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創作昔話 みのがし様

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私フランコ•ロッソがA40という20歳以上の 人々が参加する同人即売会にて所属するサークル遊嬉楼の冊子に書かせて頂いた昔話 です 加筆と修正を施しており 読みやすく してあります…
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みのがし様(5) あとがき

みのがし様(5) あとがき

この最後の話は加筆修正により加えられたもの
であります。

金五郎に脅され泣く泣く二人の居場所を教えた三平、吉太だが、二人はあの一件があった後、店を辞め、吉太は薬売りとして諸国を渡り歩き、越中で所帯を持ち、明治の中頃に中風を患い亡くなった。子孫は今も富山県にて製薬業を営むという。

三平は算術と文字が得意で、貯めた金で寺子屋を開き、近在の子供たちに勉強を教えるようになり、その後で所帯を持った。三平

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 みのがし様(4)

 みのがし様(4)

さて、才蔵お千代が何処へ行ったかと言うと、現在の北海道は松前町の陣屋のそばで発見され、二人の荷物がちゃんと隣にあり、役人も二人も大層驚いたが、これもみのがし様のご利益だと、二人は終生みのがし様を蝦夷地から信心し、小さな商いを真面目にこなし、子宝に恵まれ、腰の曲がる歳まで生きたという。

さて、お千代の実家はというと、娘が居なくなったショックで金五郎はすっかり塞ぎ混んでしまい、お千代の弟の佐太郎が身

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 みのがし様(3)

 みのがし様(3)

三平は懐かしそうに語り、そのまま飯を置いて帰った。才蔵はその神様に頼んで逃げようと思ったが、蔵にいてはどうにもならない。そこで自分と背丈が似ていたもう一人の下男の吉太に、三平を通じて頼み込んだ。この二人はいわゆる捨て子であり、金五郎に養育され今日まで生きてこれた。だが手代の才蔵には手習いや勘定も習ってきた恩もある。

二人は2日間悩んだ後、計画に乗った。さて、祝言の当日、江戸から例の木綿問屋の嫡男

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 みのがし様(2)

 みのがし様(2)

それから数十年後、治兵衛もこの世の人でなくなった頃、武州の川越で名の知れた海産物問屋の越後屋金五郎方に、美人の誉れ高い娘のお千代という者がおり、祝言の勧めはあったが頑として首を縦に降らなかった。それもその筈、お千代は手代の才蔵に惚れていたのだった。才蔵も手代という役目柄表向きには言えないが、夜更けにこっそりと会瀬を楽しんでいたのであった。

それをよく思わなかった父親の金五郎と母親の おつたは、無

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創作昔話 みのがし様(1)

創作昔話 みのがし様(1)

昔々、今の埼玉県あたりにみのがし様という小さな社があった。この社は盗人勘三郎という名の知れた泥棒を神として祀っていた。盗人勘三郎とは、元の名を佐倉の勘三郎と言い、直訴し果てた佐倉惣五郎を信奉していた故に佐倉と勝手に名字をつけていた妙な盗人で、盗んだ銭を5両だけ残しては貧しく身売りをしなければならないような家に紫の布に包んで置いていくような処があった。

だが、勘三郎も歳をとり足がついてしまった。代

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