餅売りの佐一が旅ゆく人々に声をかけていた ぼたー餅ァーいらんかえー ぼたー餅ァーいらんかえーと 味は小豆の味が濃く なんとも甘い味付けで 旅の人々は喜んで買っていった だがいつまでも良いことは続かず 不作の年が続き質の悪い小豆ばかりしか使えなくなってしまった 佐一も 食わねばならない 作りはしたが味の不味さを知ってしまった故か誰も見向きしなくなったのだ

          創作怪談昔ばなし ぼた餅ァいらんかえ (1)

          創作小説 影女刀(9)終

          この一件の一部始終を聞いた火付盗賊改の長官 長谷川平蔵はポツリと 「女の執念は恐ろしいものよ 執念が刀に乗り移り 手にした者を不幸に 周りさえも巻き込んだ 米原殿の采配がなければ お前も只ではすまなかったろうよ…」と神妙な面立ちであった  事件から2日後 惣太郎は牢内で衰弱死していた そして 惣太郎の妹にあたる二人は山端の養子として迎え入れられたのだ そして近田は役宅内で祝言を挙げた 近田は兄の様に慕っていた成田の墓前に手を合わし 帰ろうとした折りに一陣の暖かい風が吹いた

          創作小説 影女刀(9)終

          創作小説 影女刀(8)

          惣太郎は先ほどの亡者のような顔つきから 黄土色の顔つきになり倒れ伏した 刀はより 禍々しく光り近田を刺さんとした時米原が 念仏を唱えながら刀を叩き落とした  米原は叩き落とした 影女刀を紐で縛り  近田を連れ 近在の寺の住職が護摩行をしている 場所まで来た すると住職はより一層強く 念じると護摩の火中から倶利伽羅竜王が飛び出し 刀を飲み込んだ 刀は悲鳴のような音を立てながら火の中に消えていった 米原は近田から詳細を聞いていた折にに妖刀を始末するには神仏の力を借

          創作小説 影女刀(8)