仁平 幸春|アーティスト

フォリア代表。東京で染色品(主に和装)と絵画の制作・販売を行っております。このnote…

仁平 幸春|アーティスト

フォリア代表。東京で染色品(主に和装)と絵画の制作・販売を行っております。このnoteはサイトの文章置き場に使っております。【同じテーマや内容を違う言い方をして何度も書く】ことが多いです。アート/工芸/料理の話題が多め【サイト→ https://foglia.jp

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キモノの業界は色々な面で事実確認と外部への説明が足りない気がします

キモノの業界には、現代におけるキモノの存在意義の理論構築が殆どされておらず、ただ「日本の民族衣装だから日本人は皆着るべき」「伝統だからとにかく素晴らしいのだ」「伝統のスゴイ技術だから良いものなのだ」「職人がかわいそうだから守れ」みたいなノリなんですよね。 理論どころか、現状把握も出来ていない場合が多い。 それで念仏のように上記のような事を言っていても、説得力を持って世間に広まり浸透する事はありませんよね。 ・・・以前、外国のドキュメンタリー番組が結城紬の工房を取材した際

    • 仕事のキャリアは年数ではなく実際に現場で任されて作業した時間で量るべきですねえ

      工芸系分野の個人の業界歴を良く「この道〇〇年」とか言いますが、しかし内情を観ると、例えば友禅染の世界で言いますと *友禅の先生の元で5年修行した後、工房を辞めた *自分で作品発表などしてみるが仕事が無く、他に収入のための仕事を持ったり、親族からの支援で友禅を細々と続けてはいるが実質的に仕事としては関わっていない。関係者のようなそうでないような曖昧な生活をだらだらと10年程する *その後、以前の知り合いと再会し、また友禅染をするようになったけども自分の作った作品を一年に数

      • 人生の倦怠と創作上の退屈

        カーネギーの本によると、疲れは退屈から来るらしいですね。 なるほど、確かにそうですね。 楽しい事をすると、脳に溜まった不良メモリーを開放出来て元気になります。そういう時の疲れは心地よい疲れであり、その疲れのお陰で良い睡眠が取れたりもします。 日常生活や仕事で「打てば響く」という状況だと楽しいから疲れにくいし新しい発想もどんどん湧いて来る事でしょう。 私の場合は元々「何かを楽しむ資質がない」のに加えて子供の頃から日常生活、勉学、仕事でうまく行った!と思える出来事のない人

        • 真正芸術家の作品には苦労の痕跡は無いけども、本人の日記には愚痴とボヤキばかり

          ・・・なんですよね。だいたい。 これは当然だと思います。 血反吐吐きながら精神と肉体を削り、場合によっては存命中には経済的に報われず社会的評価も受けられず、それでも美に対してひたすら誠実に、自分の作品が昇華し地球の重力を超え、時間の支配から自由になるまで・・・自分が納得するまでやり切る・・・ だから作品自体には、苦労や苦悩の痕跡は残らないわけです。そういう作品だから、それは真正の芸術作品として残り、長く人々の心に響くわけですね。 しかし、人間としての作者は、それはもの

        キモノの業界は色々な面で事実確認と外部への説明が足りない気がします

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          私の音楽や美術などの好みは分野が好きなのではなく個人が好きな方向

          私は、音楽を節操無く色々と聴きますが、例えば「ロックが好き」という事ではなく、自分の好きな個人、あるいはバンドが好きなだけであって、ロックという様式や価値観全体が好きなわけではないので、ロック史全体を俯瞰し語れるという事はありません。ザックリ知っているだけです。 ジャズやクラッシック、現代音楽や民族音楽などでもそうで「この人のこの時代の作品は好きだ」という事以上にはなりません。 アート界隈も同じく。 例えば「印象派が好き」という事はなく「〇〇という画家が好きだ。それは印

          私の音楽や美術などの好みは分野が好きなのではなく個人が好きな方向

          料理は絵ではないと思うんだ

          私は、西洋料理で、時間をかけてソースで抽象画を描き、小花やハーブの芽で細心の注意を払って盛り付けたモダンな西洋料理がどうも苦手です 盛り付けに時間がかかり過ぎてソースが乾いて割れていたりするとゲンナリします 私は出来立ての熱々から、それが冷めて行くまでの味の変化の臨場感も美味とする古の日本の価値観に生きる男ですので「あーもう良いから、その焼き立ての肉をそのままさっさと持って来て食わせてくれ!」と思ってしまうのです 私にとっては、皿を色々な色で飾り立てる事によって生まれる

          料理は絵ではないと思うんだ

          軽井沢の室生犀星記念館に行きました

          先日、ずっと行きたかった詩人・小説家の室生犀星の軽井沢の別荘だった「室生犀星記念館」に妻と行って来ました。(下リンク) 旅行というものを計画する能力が完全に欠落して私ですので、妻に計画を立ててもらいました。笑 私は文学青年でも何でもない人間でしたが、嵐山光三郎さんの本の「文人暴食」という本に取り上げられていた事で室生犀星を知り、興味を持って著作を読むようになりました。三十代半ばでやっと知ったのです。 ちなみにこの「文人暴食」は「文人悪食」という本の続編で、日本の有名文士

          軽井沢の室生犀星記念館に行きました

          美しい道具は、用途を知っていても知らなくても美しい

          シビアな職人仕事の何かの用途に使われる道具は、非常に魅力的な形をしています。色気すら感じます。使い込まれたものなら、それはまるで生き物のようです 例えば、手術のための道具や、特殊な加工のための道具、危険と背中合わせの作業をするための道具、その他その他・・・ その具体的な用途が分からなくても、その造形の美しさに心はざわめき惹かれます その道具を美しいと感じるも、用途が分からなければ、それは道具ではなく造形物として美しいと感じている事になります それは道具とか芸術作品だと

          美しい道具は、用途を知っていても知らなくても美しい

          機械でやった方が良いものは機械でやった方が良い

          手でやっていたものが、機械でもっと精度高く出来るようになった、そして完成度の高いものが大量生産出来るようになり、価格が下がって社会の人々が幸福になった、めでたし。 しかし、それまで手作りでそれを生産していた人たちと、その技術は淘汰されてしまった。 ・・・私自身は手作り品を生産/販売する事を生業としているのですが、それで何も問題無いと考えております。伝統工芸品の分野においても手作りだから本物なんて考えは全くありません。 以前「良い」とされていたものが、もっと良いものが出て

          機械でやった方が良いものは機械でやった方が良い

          本阿弥光悦の大宇宙展へ行った

          もう終わってしまった展示ですが東京国立博物館の「特別展 本阿弥光悦の大宇宙」へ行って来ました。 いやあ、本当に素晴らしく、感心・感動いしました。 光悦にまつわる色々な事を網羅した展示会でした。正に「光悦の大宇宙」でした。 細かい解説は上記展示会のリンクでご確認いただくとして・・・ 書、漆器、刀剣、茶陶はもちろん、光悦本人の事だけでなく、本阿弥家の歴史や教育方針などにも触れられていて、最高度の文化的素養を伝承する事の大変さが感じられました。ただ子孫である理由で世襲しただ

          本阿弥光悦の大宇宙展へ行った

          国立新美術館のマティス展に行きました。とても良かったです。

          2023年の東京都美術館でのマティス展は本当に素晴らしい展示会でしたが、今回行きました2024年国立新美術館で開催の「マティス・自由なフォルム」展も同じぐらい良かったです。(以下、その情報リンクです) 2024年2月14日(水) ~ 2024年5月27日(月)まで開催しておりますので、この記事が公開された時点では(4/29)まだ間に合います。マティスがお好きな方はもちろん、それ程興味の無い方であっても、個人的に強くオススメしたい展示会であります。 以下のリンクは去年の東京

          国立新美術館のマティス展に行きました。とても良かったです。

          伝統は資源

          日本では、水と安全と環境が豊か過ぎて、生まれる前からそれが当たり前にあり、今後もそれが自然にたっぷりと湧いて出て来るのだと思っている人が多いと言われておりますね。 日本の豊かな伝統もそうです。 それらは、先人たちが作り上げてくれた「資源」です。 それらは今も実生活を豊かにし、人々の社会生活と文化レベルを底上げするものですが、何もしなければ途絶えてしまうのは当然です。しかし、人々に危機感はありません。それらは生まれた時から充分にあり、それがあるのが当たり前だから未来も当た

          2024年4月・たけのこ炊いた

          先日、タケノコを炊きました 以前、このnoteに紹介した方法です 今年は、下記リンクで新しく知った「植物油を使ってアク抜きをする方法」を試しましたが、それはとても上手く行きました。今後はこの方法で行こうと思いました。 この方法でやると、タケノコの香りがとても良く立ち、灰汁は抜けても味は殆ど抜けずに仕上がります。私は「米油」を使いました。米油は、少し甘い香りがし、味は旨味とほんのりした甘みがあり、揚げ物に使っても加熱による劣化が少なくウチでは愛用しています。最近、こなれた

          2024年4月・たけのこ炊いた

          2024年の桜写真【昼の部】

          先日投稿しました上リンクの「夜の桜写真」の次は、昼の桜写真です。 桜だけでなく、椿やシャガの花の写真やその他の写真も入っています。 (画像クリックで拡大します) * * * * * * * * * *  以上です。

          2024年の桜写真【昼の部】

          2024年の桜写真【夜の部】

          私は桜花の花粉アレルギーなので、ここ数年は桜が満開の頃には近寄らないようにしていたのですが、今年は久々に撮影してみました。こちらは、夜に撮ったものだけまとめて投稿しました。(画像クリックで拡大します) 以下リンクは【昼の部】です。 * * * * * * * * * *  * * * * * * * * * *  以上です。

          2024年の桜写真【夜の部】

          伝統工芸において明治以降の偉いとされている人ばかりを参考にしても伝統から学んだ事にならないですよね

          私は、染の着物や帯の文様染色の製造卸販売をメインの生業にしております。ですので東京在住の私は東京国立博物館の常設展に良く行きます。工房構成員には年パスを配布します。工房を東博の隣にしたいぐらいに、それは身近であり、その収蔵物はある意味師匠であり、それを制作した人々に同志という感覚を持ちます。 しかし、私よりも年長の模様師たち(和装の文様を加工する職人)・・・いや同世代や年下の人たちもそうですが、模様師だけでなく和装制作系の全般、いや呉服業界全般か・・・大手美術団体系の展示会

          伝統工芸において明治以降の偉いとされている人ばかりを参考にしても伝統から学んだ事にならないですよね