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空に想う2

 前回の続き 私はよく父親が単身赴任で
いた街に家族で行った もう10数年前だが…
たまに温泉に行き 露天風呂で月を眺めていた
夜空に輝く月をただただ無心で眺めては
 星影のワルツを口ずさんでいた そして
必ずという訳ではないが月に願いをこめて
いたものだった あの金糸銀糸を散りばめた様な
星空はいくつになっても忘れられない

15で郷里を離れた私は全寮制の高校に入学した
はやくに親元を離れた故か寂しさで眠れない日もあった それ故に同郷で進学した同期の仲間を
大変羨ましく思ったものだったな だが
そこも所謂地方であって 昼間にはトンビの
鳴き声が聞こえるような場所だった 空は
 青い絵の具を塗りつけたような快晴が多かった気がする 海に面していたためか 海に沈む
夕日も美しく 一幅の絵に出来るほどであった

私は学年が進んでから 自分一人で帰省をする
ようになった 朝方に起き 一人でバス JR
船 と乗り継いで帰ったものだった
ある日の朝方 窓を見るとそれはそれは紫の空で
宛ら 仏様がお乗りになられるような紫雲が
見え なんとも不思議な感覚を覚えた
記憶が未だにある 帰省時は 雲一つない
朝方の6時頃に出て 実家に帰るのは夕方を
過ぎていた 半日かけて行くのだから毎回
毎回 旅行のようなものだと 回想したりする

 その後私は卒業し 専門学校に入学し
就職し大きな街に住むようになり今日に至るわけ
だが 最近鳥の鳴き声を聞いて目覚めることも
あったりする そして今は郷里に帰るときには
 飛行機も選択肢に入るようになったが
雲海は柔らかな雲が絨毯のように敷き詰められ
 我々には見えないだけで人知を越えた存在が
いるのだろうな と思い浮かべたりした
太陽の光が我々を祝福するように照らし
雲間から覗く青さのある空は 私のような
人間においては非常に美しく そして
神々しく想えるのだ 


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