創作小説 影女刀(8)

惣太郎は先ほどの亡者のような顔つきから

黄土色の顔つきになり倒れ伏した 刀はより

禍々しく光り近田を刺さんとした時米原が

念仏を唱えながら刀を叩き落とした 


米原は叩き落とした 影女刀を紐で縛り 

近田を連れ 近在の寺の住職が護摩行をしている

場所まで来た すると住職はより一層強く

念じると護摩の火中から倶利伽羅竜王が飛び出し

刀を飲み込んだ 刀は悲鳴のような音を立てながら火の中に消えていった 米原は近田から詳細を聞いていた折にに妖刀を始末するには神仏の力を借りねばならないと思ったのか 懇意にしている

住職に依頼し調伏の護摩を焚いて貰ったのだとか


惣太郎は衰弱しきっていたが近田や盗賊改メ方の人間の質問には答えることは出来たようであり

惣太郎の口からは 家老の部屋を掃除していた

折にに刀の安置してある床の間で声がして それは刀から聞こえ そこからは何一つ覚えていなかったのだと言う 惣太郎をみた医者のもう長いことはないと言う話であった

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