作家生活

短編150.『作家生活15』〜アヒル口篇〜

短編150.『作家生活15』〜アヒル口篇〜

 なんらかの理由があって二日も本が読めない日が続くともう駄目だ。  何も湧いてこない。  脳が出涸らしのようになる。  酒や煙草や風景は添加物に過ぎない。  出来上がった料理にかける調味料。  まぁそれも大切なのだが。  やはり脳を、書く為の脳部位を、駆動させるのは他人の言葉しかない。  良い文章を読めば鼓舞されるし、  (SNS上に散らされた)クソの如き詩が目につけば駆逐すべく動き出す。  そう考えれば、人と人は支え合っているのかもしれない。  それがど

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短編140『作家生活14』〜ステマ篇〜

短編140『作家生活14』〜ステマ篇〜

 紙の上でアドリブをしているようなものだ。  この短編小説チャレンジをジャズに例えるならば。  初めに出した音が次の音を呼び込むように、一つの文章がまだ見ぬ言葉を喚起する。  それはモーダルなもので、気ままに転調したり、  時にアバンギャルドでフリーキーな音も出す。           *  小節数は決まっていない。  終わるべき時が来れば自然、終わる。  最低限のビートさえあればいい。  私はそれに乗ってフリースタイルにラップしている。  この短編小説チ

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短編130.『作家生活13』〜タモさん篇〜

短編130.『作家生活13』〜タモさん篇〜

「人生は金じゃない」という言葉が成功者の口からしか聞かれないのと同じように、 「いくらフォロワーが多くても結局、量より質だよ」という台詞は多数のフォロワーを抱えるアカウント主からしか聞かれない。  Twitterのフォロワー数が百人にも満たない私が同じことを言おうにも、  そこには迫力も実績も無い。  影響力も無ければ、説得力もない。そして何よりカッコよくない。  私はカッコよくありたい。  何故って?男だからだ。  それ以上の説明は要しないだろう。     

短編120.『作家生活12』〜小説は現代アートか?篇〜

短編120.『作家生活12』〜小説は現代アートか?篇〜

 一聞いて十知る、ことが出来る分野が才能だ。  現代音楽を構成する楽理はいくら聞いても分からなかった。日本語で話してもらっているのかすら分からなかった。  百万遍繰り返し聴いた楽曲、擦り切れたレコードの山。一聴しただけで、その曲の骨子を掴み取るなんてこと夢のまた夢だった。ましてや、それをそのままアドリブで演奏するなんて。  トランペットは吹けども吹けど上達はしていない。リズムはズレ、音はかすれ、息は続かなかった。  アドリブなんて夢のまた夢。楽譜を追うことすら一苦労。

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短編110.『作家生活11』〜新・担当くん篇〜

短編110.『作家生活11』〜新・担当くん篇〜

 それを”型”とは呼びたくないので、敢えて横文字で”スタイル”とするが、あらゆる自己表現はそれを繰り返しているうちに、ある種のスタイルが出来上がってくる。  自分の根底にある魂に根ざした、代替不可能なもの。  それが私の云う、”スタイル”だ。  スタイルさえ出来上がってしまえば、後はそれをバネとして跳ぶことも、そこから逸脱するも戻るも自由だ。  スケール(音階)を熟知している音楽家がフレーズの途中でスケール外にアウトしても難なく戻ってこれるのと同じように。(むしろそっ

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文学的コスパとは

文学的コスパとは

 近ごろのわたし、生身のひとに触れなさすぎる問題。あはんな意味合いのからだの接触じゃなくてね、いやそれすらもだいぶご無沙汰なのだけども、基本にんげんこわいなにんげんなもので、できることなら必要最低限のひとたちとなごやかに、ひっそりと暮らしていたいわけです。仕事はぼちぼちしているのですが、物書きとしてはたまに誰かと話すくらいがちょうどいい。義務感に駆られてあきらかに不向きな接客業、カフェやファーストフードなんかでバイトバイトばかりしていた昔と比べ、今は比較的生きやすくなりました

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【作家のラジオ】ライ、ラ、ライナス〜英国編〜

【作家のラジオ】ライ、ラ、ライナス〜英国編〜

作家志望のあなたへ贈る、ためになるかもしれないラジオ。 話してるのはこんなこと(^O^) ・しゃべらなすぎてしゃべりにきました。 ・小説は実験☆ ・趣味というよりもはや日常。 ・縁のある国。

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今、作家生活14年目にして、生まれて初めて、自分の書く文(作品)に、ロマンを感じるようになりました。ありがとう、ありがとう。書かせてくれてありがとう。大大、大感謝!

今、作家生活14年目にして、生まれて初めて、自分の書く文(作品)に、ロマンを感じるようになりました。ありがとう、ありがとう。書かせてくれてありがとう。大大、大感謝!

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繋がりと分断|金原ひとみ

繋がりと分断|金原ひとみ

文・金原ひとみ(作家) コロナで生活は変わりましたか? とインタビューなどでよく質問を受ける。あまりピンとこず、「大して変わってないです」と答えてきたし、実際、中学に入学したばかりなのに3ヶ月近く学校に通えなかった長女や、入社早々研修が飛び、在宅勤務と休業を織り交ぜながらのイレギュラーな社会人生活をスタートさせた新入社員の友人、大学の前期の授業がすべてオンラインになり、決まっていた講演会が全て中止になった父などと比べると、インタビューがオンラインになったり、受賞した文学賞の

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原稿前のひとり雑談②

原稿前のひとり雑談②

作家志望のあなたへ贈る(?)ためになるかもしれないラジオ。 今回は町屋良平さんの話とかしゃべると書く能力とかだらだら話していま!いっぱいいっぱいといいつつ、話したい。

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