創作怪談昔ばなし ぼた餅ァいらんかえ (1)

昔 江戸も中頃に差し掛かった頃 ある村の入り口で ぼた餅売りの佐一が旅ゆく人々に声をかけていた


ぼたー餅ァーいらんかえー


ぼたー餅ァーいらんかえーと


味は小豆の味が濃く なんとも甘い味付けで

旅の人々は喜んで買っていった だがいつまでも良いことは続かず 不作の年が続き質の悪い小豆ばかりしか使えなくなってしまった 佐一も

食わねばならない 作りはしたが味の不味さを知ってしまった故か誰も見向きしなくなったのだ


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